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北海道北見市が道内初の人権条例制定へ

 北海道北見市が「市人権まちづくり条例(仮称)」の制定に乗り出すことになり、1月29日、1回目の検討委員会が市庁舎で開かれました。LGBTQを含め人権全般を網羅する条例の制定は道内で初だそうです。

 
 北見市は2021年に性の多様性に関するガイドラインを策定して市民への啓発につとめ、2022年、道内で3番目に「パートナーシップ宣誓制度」を導入(受付が始まった6月1日には市役所にレインボーフラッグが掲げられたそうです)、2024年からは「パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度」に拡大しています。また、中学生向けの啓発パンフレットや市民向け冊子も作成しました。プライド月間には市庁舎にレインボーフラッグも掲げます
 今回、そうした取組みをさらに進め、性別や障がいの有無などを問わず差別やいじめ、虐待、ハラスメントなどの人権侵害に遭うことなく安心して暮らせる街を目指そうということで「市人権まちづくり条例(仮称)」を制定することにしたといいます。辻直孝市長はこの条例によって「誰もが豊かに、生きがいを持って暮らせる社会が実現できる」と、市人権共生課の担当者は「人権意識が高まり、互いを尊重しあうことは、市と市民が協働したまちづくりを進める上で役立つ」と語っています。
 
 検討委員会の1回目の会議が1月29日、市役所本庁舎で開かれました。委員は学識経験者や弁護士、LGBTQ団体など人権関係団体の代表、公募など13人で構成されており、日本赤十字北海道看護大学講師の吉谷優子氏が委員長に就きました。
 この日は辻市長が委員一人ひとりに委嘱状を交付し「条例を通じて誰もが尊重されるまちをつくるための基本的な考えを明確にしたい」と述べました。続いて市民環境部が条例の方向性について、市民一人ひとりの尊厳が守られ、年齢や性別、国籍、障がいの有無、性的指向や性自認などの属性に起因する差別やいじめ、暴力、ネット上の誹謗中傷、プライバシーの侵害などあらゆる人権侵害を禁止するものであり、事業者を含むすべての市民を対象とし、特定の分野などに限定せず人権全般を包括する内容としたいと述べました。委員会は5月をめどに条例の素案を作成し、その後パブリックコメント(意見公募)や市議会での議決を経て来年1月に施行させたい考えです。

 
 北見市には北見レインボーという当事者団体があり、交流会を開催したり、さっぽろレインボープライドに参加したり、市に働きかけを行なって制度導入を実現したりしてきました。昨年9月には、さっぽろレインボープライドを前に、「北海道北見市から来ました」と書かれたレインボーカラーの「のぼり」を市長に贈呈するなど、熱い活動を繰り広げています。

 

参考記事:
北見市、道内初の人権条例制定へ…LGBTQなど個性を尊重 検討委が素案議論(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/local/hokkaido/news/20250213-OYTNT50228/

人権まちづくり条例・北見市が制定へ(経済の伝書鳩)
https://denshobato.com/BD/N/page.php?id=132584

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