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　NHK東海によると、「結婚の自由をすべての人に」愛知訴訟の二審（控訴審）が12日、結審しました。判決は来年3月7日に言い渡されることになりました。


　2019年2月14日、愛知県に住む鷹見彰一さん（仮名）と大野利政さんのカップルが原告となり、北海道、東京、関西と同時に「結婚の自由をすべての人に」愛知訴訟が始まりました。同性婚を認めていない民法などの規定は婚姻の自由や法の下の平等を定めた憲法に違反すると訴え、2023年5月30日、一審の名古屋地方裁判所は、「法律婚の制度に付与されている重大な人格的利益をどこまで付与するかは国会の裁量だが、現状を放置することは合理性を欠く」「同性カップルに対しその関係を国の制度として公に証明せず、保護するのにふさわしい効果を付与するための枠組みすら与えていない」などとして、法の下の平等を定めた憲法14条1項と、婚姻の自由を定めた24条2項に違反するという違憲判決を下しました（詳細はこちら）
　他の地域と同様、原告側は控訴し、名古屋高裁で二審（控訴審）が進んでいましたが、12日に最後の口頭弁論が行なわれました。原告の鷹見彰一さんは最後の意見陳述で「社会の変化が進み、自治体の努力で良い方向に向かっていますが、まだ多くの限界があります。二人で育てている里子の定期検診に看護休暇を利用できなかったほか、法律上の夫婦ではないため養子縁組里親にはなれません。国会が真摯に向き合い、動くような判決をいただきたい」と訴えました。
　代理人の水谷陽子弁護士は、自身も性的マイノリティだとしたうえで、「すでに社会の中で確実に存在している私たちを、勝手にいないことにしないでほしい。私たちの存在や尊厳を国の制度の想定に含めてほしい。この訴訟で実現したいことはただそれだけのことです」と訴えました。
　
　CBCテレビが、原告の鷹見さんにインタビューしています。
　これから最後の意見陳述に臨もうとする鷹見さんは、「今まで伝えてきたことも含め、最後のまとめで裁判官の方にしっかり伝わるといいなと」「同性婚が実現されると、『少子化に拍車がかかる』みたいな意見もあるが、幸い私たち二人を見て、当事者じゃない方でも『結婚したい気持ちがすごく高まった』とか声が届いたりするので、結婚願望を高めたりとか子どもがほしい思いを高められたのかなと、今日は話したい」と語っていました。
　意見陳述を終えた後、「ご自身の思いをしっかり伝えられたんじゃないですか」と聞かれた鷹見さんは、「はい。裁判官の方にしっかり届くように、ちゃんと声を張ってお話しできたかなと」と語りました。
　そして、来年の3月、どんな判決を期待するかと尋ねられると、「ちょうど桜が咲く頃なので、同じように、みんながぱあっと晴れやかになれるようないい判決を期待して待ちたいと思います」と語っていました。


　翌13日には福岡高裁で素晴らしい判決が出ました。札幌高裁を皮切りに、東京高裁も福岡高裁も、二審は本当にいい判決が続いています。名古屋高裁でも、鷹見さんがおっしゃるように、きっとみんなが晴れやかな気持ちになるような判決が出ることと期待します。



　
参考記事：
同性婚訴訟 ２審の審理終える 原告側“まだ多くの限界”（NHK）
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagoya/20241212/3000038880.html
「桜が咲く頃にいい判決を」高裁の判断を待つ愛知の原告の思い　同性婚訴訟で福岡高裁も「違憲」（CBCテレビ）
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/cbc/1615325