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【同性パートナーシップ証明制度】岩手県八幡平市が今月から導入、京都府舞鶴市が4月から導入へ
岩手県八幡平市が「パートナーシップ・ファミリーシップ制度」を今月1日から導入しました。性的マイノリティのカップルや事実婚のカップルを「結婚に相当する関係」と承認し、その子どもや親などについても「家族に相当する関係」として市が証明する制度です。証明を受けたカップルは家族として市営住宅に入居したり、パートナーに代わって住民票の交付を受けることなどができるようになります。
八幡平市の佐々木孝弘市長は、「性別にかかわりなく、一人ひとりが行政サービスなどを公平に受けながら暮らしていける環境を作っていきたい」と述べています。
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12月10日から仙台市で「パートナーシップ宣誓制度」が始まりましたが、郡市長は21日の会見で12月10日から20日までに14組が宣誓したと明らかにしました。市長はまた、「周知も進んできて相談の件数も増えているようだ。課題というかトラブルの報告を受けていないので順調に進んでいるものと認識している」「今度も安定的な制度運用に努め、性の多様性の理解促進を後押ししたい」と述べました。
東北放送が制度について街の人たちにインタビューしたところ「知らないです。すごくいいと思います。周りにも同性でお付き合いしている人もいるので」「名前だけ聞いたことあるけど。同性婚についての議論もされているので多様性を認めるうえではいいと思う」「血縁が近くても疎遠なひともいる。いちばん大切な人がたいへんなときに一緒にいられるという制度は最高にいいと思いますよ」といった声が聞かれたそうです。また、にじいろCANVASの小浜さんは「となりにもいたんだ、すぐ近くにいたんだと、市民の皆さんが受け止めてもらえる土台ができたことが大きい。登録してるんですって言えることが大きい」と語りました。
一方、番組では、宣誓の仕方について、「原則として二人が揃って職員の前で宣誓して受領証を受け取る」かたちになっていることから、「職員の前で宣誓ということですが、中にはカミングアウトを望まない知られたくないという方々もいらっしゃいますよね」「一般的な婚姻届は書類の提出のみで職員に対する宣誓ももちろんありません。同性カップルなど性的マイノリティの方々が職員へのカミングアウトを前提に行政サービスを受けるというのは手続きが煩雑で、ハードルが高いように感じる人もいます」との指摘がなされました。これについてアネスティ法律事務所の須田晶子弁護士が「この制度を利用しようという方は勇気をふるってアクセスする方が多いんじゃないか。理想としては、婚姻にできるだけ近づける、だれでも要件を満たせば利用できるように手続きも簡便であるべき」とコメントしていました。
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三重県松阪市が1月から「パートナーシップ宣誓制度」を導入したことを受けて、市内に住む男性カップルが宣誓書を提出し、第1号カップルとなりました。障がい福祉支援員として働く男性と、フリーでアクセサリー制作などを手がける男性のカップルです。お二人は昨年から市に制度の導入を求めていて、「既に実施している県と、市の両方でパートナーシップ宣誓をしたことで、さらに認めてもらえたと感じる。より住みやすい市になってほしい」と思いを語りました。
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京都府舞鶴市は24日の定例記者会見で、「パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度」を4月に導入する方針を明らかにしました。ファミリーシップ制度の導入は府内で2例目です。
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同性パートナーシップ証明制度の人口カバー率は今月、ついに90%を超えました。
「結婚の自由をすべての人に」訴訟で同性婚を認めないのは違憲だとする判決が次々に出ていますが、こうして全国各地の多くの自治体が同性カップルのパートナーシップも結婚と同等であると承認してくれていることも後押しになっています(昨年3月の札幌高裁判決でも、制度が普及していることについて「国民の間で同性婚に対する許容が高まっている」と評価されています)。これまで制度導入を実現してくれた500近い自治体に感謝申し上げます。とはいえ、同性パートナーシップ証明制度自体に法的効力はなく、同性婚の法制化こそが求められます。引き続き、Marriage For All Japanの動きを見守り、応援していきましょう。
今年も同性パートナーシップ証明制度やファミリーシップ制度を新たに検討したり導入したりする自治体のニュースが入ってくると思いますので、一つひとつお伝えしていきたいと思います。
参考記事:
八幡平市 1月1日からパートナーシップ制度を導入(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20250117/6040024088.html
仙台市パートナーシップ制度 運用1カ月で14組 相談や問い合わせも増加(東日本放送)
https://www.khb-tv.co.jp/news/15593819
郡仙台市長「トラブル報告を受けていないので順調に進んでいる」仙台市の『パートナーシップ制度』14組が宣誓(東北放送)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1679105
仙台市 パートナーシップ制度 運用1カ月で14組宣誓(仙台放送)
https://www.fnn.jp/articles/-/818142
開始1か月で「14組」宣誓 仙台市パートナーシップ制度 来月からは栗原も導入予定(ミヤギテレビ)
https://news.ntv.co.jp/n/mmt/category/society/mmc33bf24489b14b22a12a9d017ce4fa09
「勇気をふるってアクセスする人が多いんじゃないか」パートナーシップ制度 利用者にとってハードルが高いと専門家が指摘する理由(東北放送)
https://nordot.app/1255631482227442251?c=1165586575134900434
松阪市パートナーシップ宣誓制度、利用第1号 男性カップル、「同居人」から「縁故者」へ(中日新聞)
https://www.chunichi.co.jp/article/1015171
京都府舞鶴市がパートナーシップ制度導入方針 府内2例目のファミリーシップ制度も(京都新聞)
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1411442
同性同士の結婚、早期法制化を 「違憲」判決8件 「家族として報告したい」(北海道新聞)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1110189/