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キリンとサントリーがともに同性パートナーも配偶者として扱うよう人事制度を改定

 酒類・飲料の最大手企業であるキリンとサントリーが、相次いで社内制度を改定し、同性パートナーも配偶者として扱うことを決めました。

 キリングループはこの7月1日から配偶者の定義に同性パートナーを加えるよう人事制度を改定することを明らかにしました。キリンホールディングス傘下で、国内事業を統括する中間持ち株会社キリンのほか、事業会社のキリンビール、キリンビバレッジ、メルシャンの4社、計7000人程度の従業員が制度の対象となります。
 また、サントリーグループも4月から同様に制度を改定しています。サントリーホールディングス傘下のサントリービールなど国内のグループ15社、計8000人程度が対象となります。
 いずれも、社員が届け出れば、同性パートナーも法律婚と同様に転勤時の別居手当や慶弔休暇など福利厚生の適用対象として認められるものです。

 また、これに関連し、キリングループの4社は7月1日から、トランスジェンダーの従業員が性別適合手術やホルモン療法といった治療を受けるとき、最大で60日の有給休暇を取得できるようにします(こちらのニュースでお伝えした通りです)

 サントリーの公式サイト内のダイバーシティ推進のページを見ると、従業員向けのダイバーシティ通信「いろどり」においてLGBTについて特集し、社員への啓発を促していることがわかります。
 キリンも、公式サイトのダイバーシティ推進のページでLGBTについて言及しています。

 ちなみに、非公開情報かもしれませんが、2000年に二丁目(新宿2丁目のゲイタウン)のコミュニティが初めて「レインボー祭り」を開催した際、二丁目で営業していたサントリーの社員の方が協賛(お酒を提供)してくれたということがあり、一部の方たちにはサントリーがゲイフレンドリーな企業であると認知されていました(ビールを飲むならサントリーにしようと思う方もいらしたはずです)
 
 そうしたローカルな対応から始まり、今回のように大々的に、社内でLGBT施策を推進し、性的少数者(LGBT)の従業員が働きやすい環境を整えていくことで、多様な人材の確保にもつながりますし、消費者の商品購入の判断材料にもなります。これがLGBTマーケティングというものです。特に二丁目など全国各地にあるゲイタウンでは、たくさんのお酒が消費されているわけですから、こうした酒類メーカーがLGBTフレンドリー(アライ)化を明確に打ち出すことは、実に理にかなっていると言えるのではないでしょうか。
 

参考記事:
キリン・サントリー、同性婚容認 多様な人材確保へ人事制度見直し(Yahoo!ニュース)

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