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香港最高裁が、海外で同性婚したカップルに相続などの権利を認めました

 香港終審法院(最高裁)が26日、同性婚が認められている外国で結婚した同性カップルに対して差別的な措置を取ることは認められないとして、同性婚承認国で結婚した同性カップルに対し、相続や公営住宅への入居などで異性カップルと同様の権利を認める内容の判決を出しました。


 香港最高裁は2018年、香港在住の英国人レズビアンカップルに対し、家族ビザと同等の就労権を認めました(詳細はこちら)。2019年には、海外で英国人と同性結婚した香港政府職員が異性婚と同等に税制上の優遇措置などが認められるべきだと訴えていたことに対し、「合理的な理由なく異性婚と差別的な待遇をする根拠はない」と結論づけ、異性婚と同等の権利を保障すべきだとする判決を出しています(詳細はこちら)。また、昨年9月には、同性カップルが法律上の承認を得られる枠組みを香港政府がつくっていないことは違憲だとし、同性婚こそ認めなかったものの、同性カップルが承認に値しない下層階級に属するといった感覚を払拭するためにも法的承認を与える「代替的な枠組み」が必要だとして、同性パートナー法などの整備を香港政府に求める判決を出していました(詳細はこちら
 今回の判決は、こうした流れの延長線上にあるものと言えます。

 ロイターによると、訴えを起こしたのはニック・インフィンガーさんという方です。カナダで同性結婚しましたが、香港では婚姻状態にあると認められず、公営住宅への入居申請が却下されたそうです。
 控訴裁判所が海外で結婚した同性カップルに住宅補助と相続権を認める判決を下したため、政府が上告していました。26日、最高裁は、全会一致で、同性婚が認められている外国で結婚した同性カップルに対して差別的な措置をとることはできないとして、同性カップルと異性カップルは公営住宅を利用する権利において同等ではないという政府側の主張を退け、住宅補助と相続権を認める判決を言い渡しました。
 異性婚夫婦と同様に役所で婚姻登録できるわけではありませんが、(相続以外の諸権利がどこまで平等に認められるかわかりませんが)同性カップルの権利が一定認められたということで、事実上、香港で同性パートナー法のような権利保障が実現したと言えるのではないでしょうか。
 
 香港には英国をはじめ欧米からのLGBTQもたくさん住んで仕事をしており、同性カップルの権利保障を求める声が高まりを見せていたということもあり、最高裁もこのように判断したのでしょう。(パレードは縮小を余儀なくされていますが)昨年のアジア初のゲイゲームズの開催などもインパクトを与えたのかもしれません。
 今後、欧米だけでなく台湾やタイで同性婚したふうふなども仕事で香港に移住した場合、相続などの権利が認められることになると思われます。日本も早く同性婚承認国の仲間入りを果たしたいですよね。
 
  
 
参考記事:
同性カップルの権利認める、香港 最高裁、相続や住居(共同通信)
https://nordot.app/1233994990468285149?c=302675738515047521

香港最高裁、同性カップルの相続や住宅の権利認める(ロイター)
https://jp.reuters.com/world/china/5XEYYMUCZNO3FA3H3GJOUYDFFE-2024-11-26/

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