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同性カップルのための式場マップを製作した静大生が静岡市SDGs連携アワード大賞を受賞
静岡市は1月31日、SDGs推進などの取組みをたたえる「市グッド・パートナーズ表彰式」を開き、静岡大の学生サークルなど複数団体によって制作された同性カップルのための式場マップを静岡市SDGs連携アワード大賞として表彰しました。
静岡市グッド・パートナーズ表彰式は、SDGs連携アワード、中小企業技術表彰、多様な人材の活躍応援事業所表彰という静岡市で実施している3つの表彰事業の合同表彰式で、地域を躍進する企業や団体が一堂に集まる機会です。市長からの表彰状の授与が行なわれるほか、受賞企業・団体の取組みが紹介されます。今年は1月31日(金)にホテルグランヒルズ静岡で開催されました。
今年受賞した3分野28の企業・団体のうち、SDGs連携アワードの大賞に選ばれたのが、同性カップルのための式場マップ作りの取組みでした。
同性カップルの法的な結婚は認められていないなか、それでも「指輪を作りたい」「結婚式や披露宴のようなパーティを開きたい」という思いを持つ方は少なくありません。しかし、どこの店舗がフレンドリーで、こうした思いに応えてくれるのかという情報は乏しく、また、問い合わせすら躊躇する当事者の方もいるという話を聞いて、ならば、代わりに同性カップルの挙式に理解のある結婚式場やジュエリー店などを調査し、マップにしようと、静岡大の学生サークル「グランディオーゼ」の方と静岡大の大学教員が発起人となり、NPO法人県男女共同参画センター交流会議、NPO法人しずおかLGBTQ+が連携し、マップが載ったリーフレットと、掲載店舗に貼ってもらうためのロゴステッカーを製作したものです。LGBTQの声も参考にしながら、学生さんたちが実際に足を運んで協力を得た市内11の店舗や式場などが選ばれ、企業や店舗とのネットワークを持つ社会人の方も協力してくれて、お店の代表の方に事前に打診してくれたおかげでスムーズに協力を得ることができたんだそう。
マップは「ブライダル」「フォト」「パーティ」「ジュエリー」などのアイコンを使って見やすく作られ、当事者が特に問い合わせしにくいポイントを解消できるよう、お店の雰囲気や店舗の担当者の人柄が伝わるようなコメントも掲載されました。
SDGs連携アワードの選考では、差別のない社会の実現に寄与する点などが評価されました。選考委員の佐久間信哉氏は「大学生の純粋な思いに大学やNPO法人が連携し、地元企業がそれに応える形のパートナーシップで実現したSDGs達成に向けた地域の素晴らしい取組であり、今後様々な展開も考えられるなど、応募事例の中で最も優れた取組と言えます」と、小林祐介氏は「届けたい人の気持ちに寄り添った取組として高く評価しました。課題の発見と取組の設計には他分野でも参考となる点が多く、静岡市を代表するSDGsの取組として、さらなる発展と地域への貢献が期待できます」とコメントしています。
取組み事例の詳細や選考コメントはこちらに、マップ自体はこちらに掲載されています(どちらもPDFです)
また、このプロジェクトの公式インスタグラムにも作り手の方たちの受賞の喜びや様々な情報が掲載されています。
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特定地域を対象としたLGBTQフレンドリー店舗マップは、渋谷区などの先例があるものの、学生が主体となって製作された例はほとんどないそうです。確かにこのようなマップの製作にはたいへんな手間がかかるため、なかなか作られないですよね…。選考コメントにもあったように、学生さんたちの純粋な思いに多くの団体等が協力して実現した素晴らしい取組みと言えます。本当にありがたいことです。
参考記事:
静岡市SDGs連携アワードで静大生サークル最高賞 同性カップルのための式場マップ制作(静岡新聞)
https://news.at-s.com/article/1646055