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愛知県豊明市がLGBT支援宣言
愛知県豊明市(名古屋市緑区に隣接する小さな市です)が、LGBT支援宣言をしました。中部(東海)地方では2例目、愛知県では初となります。
豊明市は8月22日、性的少数者(LGBT)を尊重し、多様な生き方を認めるための「LGBTともに生きる宣言」を発しました。
昨年末の市議会でLGBT支援を求める質問(教職員向けの啓発や、同性パートナーシップ証明について。詳しくはこちら)があったほか、今年1月の教育委員会でも性的マイノリティの子どもへの理解や支援について話し合われており(詳しくはこちら)、そうした動きを経て、支援の第一歩として宣言を出すことになった模様です。豊明市の公式サイトにはすでに「LGBTについて」というページができています。
市役所で「LGBTともに生きる宣言」を読み上げた小浮正典市長は「当事者は人口の7~8%いると言われている。やれることから取り組んでいきたい」と述べたそうです。
市は今後、名古屋市のNPO法人 ASTAに協力を依頼し、理解促進に向けた事業を行っていく予定です。具体的には、相談事業の拡充として公的機関や支援団体の電話相談先を紹介、市民向けの講演会や研修会を開催、市役所内の多目的トイレをだれでもトイレとして位置づけLGBTに配慮した表示を行う、市の広報でLGBT特集を掲載、などです。10月21日に市役所で開催される男女共同参画フェスタでは、『彼らが本気で編むときは、』の上映やLGBTに関するパネル展示も行われます。
ASTA共同代表理事の久保勝さん(愛知教育大)は「この取り組みが広がっていくことを願っています」と語りました。
LGBT支援宣言は2013年に大阪市淀川区が初めて行い、以降、沖縄県那覇市、兵庫県宝塚市、和歌山県橋本市、岐阜県関市、沖縄県浦添市と続いてきました。淀川区は、予算を組んで、全職員に対して研修を実施し、区の広報やポスターで広く区民に周知させ、相談窓口を設置し(電話相談だけでなく、個別相談も)、講演会を開催し、コミュニティスペースまで設置しています。たとえ同性パートナーシップ証明は実施していなくても、文京区と並び、自治体のLGBT支援のモデルケースと言えそうです。自治体によっては(予算の関係などで)なかなかそこまでできないところもあるでしょうが、まずは支援宣言を発し、職員研修を行い、地道に支援策を実施していく、そういう自治体が全国的に広がっていくことには意義があります。
参考記事:
豊明市が「LGBT支援」宣言(中日新聞)