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東大阪の小学生が性の多様性ポスター展を開催
東大阪市立花園北小学校の6年生の生徒さんたちが性の多様性をテーマに制作したポスターの展示が2月7日、花園本町商店街近くの空き店舗で行なわれました。東大阪経済新聞によると、子どもたちが自発的に希望し、周囲の大人たちが協力し、このポスター展示が実現したんだそうです(素晴らしいですね)
花園北小の6年生は昨年11月から、学校に招いた同性カップルやトランスジェンダーの人たちから話を聞くなどして性の多様性について学んできたそうです。教頭の白石浩之さんによると、これまでの授業は、学習して家で家族に伝えて終わりでしたが(それだけでも十分意味がありますよね)、当事者の思いを聞いた子どもたちが「ポスターを作成して地域の人たちにも伝えたい」と希望し、白石教頭が地域学習などで交流のある花園本町商店街の会長さんに相談し、「一緒にお米作りをするなど、知っている子どもばかり。授業で学んだことを地域の人に見てほしいということだったので、空き店舗を使ってもらおう」と応え、この企画が実現したんだそうです。
当日、会場には「性別が一緒の人と結婚できないってなんでなん?」とか「なぜ好きな制服を着れないんだろう」といったメッセージに手描きの絵を添えた「世界でひとつだけ」のポスターが12点、展示されました。より多くの人にポスターを見てもらおうと、子どもたちはこの日、商店街でチラシを配布し、店の人や買い物客に「ポスターを見に来てください」と呼びかけ、また、児童の発案で1日限りのスタンプラリーも企画し、スタンプを集めた人が参加できる抽選会の会場をポスターの展示会場にすることで人を呼び込んだそうです(スゴい)。会場では来場者に説明も行ない、それを聞いた方たちは「本当にその通りやな」と相づちを打っていたそうで、「多様性に興味を持って、個性を大事にすることを学ぶのはいい。みんなの意識が変われば住みやすい社会になると思うので、いい授業だと思う」と話していたそうです。
この殺伐としたご時世に(特にトランスジェンダーに対するアンチの人たちの声が大きくなっているなか)、純粋な6年生の子どもたちがこうして自発的に同性カップルやトランスジェンダーが直面する生きづらさをポスターに描いて、大人たちに説明もしてくれるという、心洗われるような思いのする感動的なニュースでした。世界が少しだけよくなりました。感謝です。
大阪といえば、全国で初めてLGBT支援宣言を行なった大阪市淀川区が先進的な自治体というイメージがあるかもしれません。東大阪市でも実は2012年からレインボー東大阪というグループがお茶会などを催してきたほか、2017年に市内の近畿大学東大阪キャンパスでLGBTQ啓発イベントが開催されたり、2019年にカラフルブランケッツの井上ひとみさんが東大阪市立楠根小学校でLGBTQ講演会を行なったり、2022年には花園北小学校で3組のLGBTQカップルがお話したり、関西で活動するMixRainbowの井餘田みのり代表がLGBTQについての授業を行なったりもしています。校長室にはレインボーフラッグが掲げられているそうで、校長先生がとても熱心なアライである様子が窺えます。
こういう小学校が全国各地に増えるといいですね。
参考記事:
東大阪市立花園北小学校の児童がLGBTQ+ポスター展示 商店街が協力(東大阪経済新聞)
https://higashiosaka.keizai.biz/headline/2183/