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米国成人の9.3%が性的マイノリティであると自認していることが判明

 米調査会社が20日、2024年の調査で性的マイノリティ(クィア)であると自認する成人が9.3%に上ったと発表しました。前年の7.6%を上回り、10代20代のZ世代では23%に上りました。
 米調査会社ギャラップは18歳以上の成人1万4000人に対し、電話で聞取り調査を実施しました。その結果、性的マイノリティ(クィア)であるとのアイデンティティを持つと答えた人が9.3%に上りました。内訳では5.2%がバイセクシュアル、2.0%がゲイ、1.4%がレズビアン、1.3%がトランスジェンダーだと答えたということです(合計すると9.9%になりますが、トランスジェンダーでバイセクシュアル、トランスジェンダーでゲイ、といった人たちも含まれると考えられます)(この調査にアセクシュアルやクエスチョニングなどの人たちが含まれているのかどうか、気になります。この後、わかったらお伝えします)
 世代別に見ると、10代20代で23%となった一方、40代50代では5%、60代以上では3%、80代以上では1.8%程度となっています。こうした年齢層による差が表れるのは、若い世代ほど自認する性をカムアウトしやすくなっているためだと見られます。
 男女別に見ると、男性より女性が多く、居住地別では農村部より都市部とその近郊、支持政党別では共和党より民主党や無党派に多い傾向が見られました。ただし学歴別にみると、大卒と非大卒の間に差はなかったといいます。
 LGBTQの若者の自殺予防・危機介入に取り組むNPO「トレヴァー・プロジェクト」のジェイムズ・ブラックCEOは、「この結果からわかることが一つあるとすれば、たとえ法律や政策が消滅させようとしても、性的少数者はこれまでずっと存在していたし、これからも存在し続けるということだ」とコメントしています。
 
 同社がこの調査を始めた2012年の時点では3.5%でしたが、2017年には4.5%、2020年には5.6%2021年には7.1%と、年々多くなっています。2015年に米全土での同性婚が認められるなど、LGBTQの社会的受容の広がりとともに(特に若い方たちの間で)自身が性的マイノリティであると回答できる方が増えているためだと思われます。
 しかし、トランプ政権が反DEI政策を推し進め、性別を「男性」と「女性」に限定する大統領令に署名したり、トランスジェンダーが自認する性別のほうの施設を使用することを禁止したり、女子スポーツへの参加を禁止したり、米軍入隊を制限したり、医療・保健の行政で性自認を認めないなどの政策を立て続けに発表していること、保守的な州でLGBTQについての話し合いを禁じたり、LGBTQ関連の図書を図書館から排除したりする動きも広まっており、LGBTQの若者のメンタルヘルスを懸念する声が強まっています。これからの4年間は、若い世代の間であってもカミングアウトが難しくなる方が増え、この調査の数字にも影響が出るのかもしれません。
 

 

参考記事:
LGBTQ自認の成人9.3% 米調査会社(日テレ)
https://news.ntv.co.jp/category/international/58d2ba951bbc43c6ad5702d7903e9dd6
米国成人、10人に1人「性的少数者」か 米民間調査(日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN20E320Q5A220C2000000/
性的少数者を自称する成人、全体の9.3%に 米調査(CNN)
https://www.cnn.co.jp/usa/35229643.html

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