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米国の動きに鑑みロイターが行なった企業アンケートでDEI推進に「変更なし」が77%に上りました
3月にロイターが企業に行なったアンケート調査で、米国企業の間で見直しが進んでいるDEIの取組みについて尋ねたところ、77%が推進する方針に「変わりがない」と回答し、「見直している」「見直しを検討している」との回答3%を大きく上回りました。
調査は3月5日から14日にかけて実施され、調査票発送企業は505社、回答社数は225社となりました。その結果、77%がこれまで通りDEIの取組みを進めると回答しました。
「長い目で見れば、必ず『多様性推進の方針』は必要」(化学)、「米国政権が変わった際にまた揺り戻しがある」(卸売)、「(米国は)行き過ぎ」など、米国で起きている事象を冷静に受け止める意見が多かったそうです。「人手不足対応の観点からも、多様性を受け入れることが肝要」(輸送用機器)といった現実的な利点に言及するコメントもありました。
一方、「見直している」「見直しを検討している」と答えた3%に具体的な項目を聞いたところ、57%が女性の活躍推進を挙げ、外国人労働者の活躍推進、性的少数者の活躍推進を挙げたのはいずれも14%ありました。「米国の方針転換はマイノリティ(少数者)にあまり偏り過ぎてはいけないということだと思うが、その点は正しいと思う」(建設・不動産)、「一時の流行言葉のごとく当社も方針に取り入れたが、現実的な受容の面でハードルが高いと感じている」(窯業)との意見があったそうです。
「そもそも米国は多様性に富んだ国であり、それが多少後退したとしても日本の多様性ははるかに及ばない」(サービス)との声も聞かれたそうです。
(もし弊社の「米国の動きに惑わされませんよう」との呼びかけに応えて、DEI推進の維持を決めてくださった企業さまがあれば、感謝申し上げます。これからもよろしくお願いいたします)
なお、トランプ政権の方針を受けて米国企業の間でDEI推進政策の見直しや撤退が相次いでいることは度々お伝えしたとおりですが、そんななかでも撤退を踏みとどまったというニュースも届いています。
米ウォルト・ディズニーは20日、株主総会を開きましたが、その場で(フォードなどが参加をとりやめている)コーポレート・イクオリティ・インデックス(CEI)への参加をやめるべきだとする株主提案があったのを否決しました。株主がDEIの取組みを支持したのです。
CEIは米国の人権団体「ヒューマン・ライツ・キャンペーン(HRC)」が2002年から実施している、企業がLGBTの従業員や消費者、投資家などを平等に扱っているかどうかを評価する指標です(これを参考に日本でもPRIDE指標が作られました)。ディズニーはこれに参加し、2007年から満点を取ってきましたが、保守系シンクタンクの全米公共政策研究センター(NCPPR)が「企業が極端な立場を取ることは顧客や投資家を遠ざけて株主価値の破壊につながる」などと批判し、参加中止を求めていました。ディズニーは総会に先立ち、「株主にさらなる価値をもたらすとは思えない」として反対票を投じるよう株主に呼びかけていました。20日にオンラインで開かれた総会では賛成票は1%程度にとどまり、反対多数で否決されました。
もともとディズニーは企業風土や作品づくりで多様性を重視するリベラル企業の代表格で(フロリダ州でも「ゲイと言ってはいけない」法案と闘っています)、今回、株主があらためてDEIへの取組みを支持したことで、ディズニーは政権圧力とのバランスを探ることを迫られることになります。
アップルも2月の株主総会で「DEIの取組みを取り下げるべき」とする株主提案を反対多数で否決しています。
参考記事:
3月ロイター企業調査:「変更なし」が77%、多様性など「DEI」の取り組み(ロイター)
https://news.livedoor.com/article/detail/28389204/
米ディズニー総会、反DEIの株主提案否決 「平等指数」への参加継続(日経新聞)
https://www.nikkei.com/nkd/company/us/DIS/news/?DisplayType=2&ng=DGKKZO8751989021032025TB0000