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米TIME誌「次世代の100人」、台湾のバイセクシュアルの国会議員を選出
米『TIME』誌が10月2日、2024年版の「次世代の100人」を発表し、台湾の立法委員(国会議員)でバイセクシュアルであることをカムアウトしている黄捷(フアン・ジエ)氏が選ばれました。彼女は1993年生まれの31歳で、現職立法委員で最年少だそう。誌面では人権問題への取組みなどが紹介されました。
黄捷氏は2018年、高雄市の市議会議員選挙に時代力量※から出馬し、24歳で初当選しました(こちらのニュースでお伝えしていたように、同年の台北市の市議会議員選挙でも2人のオープンリー・レズビアンの方が当選を果たしています)。2022年の高雄市議員選挙では無所属で出馬し、高雄市最多得票数で再選されました。
2023年、民進党に入党し、2024年の総選挙では、再選を辞退した趙天麟議員の後任として民進党から高雄市第6選挙区の候補者に指名され、30歳で初当選、最年少の立法委員となりました。
※時代力量は、2015年に設立された革新政党で、女性やLGBTQの人権施策に力を入れています。新党ながら2016年1月の総選挙で5議席を得ています
蕭美琴(シャオ・ビィキム)副総統が執筆した『タイム』誌の記事では、「黄捷議員の人権や公共の利益の促進への情熱は、台湾の若い世代における市民参加の精神を体現している」とされ、「有権者を引き込む努力や精力的な呼びかけは民主主義が台湾の一部になっていることを示している」と述べられました。また、「黄氏が女性議員として、LGBTQコミュニティの一員としてマイノリティのために声を上げてきた」と評価し、「黄氏のような新進リーダーは誇りだ」と綴られました。
Pink Newsによると、LGBTQで今回の「次世代の100人」に選ばれた方たちはほかにもいます。
・Alice Oseman
名作ドラマ『ハートストッパー』の原作を書いたヤングアダルト小説の作家兼イラストレーターです。アセクシュアル・アロマンティックであるとカムアウトしています。プロナウンはshe/herおよびthey/themです。
・Reneé Rapp
映画『ミーン・ガールズ』のレジーナを演じたことで有名な、オープンリー・レズビアンのシンガーソングライター/俳優です。
・Richard Gadd
バイセクシュアルの俳優/コメディアン/作家で、Netflixドラマシリーズ『私のトナカイちゃん』に主演したことで知られていて、彼はこのシリーズの脚本、製作、演技でプライムタイム・エミー賞を3回受賞しています。
・Victoria Monét
シングル「Jaguar」とアルバム『Jaguar II』が高く評価され、今年のグラミー賞で最優秀新人賞、最優秀R&Bアルバム、最優秀録音アルバムを受賞。バイセクシュアルであることをカムアウトしています。
なお、2020年のTIME誌「世界で最も影響力のある100人」にはビリー・ポーターやミーガン・ラピノー 、祁家威(チー・ジアウェイ)など10人のLGBTQが選出され、2023年の「次世代の100人」にはベラ・ラムジー、エマ・コリンら13名のLGBTQが選ばれています。今回は(これで全部かどうか、わかりませんが)少ないほうです。
いつか日本のLGBTQのなかから、このようなリストに選ばれる方が現れる日が来るかもしれないですね。
参考記事:
米タイム誌「次世代の100人」に台湾の国会議員選出 31歳の黄捷氏 人権問題に注力(フォーカス台湾)
https://japan.focustaiwan.tw/society/202410030006
Alice Oseman and Richard Gadd among LGBTQ+ stars honoured on Time 100 Next List(Pink News)
https://www.thepinknews.com/2024/10/02/time-100-next-list/#page/6