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聖公会主教が礼拝でトランプ大統領に直接語りかけ、慈悲を求めました
トランプ大統領は21日、就任関連行事の締めくくりとしてワシントン国立大聖堂での礼拝に列席しましたが、聖公会のマリアン・エドガー・バッディ主教※は、前日に打ち出されたLGBTQ迫害政策や強硬な不法移民対策について目の前のトランプ氏に直接語りかけ、慈悲を求めました。
マリアン・エドガー・バッディ主教は「説教」の中で、トランプ氏の発言でLGBTQや移民コミュニティが恐怖を感じているとし、そうした人々への慈悲を願うと穏やかに述べました。
「大統領、何百万人の人々があなたに信頼を寄せています。神の名の下に、お願い申し上げます。いまこの国で怯えている人々に慈悲を。ゲイやレズビアン、トランスジェンダーの子どもたちは、民主党、共和党、無党派層の家庭にいます。命の危険を感じている子どももいます。そして、私たちが食べる作物を収穫し、私たちが使うオフィスビルを掃除して、レストランで私たちが食事した後に皿を洗い、病院で夜勤をする人たち。彼らは市民権あるいは適切な書類がないかもしれません。しかし、ほとんどの移民は犯罪者ではありません」
大統領就任関連行事の締めくくりとしての礼拝の場で、主教から直接、このように諭されたトランプ氏は、終始憮然とした表情で、後に「いい礼拝だとは思わなかった」と批判したり、主教に謝罪を要求したりしています。『TIME』誌によると、主教は「謝罪するつもりはない」とのことです。
Xではバッディ主教の勇気ある行動への賛同を求める投稿に6万超のいいねがついています。
なお、レインボーさいたまの会のX投稿によると、主教は「昨日の朝の私の責務は、国民の団結を願い祈ることでした…団結には一定の慈悲が必要です…私たちはすべての人を尊厳をもって扱う必要があります。私は、現実の人々が傷つけられている分断的な話術に対抗しようとしていました」と語っています。
※主教とは聖公会(米国の主流派プロテスタントの代表的な教派の一つ)の高位聖職者で、複数教会からなる教区を管轄する役職です。ローマ・カトリック教会の司教に相当します。
参考記事:
トランプ氏に主教が直接説教(TBS)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1683474
「性的少数者や移民に慈悲を」 司教がトランプ氏を諭す(日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB22CV90S5A120C2000000/
大聖堂主教「大統領、慈悲の心を持ってください」…トランプ氏は不快感「素晴らしい礼拝ではなかった」(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20250122-OYT1T50158/
トランプ氏に主教が「慈悲」求める 「ジェンダーは二つ」や移民に関する発言めぐり(BBC)
https://www.bbc.com/japanese/articles/cly4g3wggy3o
トランプ氏、説教受け仏頂面に 主教が移民らへの慈悲乞う(AFP)
https://www.afpbb.com/articles/-/3559308
トランプ氏、不法移民や性的少数者への「慈悲」求めた主教に謝罪要求(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20250123/k00/00m/030/015000c
トランプ氏、「慈悲の心」説いた司教に謝罪要求 移民や性的マイノリティーの保護求められ(ロイター)
https://www.reuters.com/video/watch/idOWjpvC8J8IWPZ5UXXUPN2PLRJ69YNAW/
‘I Am Not Going to Apologize’: The Bishop Who Confronted Trump Speaks Out(TIME)
https://time.com/7209222/bishop-mariann-budde-trump/