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3/4の「虹クロ」は当事者の子を持つ親が語り、メンターが涙する、感動的な回です
1月7日(火)放送回に『ボーイフレンド』の“ダイシュン”が出演したことも記憶に新しい、Eテレの「虹クロ」。自身の性に揺らいだり、悩みを抱える10代のLGBTQが顔出しせずに登場し、LGBTQのメンターたちと本音で語り合う番組です。3月4日(火)放送回は、「LGBTQ+のことを親はどう思っているの?」をテーマに、番組史上初めて当事者の子を持つ親をゲストとして迎え、親子の関係に悩む10代と語り合うものになるそうです。
「虹クロ」には「親との関係に悩んでいる」という10代の声が数多く寄せられてきたといい、今回は親の本音を直接聞く特別回を放送することになりました。
ゲストとして登場するのは、トランス男性の子を持つ沼倉智美さんです。最初は「いじめられたらどうしよう」「“普通”に生きてほしい」と思い、なかなか受け容れることができなかったそうですが、幼い頃から「なぜ自分は男の子ではないの?」「いつになったら自分にもおちんちんが生えてくるの?」と苦しむ子どもの姿を見て、少しずつ気持ちが変わっていったといいます。
一方、親との関係に悩む10代として番組に参加するのは、日によって性自認が変わり、好きになる性も性別にとらわれないという18歳のキヨカさん。母親なら理解してくれると思い、勇気を出してカムアウトしたものの、「あなたはLGBTQ+ではないんじゃない?」と言われてしまい、それ以来、親子関係がギクシャクしてしまったといいます。
番組ではさらに、10代の子を持つ200人の親にアンケートを実施。その結果、「本音を言うと“男は男”、“女は女”という考えが根底にある」「まだまだ世間がそこまで寛容とは思えない」といった不安や戸惑いの声が多く寄せられたそうです。
今回の放送には、井手上漠さん、ロバート キャンベルさん、若林佑真さんがメンターとして出演していますが、自身も性的マイノリティとして悩める子ども時代を過ごしてきた若林さんが、沼倉さんの話を聞いて、「親ってそういう気持ちだったんだ…」と涙ぐみ、キャンベルさんが「もう泣いてる」と言ったり、親に理解してもらえないと悩むキヨカさんに対し、若林さんがお父さんにカミングアウトしたときのエピソードを語るなど、感動的な回になっているようです。
収録を終えたキャンベルさんは、「これまでも親の考えをVTRで聴くことはありましたが実際に対面で親とディスカッションすることは、今回初めてだったんですね。家族が絆を確認し合う、それこそ問い直していく、修復をしていくということをお母さんの口から聞くことができて、すごく感動的でした。僕は、目の前に(沼倉さんがいて)40cmくらいしか離れていなかったんですけど、ちょっと言葉が詰まるような気持ちにもなりました」と語りました。
井手上さんも「私も、セクシュアルマイノリティの当事者で、母に支えてもらった一人ということで、すごく考えさせられる回だったなぁと思って。やっぱり『理解し合いたい』っていう愛がある親子の関係であっても、言葉にしたり、ちゃんとコミュニケーションを交わしたりしないと伝わらないことってあるんだなって。そりゃそうだよなっていう気付きと、ちゃんと言葉にするっていう大切さをすごく学ばせていただきました。メンターのみんなが涙していて、親が子を思う気持ちってこんなに素晴らしいんだっていうことにも改めて気付かせていただけるそんな収録でした」と語りました。
虹クロ「LGBTQ+について親はどう思っているの?」
Eテレ
3月4日(火)20:00-20:30
参考記事:
LGBTQ+の子を持つ親の本音は? 「虹クロ」で親子の葛藤と対話に迫る(TVガイド )
https://www.tvguide.or.jp/news/news-3616091/