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【同性パートナーシップ証明制度】仙台市で制度スタート、初日は3組が宣誓

 こちらのニュースでお伝えしていたように仙台市で10日、「パートナーシップ宣誓制度」が始まりました。初日は3組のカップルが市役所を訪れ、職員の前で宣誓を行ない、宣誓書受領証(パートナーシップ証明書)を手渡されました。

 
 制度は双方または一方が性的マイノリティであるカップルが対象で、二人が市役所に出向き、職員の前で宣誓を行なうことで宣誓書受領証(パートナーシップ証明書)を交付されます。
 宣誓書受領証(パートナーシップ証明書)に法的拘束力はありませんが、市営住宅への入居申込みや、災害で家屋が被災した場合のり災証明書の申請、市営墓地の承継など一部の公的サービスについて、家族同様に扱われ、サービスを利用できるようになります。
 初日に宣誓した3組のほかにも7組のカップルから宣誓の予約や問い合わせが入っているそうです。
 
 仙台市は全国の政令指定都市の中で最後の制度導入で、また、今回の制度導入により、これまで全国唯一の制度導入自治体ゼロ県だった宮城県でようやく空白が解消されることになります。
 Marriage For All Japanによると、今回の導入により、全国の制度導入自治体数は少なくとも474に上り、人口カバー率は89.686%となりました。
 
 地元のテレビ局や新聞などは、仙台のLGBTQ+Allyコミュニティの方たちの声も紹介しています。
 
 東北大学で性的マイノリティなどに関する研究を行なう団体「AROW」の大森駿之介さん(みやぎにじいろパレードの共同代表を務める方)は、「素直に嬉しい人がたくさいると思う。政令指定都市の中でも、やっとという感じなので、東北の中で制度をつかえる人がたくさん増えてくると思う」と評しながら、「申請する際に、窓口にいかなければいけないが、どう匿名性を担保して使いやすくするかが課題」だとも指摘しました。
 同じく「AROW」の当事者のメンバーは「パートナーシップ制度があることでいろいろと保証されることが増えると思うので、無いよりは良い。ようやく仙台市も入れてくれたと、嬉しく思う」と語りました。

 にじいろCANVASの共同代表を務め、同性婚を認めないのは違憲だとして家事審判の申立ても行なっている小浜耕治さんは、「ようやく始まる。ほっとしています。何でこんなに時間がかかったのか」「行政が性的少数者や同性カップルを施策の中に位置付けることは重要だし、存在を認識していると示す意味合いもある」「宣誓で市の制度が利用できるようになるが、当事者にとっては『祝ってもらえる』『歓迎されている』と思えることによるエンパワーメント(力づけること)がいちばん大きい」と語っています。そして、制度は「生活するために必要な、小さなカミングアウトをアシストするもの」であり、「社会とつながっていくための制度。たとえすぐ何かに利用しないにしても、お守りのような意味でも当事者は宣誓制度をどんどん利用してほしい」とも。さらに、当事者ではない市民の方たちに向けては、「制度が始まれば、今後受領証を手にした二人を徐々に目にすると思うが、温かく受け止めてほしい」「すぐ隣に私たちが暮らしているんだということを実感できるような街にしていってほしいです」と語っています。
 
 「♀×♀お茶っこ飲み会・仙台」代表でバイセクシュアルのMEMEさんは、「利用対象者が性的少数者に限定されているのが問題だ」と指摘しています。「市の施設で宣誓する時も受領証を誰かに見せる時も、その都度カミングアウトしないといけない。特に戸籍上異性のカップルにとって非常に深刻な問題。『性的少数者のため』と言いながら、受領証の提示が性的少数者の証明になってしまうと、利用が難しくなる」「制度の対象を限らず、誰もが利用できるようにするべきだ。そうすれば性的少数者かどうかを聞かれることもない」「事実婚の異性カップルが使えないのは合理的理由がないと思う」「社会の価値観やライフスタイルが変わり、性的少数者ではない若い人でも、結婚に違和感がある人が増えた。全国の他自治体では対象を限定しない制度の導入が進み、『そんな選択肢があるといい』『使いたい』という声を聞くようにもなった。誰もが対等、平等に使える制度にしてこそ、性的少数者の偏見解消や理解増進につながる」


 様々な意見が上がっていますが、市の方がそうした意見を聞き入れ、改善を図っていっていただけるといいですよね。
 ともあれ、仙台という東北最大のLGBTQコミュニティを擁する都でようやく制度が実現したのは本当に喜ばしいことです。これまで何年も制度実現のために尽力してきたみなさん、本当におつかれさまでした。
 
 
 
参考記事:
仙台市 パートナーシップ制度開始 3組が宣誓(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20241211/6000029687.html
【パートナーシップ制度】仙台市で始まる ”同性カップル”など結婚に相当する関係と認める 初日は”3 組”が宣誓(ミヤギテレビ)
https://news.ntv.co.jp/n/mmt/category/life/mm37eb98213b8d4ac8a1b9d65e23259941
仙台市「パートナーシップ制度」初日は『3組が宣誓』予約や問い合わせ7組 同性カップルなどを婚姻と同等関係と認める制度(東北放送)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1609468?display=1&mwplay=1
仙台市でパートナーシップ制度運用開始「より利用しやすい制度を」(東日本放送)
https://www.khb-tv.co.jp/news/15544506
仙台市パートナーシップ制度開始 数組が宣誓を希望 性的少数者も暮らしやすい社会に 宮城県内では初(仙台放送)
https://www.fnn.jp/articles/-/799621

パートナーシップ宣誓制度の運用開始、仙台市が10日から(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASSD94HZ1SD9UNHB015M.html
仙台市パートナーシップ制度スタート、初日は3組6人が宣誓 市営住宅への入居など可能に(河北新報)
https://kahoku.news/articles/20241210khn000096.html

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