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【住民票続柄】三重県伊賀市が来年1月頃に対応へ
三重県伊賀市の稲森稔尚市長は3日、来年1月にも同性カップルの住民票の続柄欄に、事実婚と同じ「夫(未届)」「妻(未届)」と記載できるようにする方針を明らかにしました。伊賀市在住の「僕らの移住生活」で知られるお二人の要望に応えたものです。
今日は伊賀市長に要望書をお渡ししました。
— 僕らの移住生活 (@bokuranoijyu) December 3, 2024
いくつか要望した中で、
住民票の続き柄の事実婚表記について、来月1月に実施すると表明していただけました!!!
ありがとうございます。
その他の要望は、
・伊賀市の性の多様性条例について
・パートナーシップ宣誓制度のバージョンアップ… pic.twitter.com/olEJTy9qsy
嶋田全宏さんと加納克典さんのカップルは2016年、三重県伊賀市が全国で3番目に同性パートナーシップ証明制度を導入したことをきっかけに大阪から伊賀市に移住しました。地域の方たちとも交流を深めながら農業や伝統工芸品の製作、講演活動などをして暮らし、名古屋や大阪のパレードにブース出展したりもしてきました。そんなお二人は、伊賀市で新たに誕生した稲森市長に対し、地域のLGBTQが安心して暮らせるよう、また、同性カップルが家族と認められるようにとの思いで、1.住民票の続柄の表記を事実婚と同じ「夫(未届)」「妻(未届)」と記載できるようにしてください。2.性の多様性条例の導入を進めてください。3.市の「パートナーシップ宣誓制度」を拡充し、ファミリーシップ制度も導入してください。4.全ての小中学校でLGBTQ+について学ぶ機会を設けるなど、学校教育や社会教育におけるLGBTQ+に関する啓発を進めてください。と要望することにしました。
3日、市役所を訪れたお二人は、稲森市長に要望書を手渡しました。市長は住民票の続柄について、来年1月頃に対応すると表明しました。「パートナーシップ宣誓制度」の宣誓者以外も対象とするそうです。総務省が「社会保障の窓口などで実務上の問題が生じる恐れがある」などと述べていることに対しては、「事実婚と同じ記載にできないのは行政がやっている差別だ」「地方自治体の裁量による自治事務であり、(総務省の)見解は何の拘束力も持たない」と話したそうです(頼もしいですね)。また、SOGIを理由とした差別やカミングアウトの強制、アウティングを禁止した三重県の「性の多様性を認め合い、誰もが安心して暮らせる県づくり条例」と同じような趣旨の市条例の早期制定や、現行の「パートナーシップ宣誓制度」を「ファミリーシップ制度」に拡充する方針も明らかにしました。
要望した嶋田全宏さんは「本当にうれしく、大きな一歩だと思います。手続きができるようになったらすぐに手続きしたいです」と喜びました。
お二人が、いち早く制度導入を決めたゲイフレンドリーな町だからということで伊賀市に移住してきただけでなく、地域の人を理解者・支援者(アライ)に変えながら、こうして他のLGBTQ(や全ての人)にとっても暮らしやすい市になるよう活動しているところが素晴らしいですし、市長さんも要望に応えて施策の推進を約束してくれて、本当に理想的な町ですよね。今後、世田谷区のように、全国の自治体のモデルケースとなるような先進的な市になっていくのではないでしょうか。
参考記事:
同性カップルの住民票の続柄 事実婚と同じ表記へ 伊賀(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tsu/20241203/3070014148.html
同性カップル住民票に「夫・妻(未届)」記載 三重・伊賀市が導入へ(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASSD32CQGSD3ONFB00JM.html
同性カップルの住民票に事実婚表記認める方針 三重・伊賀市、東海地方2例目(中日新聞)
https://www.chunichi.co.jp/article/994928