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毎日映画コンクールが俳優部門の男女区別を撤廃、ドキュメンタリー部門で『94歳のゲイ』がノミネートされました

 第79回毎日映画コンクールのノミネーションが発表され、今回から俳優部門の男女の区別が撤廃されることが明らかになりました。


 毎日映画コンクールは1946年、毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社が創設した映画賞で、各賞の選考には映画評論家やジャーナリスト、専門家など約80人が選考に関わります。第79回の対象は2024年1月1日から12月31日までに国内で14日間以上、有料で劇場公開された作品で、アニメーションおよびドキュメンタリー部門は同期間に完成もしくは上映された作品が対象となっています。受賞作および受賞者は1月下旬に発表されます。

 第79回毎日映画コンクールの各賞のノミネーションが19日に発表され、今回から俳優部門の男女の区別が撤廃され、「主演俳優賞」「助演俳優賞」と改められ、性別を問わずそれぞれ2人までを選出するかたちとなりました。スポニチグランプリ新人賞も男性・女性の区別を廃止したかたちで選考が行なわれるそうです。

 ジェンダーアイデンティティが典型的な男性/女性に当てはまらないノンバイナリーの俳優を尊重し、ベルリン国際映画祭インディペンデント・スピリット賞ではすでに俳優賞の男女区分が撤廃されていて、アカデミー賞でも検討中です。エミー賞はノミネートされた全ての人が「そのノミネーション証明書とエミーのトロフィーを男優/女優ではなくパフォーマーと称するよう求めることができる」というルールを採用しています(男優賞/女優賞のカテゴリーは残っています)
 こうした国際情勢に鑑み、今回、同コンクールが男女区分の撤廃に動いたのでしょう。日本の映画賞も一歩前進したと言えそうです。

 今年1月の第78回毎日映画コンクールでは、『エゴイスト』の鈴木亮平さん&宮沢氷魚さんが主演・助演男優賞をW受賞するという栄誉にあずかりました。
 今回は、ドキュメンタリー映画賞に『94歳のゲイ』がノミネートされています(天国の長谷さんも喜んでいることでしょう)。50作品近くがノミネートされているなかで、最優秀ドキュメンタリーに選ばれる見込みは薄そうですが、もし受賞したら、本当にスゴいことです。期待しましょう。
 そのほか、カルーセル麻紀さんが『一月の声に歓びを刻め』で助演俳優賞にノミネートされています。受賞したらトランスジェンダーとして初の快挙ではないでしょうか。期待しましょう。
(ノミネートの一覧はこちら

 
  

参考記事:
「夜明けのすべて」毎日映画コンクールで最多7賞にノミネート、俳優部門は男女の区別撤廃(映画ナタリー)
https://natalie.mu/eiga/news/604317

毎日映画コンクール、俳優部門の男女区別を撤廃 最多ノミネートは『夜明けのすべて』(シネマトゥデイ)
https://www.cinematoday.jp/news/N0146555

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