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1999年にカムアウトした元メジャーリーグ選手、ビリー・ビーンが死去

 MLB(米大リーグ機構)は6日、元近鉄のビリー・ビーン※が死去したと発表しました。急性骨髄性白血病と闘っていましたが、60歳で亡くなりました。ビリー・ビーンは現役時代にタイガースやドジャースなどでプレーし、一時は近鉄バッファローズにも在籍していました。引退後、1999年にゲイであることをカムアウトし、LGBTQ支援の活動に携わっていました。

※映画『マネー・ボール』のモデルとなったメジャーリーグの名GM、ビリー・ビーンとは別人です

 ビリー・ビーンは1964年、カリフォルニア州サンタアナ生まれ。サンタアナ高校の卒業生総代に選ばれるほど優秀で、ロヨラ・メリーマウント大学に進学して2度のオールアメリカン外野手として活躍、その後経営学の学位を取得して卒業。タイガースやドジャースで外野手兼一塁手としてプレーした後、1992年に近鉄バッファローズに所属し、7試合に出場。帰国後の1993年から3年間、サンディエゴ・パドレスでプレーし、1995年に引退しました。
 1999年にゲイだとカムアウトし(メジャーリーグで活躍した選手としては1995年にカムアウトしたグレン・バークに続き、史上2人目だそうです)、2014年、当時のコミッショナーだったバド・セリグから就任要請を受けてMLB入りし、MLBオーナーのDE&I委員会のメンバーを務め、ダイバーシティ&インクルージョンのアンバサダーとしてMLBのいじめ防止教育プログラムを開発したり、メンタルウェルネスリソースの認知度の向上に尽力したり、また、スピリット・デーのゲームをサポートするなどしました。プロスポーツの内外で基調講演を務めることも多かったといいます。
 
 MLB公式は「私たちの友人であり、同僚である、MLBコミッショナー特別補佐兼MLBダイバーシティ部門の副主任を務めていたビリー・ビーン氏が亡くなり、深い悲しみに包まれています。長らく急性骨髄性白血病と闘ってきたビリーは60歳でした」と報告しました。
 コミッショナーのロブ・マンフレッドは「私が知っている中で最も優しくて、尊敬されている人の一人だ。そして、フィールド内外で野球界の発展に尽力した」とコメントしました。「この10年間、ビリーはMLB、そして30球団と情熱的かつ精力的に活動してた。選手への教育、多様性、そして球界全体が平等に進むよう促進してきた」

 ゲイサイト「instinct」はビリー・ビーンを「彼は最も早くから野球界でカムアウトし、次世代のために道を切り開いた人の一人だ」と称えています。「2003年に著した『Going the Other Way: Lessons from a Life in and out of Major League Baseball』では彼が直面した困難が率直に語られ、LGBTQコミュニティにとっての試金石になっている」「彼は生涯を通じて野球がよりインクルーシブなスポーツになるよう尽力してきた。彼の単にポリシーを変えるということだけでなく、心と精神を変えようと努力した。そのプラットフォームを教育や受容の唱道に用いた」



参考記事:
ビリー・ビーンさん死去 米大リーグ(時事通信)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024080700644
元近鉄外野手、60歳で死去 MLB発表…コミッショナー「最も優しくて尊敬されている1人」(Full-Count)
https://full-count.jp/2024/08/07/post1595549/
元近鉄のビリー・ビーン氏死去 帰国後MLBの上級幹部として活躍(スポーツ報知)
https://hochi.news/articles/20240807-OHT1T51112.html
MLB上級幹部のビリー・ビーン氏が死去、60歳 急性骨髄性白血病で闘病 近鉄でもプレー(日刊スポーツ)
https://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/202408070000373.html

Billy Bean, LGBTQ+ Advocate and MLB Executive, Dies at 60(instinct)
https://instinctmagazine.com/billy-bean-lgbtq-advocate-and-mlb-executive-dies-at-60/

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