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仙台弁護士会があらためて婚姻平等の実現を求める声明を発表
仙台弁護士会の藤田祐子会長が21日、「すべての人にとって平等な婚姻制度の実現を求める会長声明」を発しました。
声明は「婚姻の自由の保障は、個人が尊厳をもってその人らしい人生を送り、その人にとっての幸福を追求するうえで必要不可欠であり、その重要性は性的指向により変わるものではない」として、「性別を問わない婚姻の自由は、憲法13条及び憲法24条1項によって保障されているのであり、己の意思によっては変えられない性的指向の違いによって婚姻が認められないことは婚姻の自由を侵害するものとして憲法13条、24条1項に違反するとともに憲法14条1項に違反する不合理な区別であって、当然、「個人の尊厳」と「両性の本質的平等」によって画される立法裁量の限界を超えるものとして憲法24条2項にも違反する」と訴えています(「結婚の自由をすべての人に」訴訟の札幌地裁や名古屋地裁、札幌高裁も判決も素晴らしかったですが、弁護士会の会長からこのようにきっぱりと、理路整然と「違憲である」と述べられると、本当にそうだと、胸のすくような思いがする方も多いのではないでしょうか)
それから、全国の「結婚の自由をすべての人に」訴訟の判決や、全国の自治体の同性パートナーシップ証明制度の導入の状況、仙台市内の同性カップルによる婚姻届の受理を求める家事審判の申立て、住民票の続柄のことを総覧しながら「日本国内においては、同性間での婚姻を求める声が高まっている状況にある」と述べ、こうした「性的指向の多様性を柔軟に受け入れる制度の構築が広がりを見せ、同性婚が認められていないことが憲法に違反するとの司法判断が重ねられているにもかかわらず、国会及び政府は、法整備や解釈変更による同性間の婚姻を認める運用についての具体的な検討すら行なっていない」と批判しています。そして、国は「すべて国民は、個人として尊重される」(憲法13条)ために「性的指向にかかわらずすべての人がその人らしく生活することが出来る社会をつくりあげる責務を負う」のであるから、「国に対し、ただちに、当事者の性別に関わりなく婚姻を可能とする法整備に着手することを求める」と結んでいます。
仙台弁護士会は2021年2月にも、同性婚を認めていないことが憲法13条、憲法14条に違反するとして「すべての人にとって平等な婚姻制度の実現とパートナーシップ認証制度の創設を求める決議」を行なっています。しかし、その後、「結婚の自由をすべての人に」訴訟でどんどん違憲判決が出て、全国の自治体の(人口カバー率で言うと)85%超が同性カップルも婚姻相当であると承認してパートナーシップ証明を発行し、住民票でも事実婚と同等の扱いがなされ、最高裁でも事実婚と同等だとの判決も出ているなか、国が全く動かないことに業を煮やし、このような声明を発出したと言えそうです。仙台で小浜さんたちが婚姻届の受理を求める家事審判の申立てを行なったことも大きいのではないでしょうか。
同性婚の法制化を求める意見書や要望書や声明は、2019年7月に日弁連が発表したのをはじめ、福岡県弁護士会、神奈川県弁護士会、東京弁護士会、沖縄弁護士会、札幌弁護士会、熊本弁護士会、埼玉弁護士会、山口県弁護士会なども発しています。
それでも国はすぐには(「結婚の自由をすべての人に」訴訟で最高裁で違憲判決が出るまで)動かないかもしれませんが、このように各地の弁護士会が同性婚の法制化を求める声明を発してくれることは、きっと司法判断にもプラスの影響を与えるでしょうし、とても心強いことです。