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【婚姻平等訴訟】愛知訴訟の原告が上告、次は3/25の大阪高裁です
3月7日の「結婚の自由をすべての人に」愛知訴訟の名古屋高裁判決について、原告側が19日、最高裁判所に上告しました。
「結婚の自由をすべての人に」愛知訴訟は、愛知県に住む30代の男性カップルが同性婚を認めていない民法などの諸規定は憲法に違反すると主張して国に賠償を求めた裁判で、二審(控訴審)の名古屋高裁は「同性カップルが法律婚制度を利用できないと区別しているのは個人の尊厳の要請に照らして合理的な根拠を欠き、性的指向によって差別する取り扱いだ」として憲法14条1項と24条2項に違反するとの判決を下しました。一方、同性カップルの法律婚の必要性は最近認識され、長期にわたって立法措置を怠っていたとは言えないなどとして、賠償請求は認めませんでした。これについて原告側は賠償を求める訴えを退けたのは不服だなどとして19日、最高裁判所に上告しました。
原告の大野利政さんと鷹見彰一さん(いずれも仮名)は、「二審の判決では当事者のことをしっかりと理解して気持ちも受け止めていただいたが、それでも国がこれまでの対応を続けていることに傷つき、落胆したため上告しました。これでは『何のための司法判断なのか』と思ってしまいます。引き続き、国が動くよう訴えかけていきたい」とコメントしています。
これまでの「結婚の自由をすべての人に」訴訟のすべての裁判で立法不作為による国家賠償請求が認められた例はなく、札幌、東京、福岡高裁の判決(いずれも素晴らしい判決でした)についても上告されています。
次の「結婚の自由をすべての人に」訴訟の判決は、25日の大阪高裁となります。大阪では一審で唯一の合憲判決が出ており、大阪高裁ではこれをひっくり返して違憲判決が出るのではないかと見られています。こちらも期待、注目しましょう。
最高裁判決は早ければ今年度中に出ると言われていますが、高裁でこれだけの違憲判決が積み上がってきているなか、最高裁が違憲としないほうが難しいと見られています。もし最高裁で違憲判決が出てなお、国が同性婚の法制化を怠り、放置すると、本当に立法不作為だとして国家賠償請求が認められてしまうことになりますので、必ず同性婚は法制化されるはずです。しかしその前に、今すぐにでも国会で議論を始めてほしいと、多くの方は願っています。
信濃毎日新聞の「〈社説〉同性婚訴訟 政府は現実から逃げるな」では、「相次ぐ違憲判決は、現状の放置に対する極めて重い警告である」「政府は司法の指摘を重く受け止め、早急に同性婚の法制化に向けて、動き出すべきである」と述べられています。
【追記】2025.3.23
週プレNEWSに「【どうなる!? 日本の同性婚】「同性同士の結婚を認めない現行法は違憲」の判決が連続! なのに自民党は「注視」だけ?」という、同性婚反対派の主張を切り崩すようなデータが示されていたり(「家族観が強固で画一的な国ほど少子化は進行している」)、日本で同性婚が認められないことの根本原因を掘り下げるような深掘り記事が掲載されていました。読んでみてください。
参考記事:
同性婚訴訟 愛知の原告が2審判決を不服として最高裁に上告(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20250319/3000040349.html
【速報】同性婚名古屋訴訟、原告側が上告(共同通信)
https://www.47news.jp/12328061.html
同性婚訴訟、原告側が上告=違憲判断も賠償棄却不服―愛知(時事通信)
https://sp.m.jiji.com/article/show/3473502
同性婚愛知訴訟、原告側が上告(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/DA3S16174469.html
同性婚訴訟原告側が上告 名古屋高裁判決に不服(中日新聞)
https://www.chunichi.co.jp/article/1040695
〈社説〉同性婚訴訟 政府は現実から逃げるな(信濃毎日新聞)
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2025031800210