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栃木県鹿沼市、神奈川県横須賀市、香川県三豊市で住民票続柄「夫または妻(未届)」の記載がスタート
7月1日から栃木県鹿沼市、神奈川県横須賀市、香川県三豊市で同性カップルの住民票の続柄欄に異性間の事実婚世帯と同様に「夫(未届)」「妻(未届)」と記載する対応が始まりました。希望すれば、従来の「同居人」(一部の自治体では「縁故者」も認められていました)の記載を新たな表記にした住民票の受取りが可能になります。変更に伴う法的効力はありません。
長崎県大村市が5月末、男性カップルに続柄「夫(未届)」と記載した住民票を交付したことをきっかけに、栃木県鹿沼市がすぐに同じ対応を7月から始めると表明し、京都府与謝野町、福岡県古賀市、東京都杉並区、東京都世田谷区、三重県伊賀市も検討すると、また、香川県三豊市も7月から対応すると発表していました(三豊市の市議会では、田中達也市議が、弟さんが当事者であると語りながら「考えていただきたい。我が子が当事者ならどうしてやりたいのか」と訴えたそうです)。鳥取県倉吉市ではすでに対応済みです。
神奈川県横須賀市は6月29日に対応を発表しました。中核市では全国初です。市によると、これまで同居している同性カップルに住民票を発行する際、総務省の住民基本台帳事務処理要領に基づき、世帯主に対するパートナーの続柄は「同居人」や「縁故者」としていましたが、大村市の報道を受けて検討を開始し、「導入しない理由は全く見当たらない」「当事者のみなさまの気持ちに寄り添いたい」として「夫または妻(未届)」の記載を認めたそうです。
【追記】2024.7.2
東京都中野区でも6月、石坂わたる区議が議会で「長崎県大村市などの先行事例があり、23区でも杉並区や世田谷区が検討を始めるとしています。全国的に見て同性パートナーシップ制度の先進自治体である中野区でも、実質、事実婚状態の関係にある、同性カップル及びその子どもの不利益の解消に資するべく、早急に検討に着手すべきではないか」と質問し、区長から「中野区はパートナーシップ宣誓制度を導入していることからも、その理念に沿った検討を直ちに行ないたい」との答弁を引き出しています。
今後も(同性パートナーシップ証明制度の広がりと同様に)全国の自治体で続々と認められていくことでしょう。
最初に勇気を出して市役所に問い合わせた大村市のお二人に改めて拍手を贈ります。
参考記事:
同性カップル続柄に「夫」「妻」 事実婚と同じ住民票、3市で開始(共同通信)
https://nordot.app/1180314027663622907?c=302675738515047521
同性同士も事実婚表記 横須賀市住民票、きょうから パートナー制度利用、希望カップルが対象(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20240701/ddl/k14/040/036000c
横須賀市、同性カップルの続柄を事実婚と同じ表記に 住民票で神奈川県内初(神奈川新聞)
https://www.kanaloco.jp/news/government/article-1089809.html