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JTBが休暇制度を拡充し、性別移行のための通院を有給扱いに
JTBは、性別移行を望む従業員(正社員と有期契約社員)がホルモン治療や性別適合手術の通院で月2日まで有給休暇を取得できるようにしたと発表しました。福利厚生を充実させ、社員が働きやすい環境を整えます。
もともと月経前症候群(PMS)や健康診断を目的に取得できる休暇制度があり、ホルモン治療や性別適合手術もその対象に加えたかたちです。不妊治療や卵子凍結で通院が必要な場合も休暇の対象にしていましたが、新たに精子凍結も対象に加えました。介護や医療の費用を貸し付ける制度についても8月に拡充し、精子と卵子の凍結を支援対象に加えました。
性別適合手術を受けるために長期で休む場合、通算1年間は休職扱いにするそうです。ただし、休職期間中は無給になります。
国内ではキリンホールディングスが2017年、他社に先駆け、性別適合手術のために最大60日の有休を取れる制度を導入しています。J・フロントリテイリングも2021年に性別移行支援休暇を新設しました。また、労働新聞によると今年7月、電通デジタルも積立有給休暇の利用対象に性別適合手術とホルモン治療を追加し、性同一性障害の診断書の提出があれば利用できるようにしています。
慶弔休暇などの福利厚生に関して同性パートナーも配偶者と平等に扱う社内制度はかなり広く導入されてきていますが、トランスジェンダーの従業員が性別移行のために休みを取らなければいけないケースへの支援策については、まだここで紹介したような数えるくらいの企業でしか実施されていないようです。もっとこうした施策が広がるといいですね。
参考記事:
JTB、性別適合手術の通院を有給に 休暇制度を拡充(日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC08DN60Y4A001C2000000/
性別適合手術を積立有休対象に 電通デジタル(労働新聞)
https://www.rodo.co.jp/news/179839/