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史上初! トランスジェンダーのアレックス・コンサーニがモデル・オブ・ザ・イヤーを受賞
トランスジェンダーのモデルであるアレックス・コンサーニが、2024年の「ザ・ファッション・アワード」でモデル・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。
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英国ファッション評議会が主催する「ザ・ファッション・アワード」は年間を通じてファッション業界に貢献した人やブランドに送られる英国で最も権威あるファッションアワードです。
12月2日(現地時間)、「ザ・ファッション・アワード2024」がロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで開催され、ロエベのジョナサン・アンダーソンが2年連続でデザイナー・オブ・ザ・イヤーに輝いたほか、トム・フォードにアウトスタンディング・アチーブメント賞(功労賞)が贈られ、また、アレックス・コンサーニがトランスジェンダーとして初めてモデル・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。
アレックス・コンサーニは2022年春夏コレクションでデビューを果たし、2022-23年秋冬で本格的にブレイクした、数多くのメゾンからラブコールを受ける人気モデルです。TikTokで400万人以上のフォロワーを持つインフルエンサーで、トランス女性であることもオープンに語り、次世代のオピニオンリーダーとして支持されています(『Vogue』誌のインタビューもぜひ読んでみてください)。今年は新生ヴィクトリアズ・シークレットのファッションショーにも参加し、ヴァレンティナ・サンパイオとともにランウェイに華を添えたそうです。
今年最も活躍したモデルとしてごまんといるモデルの中からモデル・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、英国ファッション評議会から表彰されたアレックスは、受賞スピーチで「私はこの賞を受賞した初のトランスジェンダー女性です。しかし、私の前にいた人たち、特に私が今日いる場所のために本当に闘ってくれた黒人トランスジェンダーの女性たち、ドミニク・ジャクソン、コニー・フレミング、アーロン・ローズ・フィリップス、そして私が今日活躍できるようにしてくれた場所のために闘ってくれた数え切れないほどの人々に感謝せずにこの賞を受け取ることはできません」と語り、先人たちに敬意と感謝を表しました。
『トランスジェンダー問題: 議論は正義のために』で詳述されているように、英国は決してトランス女性に優しい国ではありません(J.K.ローリングのようなTERFの発言も強い影響力を持ってしまっています。2022年には政府のトランスジェンダー差別にコミュニティが反発し、ロンドン・プライド50周年を記念したLGBTQの国際会議がキャンセルされています)。ファッション業界がいかにLGBTQフレンドリーであるとしても、トランス女性がモデルとしてシスジェンダー女性たちと競いながら活躍していくことに様々なハードルや困難があっただろうことは想像に難くありません。アレックスはTikTokでコミカルな投稿をたくさん載せていますが、そういうところにもトランス女性が怖い存在だと思われないようにという苦労がにじんでいる気がしてなりません。だからこそ、モデル・オブ・ザ・イヤーに選ばれたことの素晴らしさは筆舌に尽くしがたいものがあります。心からその歴史的な栄養を称えましょう。
参考記事:
トップファッショントランスジェンダーモデルがファッションアワードで歴史を刻む(フロントロウ)
https://front-row.jp/_ct/17736421
ファッション・アワード2024の受賞者が発表! モデル・オブ・ザ・イヤーはトランスモデルのアレックス・コンサーニ(Vogue Japan)
https://www.vogue.co.jp/article/fashion-awards-2024-winners