NEWS

【パリ五輪】ヌガンバ選手が難民選手団に初のメダルをもたらしました

 パリ五輪に出場する195名のOUTアスリートの1人であり、開会式で騎手を務めた5人のうちの1人でもあるレズビアンのシンディ・ヌガンバ(サンディウィヌ・ジャンクーヌガンバ)選手が4日、ボクシング女子75キロ級の準々決勝で勝利し、メダル獲得が確定しました。ヌガンバ選手は史上初めて難民選手団にメダルをもたらした選手となりました。


 4日に行なわれたボクシング女子75キロ級準々決勝。シンディ・ヌガンバ選手は地元フランスのミシェル・ダビナ選手と対戦ました。スタンドにはフランス国旗があふれ、何度もダビナ選手に向けて声援が飛び、会場の雰囲気は「アウェー」でしたが、ヌガンバ選手はそんな空気にのまれず「コーチや自分自身に耳をかたむけた」といいます。序盤から果敢に攻め込み、試合の主導権を握って勝利しました。ボクシング女子75キロ級では3位決定戦がないため、ヌガンバ選手のメダル獲得が確定しました。2016年リオデジャネイロ五輪で結成された難民選手団がメダルを獲得するのは史上初めてです。
 
 ヌガンバ選手はカメルーンで生まれ、11歳の時に家族とともに英国へ移住、しかし、学校で「太っている」「体臭がくさい」などといじめられ…そんななか、15歳でボクシングを始め、少しずつ才能が開花しました。18歳のときに拘束されて強制送還されそうになった際、同性愛者であることをカミングアウト、母国カメルーンでは同性愛は”犯罪”とされ、最高5年の懲役刑を科される可能性があるため、2021年に難民申請が認められました。
 難民選手団はリオ五輪で初めて結成され、10人が参加。2021年の東京五輪では29人に増え、パリ五輪では最多の37人が出場しています。
 選手村では、滞在施設のエレベーターにメンバーの試合予定を張り出しており、ヌガンバ選手は毎朝、それを見ながら全員の健闘を祈るそうです。故郷を追われ、国内外に逃れた難民はすでに約1億2000万人に上りますが、その全員に向けて、ヌガンバ選手は「自分を信じて進み続けるんだ。心に思っていることは何でもできる」と呼びかけるそうです。

 準決勝は8日に行なわれ、ヌガンバ選手はパナマの選手と対戦することになっています。

 
 なお、ヌガンバ選手と同様、開会式で旗手をつとめたトム・デイリーも銀メダルに輝いていますが、Outsportsによると、LGBTQが獲得したメダル数は全部で23に上っているそうです。


 
参考記事:
難民ボクサーが初メダル 性的少数の女性、準決勝へ(共同通信)
https://nordot.app/1192942865749737732?c=302675738515047521
難民選手団に初のメダル カメルーン出身の女子ボクサーが快挙の銅(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20240805/k00/00m/050/040000c
難民選手団が五輪初のメダル ボクシングで変わった日常を伝えたい(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASS8473DQS84UHBI001M.html
リオ五輪での「難民選手団」創設以来初のメダル確定…ボクシング女子、カメルーン出身のヌガンバ(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/pluralphoto/20240805-OYT1I50092

TEAM LGBTQ AT THE 2024 PARIS SUMMER GAMES(Outsports)
https://www.outsports.com/olympics/team-lgbtq/

ジョブレインボー
レインボーグッズ