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SOMPOホールディングスがLGBT施策を発表、トランスジェンダーに配慮した「だれでもトイレ」も設置
SOMPOホールディングスは10月6日、CSRの一環として定めているグループ共通の「人間尊重ポリシー」を改定し、LGBT社員の基本的人権の尊重、健康維持・増進にも取り組むこ とを明言しました。
これまでの「人間尊重ポリシー」は、性別、国籍、信条、社会的身分、本籍などによる差別行為を禁じるものでしたが、今回、差別行為の対象の中に性的指向、性自認、性表現などを追記し、LGBT差別の禁止も明確化したものです。
LGBT施策を行ってきた多くの企業が社内規程に盛り込んできたのは、性的指向および性自認による差別でしたが、そこに性表現(服装や話し方などのこと)が加えられているのが新しいと言えます。
また、新宿区にある本社ビル内の診療所に性別や性自認に関係なく使える「だれでも更衣室」を、社員研修施設に「だれでもトイレ」を設置、年内には本社でも「だれでもトイレ」を設置し、「インフラ面からのLGBT対応(バリアフリー化)も進める」としています。
同グループではすでに、国内グループ会社全社員を対象とするCSR研修(年1回)にeラーニングによる「LGBT学習コンテンツ」を導入しており、今後は実際に講師を招いて勉強会を開催、また、アライ(LGBT支援者)であることを示すステッカーも年内に製作・配布し、グループ全体での理解促進のためのネットワークを強化する意向です。グループ共通の人権に関する相談窓口も設置しています。
今年策定されたPRIDE指標(すでに海外で行われているような、企業のLGBT施策の度合いを測る指標)では、1.LGBTに関する方針の明文化(社内規程での差別禁止など)、2.従業員がLGBTに関する意見を言える機会を提供しているか(社内のコミュニティ、相談窓口の設置など)、3.従業員に対するLGBTへの理解を促進するための取組み(研修、イントラ等での社内発信など)、4.人事制度やインフラ面でのLGBT施策(同性パートナーも配偶者と同等に扱う福利厚生、トランスジェンダーのための対応など)、5.社会貢献や渉外活動(LGBTイベントへの協賛、業界団体への働きかけなど)という5つの指標が設けられていますが、SOMPOホールディングスの取組みは5以外の全てを網羅するものとなっており、特にトランスジェンダーの従業員が働くうえでの配慮がめざましいと言えます。
先日、東京海上火災が同性パートナーを「配偶者」として扱う火災保険や自動車保険を開発、というニュースをお伝えしました。三大メガ損保のうち2社がLGBTフレンドリーな対応をするようになったわけで、たいへん喜ばしいことです。
参考: 2016.10.6 日経産業