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同性婚に賛同する企業が500社を超えました

 「Business for Marriage Equality」に賛同する企業が500社を突破したことが明らかになりました。運営団体の方などが7月1日、記者会見を開いて発表したものです。賛同企業は昨年末に450社超に上っていましたが、今年5月末、ついに500社を超えたそうです。
 
 Business for Marriage Equality(以下BME)のキャンペーンは2020年から開始し、開始当時の賛同社数は外資系企業などを中心に134社だけでしたが、その後、日系大企業の参加が加速し、2023年11月以降は武田製薬工業、戸田建設、不二家労働組合、神戸製鋼所、楽天グループ、電通デジタル、東京電力ホールディングス、三井住友建設などが賛同し、総数は開始から約3年半で513社に上りました。
 PRIDE JAPANでも度々お伝えしているように「結婚の自由をすべての人に」訴訟は現在も高裁で続いていて、今後は最高裁でも争われることになりそうです(それまでに国会で法制化されなければ)。認定NPO法人虹色ダイバーシティの村木真紀代表は「最高裁が判決を出すまで2年ほどかかる見込みですが、逆に言えば企業がこのことについて声を上げられる期間はあと2年だけとも言えます。さらに企業による働きかけの緊急度を上げていく必要があるのではないでしょうか」と語りました。
 記者会見にはBMEに賛同する三菱地所とパナソニックコネクトも参加していました。 
 三菱地所は就業規則を改正し、配偶者の範囲を事実婚や同性パートナーに拡大し、「忌引き休暇や結婚休暇」「家族手当」「育児・介護関連等社内制度」が利用できるようにしましたが、まだパートナーが同性である社員からの申請はないそうです。同社の平井幹人執行役は「今年4月に始まったばかり。企業風土も含め、申請しやすい形にしていくことも大事だと思っている」と話しました。
 パナソニックコネクトは今年のTRPのトップスポンサーで、先のプライド月間の「Pride Action30」を企画したりもしているアライ企業ですが、同社の山口有希子取締役兼CMO/DEI担当役員は、日本ではLGBTQが安心して働ける環境が担保されていないことから「グローバルな人材が日本を避けたり、日本の若者が海外を目指してしまう問題が起きている」と指摘し、「職場でカミングアウトできる方は限られており、どのような施策が本当に当事者のためになるのか模索しています。ただ、こうした課題に向き合わなくてはいけないという機運がすごく加速しているのはポジティブな変化だと思います」と話しました。 
 この日の会見では、虹色ダイバーシティが毎年実施している職場環境アンケート「nijivoice」の暫定集計結果も発表され、統計的にも職場でカミングアウトしている方が半数に満たないことが明らかになりました(「同僚が誰も知らない」との回答が57%でした)。この結果について村木氏は、「当事者たちは、職場で言えていないのが現状。職場で制度を整えても申請する人がいないのは、当事者が『会社に言ったら不利になることがあるかもしれない』と恐れている面があります。制度を申請できるかどうかは、企業がどれだけコミットするかで状況が変わってくるはず」と話しました。

 
 プレスリリースによると、近年、企業活動が人権や環境に与える影響が世界的に注目されていますが、日本企業のESG対応は特に人権分野を中心に対応の遅れが指摘されています。直近の5月には、昨年日本に初めて国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会が来日して行なった調査の報告書が公表されました。この報告書では日本国内における労働者の権利のほか、女性やLGBTQ+、高齢者・子ども、障がい者、外国人労働者などのグループに対する差別やハラスメントなど、ビジネスと人権における日本の課題や現状が問題視されています。
 山口有希子氏も「日本の若者が海外を目指してしまう」と危惧していましたが、国際社会からも女性やLGBTQが企業で活躍しづらいことが指摘されていたのです。法整備も進まないなか、企業として社内LGBTQ施策を進め、制度を整えてくださっているところもずいぶん増えましたが、職場でなかなかカミングアウトできず、制度利用の申請をためらう方も多いようです。
 5月には、日本人の女性カップルがカナダで難民認定されたというニュースもありました。性的指向を隠すことを強いられたりセクハラを受けたり、同性愛者であること、女性であることで困難に直面し、同性婚を認めず家父長的な価値観が根強い日本ではそうした差別やハラスメントから逃れられないとして、カナダ政府が難民認定したものです。
 やはり一日も早く婚姻平等が実現することが重要です。そのためにBMEがキャンペーンを展開し、賛同企業も500社を超えてきました(素晴らしいです)。「結婚の自由をすべての人に」訴訟の最高裁判決を待たずして、政府が同性婚の法制化への議論を進めるならそれに越したことはありません。そうなることを願う方は多いはずです。

 

参考記事:
同性婚に賛同、500社突破。主催者「最高裁まで2年、今こそ声を上げて」(BUSINESS INSIDER JAPAN)
https://www.businessinsider.jp/post-289626

【合計500社、200万人規模を突破。】武田薬品工業、三井住友建設、電通デジタル、楽天グループなど化学、建設、広告・IT大手を中心に各業界が賛同。同性婚の法制化に賛同する企業数が1年間で100社拡大(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000058.000054117.html

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