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元F1ドライバーのラルフ・シューマッハがカミングアウト

 元F1ドライバーのラルフ・シューマッハが7月14日、自身のInstagramに同性パートナーと腕を組んで海に沈む夕日を眺める写真とともに「人生で最も素晴らしいことは、すべてを分かち合えるパートナーがそばにいることだ」とのコメントを投稿しました。 

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 ラルフ・シューマッハは、7度のF1ワールドチャンピオンに輝いたレジェンド、ミハエル・シューマッハを兄に持ち、1997年から2007年まで「ジョーダン」「ウィリアムズ」「トヨタF1」などで活躍、6回のグランプリ優勝を果たしました。現在はドイツ「Sky Sports」でF1解説者を務めています。
 2001年にコーラ・カロリーナ・ブリンクマンと結婚し、2015年に離婚しましたが、二人の間にはやはりレーシングドライバーの道を歩む息子のダビド・シューマッハがいます。

 先月49歳になった父のカミングアウトに対してダビドは、「本当に心地よく、安心できる相手をようやく見つけられたことを本当に嬉しく思う。相手が男性であろうと女性であろうと、僕は100%、パパを応援している。二人の幸運を祈ってる。おめでとう」とのコメントを寄せています(いい息子さんですね)
 25年来の友人でドイツ人女優のカルメン・ガイスも祝福しました。彼女はシューマッハのパートナーを「エティエンヌ」と呼び、「エティエンヌは最高のパートナーです。2年を経て、ついに世界に愛を示すことができましたね。ラルフとは25年以上の付き合いですが、彼は私にとって常に大きな喜びであり続けました」とコメントしています。「いつも自由奔放で、昼夜を問わず電話できる心の広い人であり、何よりも、常に誠実でいてくれました。この愛の輪の一部になれて幸せですし、二人がお互いを探し求めて出会ったことを思うと尚更です。なぜなら、私もエティエンヌを深く愛しているからです」「今日、彼は同性愛者であることを告白しました。この一歩は彼にとって、解放と自己受容の行為であり、また、彼の中で長い間熟成されてきた勇気ある決断でした。今、彼は誇りと自信に満ちています」「彼のカミングアウトは、個人的な勝利であるだけでなく、彼がようやく恐れや恥を感じることなく、本当の自分を生き、愛することができるようになったことの証でもあります」

 ルイス・ハミルトンは「ラルフが踏み出した一歩は、とてもポジティブなメッセージを発している」とハンガロリンクで報道陣に語りました。「それは他のドライバーにも同じことをできるように解放するものだ」
「これは、今が時機であり、ついにその一歩を踏み出すことができ、恐れる必要がないことを示していると思う。これまで、人々からポジティブなフィードバックしか聞いたことがなく、それは僕たちが今生きている時代だからこそだと思う」
「スポーツの世界では、まだ長い道のりがあると思う。インクルーシブであるということと、実際に人々がその環境で快適に過ごせるようになるということは別のことなんだ。ここは男性優位な空間であり、僕が知る限りでは、(ラルフは)少なくとも公の場でその点について発言した最初の人の一人だ」
「僕たち(メルセデス)のチーム内では非常に受け入れられているが、このスポーツはもっと努力を続ける必要があると思う」
「彼が過去にカミングアウトできないと感じていたかどうかはわからない。でも、ようやく一歩を踏み出すことができる、恐れる必要のない時代になったということだと思う」
「今のところ、それにみんなはポジティブなフィードバックをしている。セブと僕がこのグリッドに立って、ここ(ハンガリー)やサウジアラビア、カタールの政府と戦うことからすべてが始まったんだ」
「もしラルフが今、そうしたことができそうだと感じたとしたら、それが彼の気持ちを変えたのかもしれない。そういうことができる人がもっと必要なんだ」
 さらに、『F1にできることは何か?』との記者の質問に対し、ハミルトンは次のように付け加えました。
「いい質問だね。僕の頭では解決策が思いつくかわからない。でも多くの場合、その解決策は対話だということを知っている。主要なステイクホルダーとの対話なんだ。アクセシビリティがどうなっているかを分析することだ。コミュニティに包摂されていると感じる人、感じていない人から情報を得て、コミュニティを巻き込むことなんだ。ここにいるすべての人にアンケートをとり、いくつかの質問をして、どう感じているか、どうしたらいいと思うかを正直に聞くだけだ。できることはたくさんある。でも、まずはそれを口にすること、そしてそれが問題であることを無視するのではなく、もっと優先順位をつけて、それを提起し、実際に何人かの人にタスクを課して、どうすれば人々に感じてもらえるかを考えることなんだ」

 シューマッハだけでなく、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)も支持を表明しました。
「もちろん、非常に個人的な問題だけど、僕は祝福するよ」
「多様性が重視される現代において、彼がカミングアウトしたとしても何も問題はない」

 シューマッハーとF1で戦った経験もあるフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)も「彼におめでとうと言いたい」と語りました。
「僕や、F1関係者全員から全面的なサポートがあると思う」
「彼が良いフィーリングを感じていることは素晴らしいことだし、僕たちも同じだよ」

 オスカー・ピアストリ(マクラーレン)も「誰もが受け入れられ、人生における様々なことを安心してカミングアウトできるような環境を整えること」がF1にとって重要だと、「抵抗なく彼がそうやってカミングアウトしたというのは素晴らしいことだと思う。彼にはおめでとうと言いたいし、良いことだと思う」と語りました。



 シューマッハのほかにこれまでカミングアウトを果たしたF1ドライバーとしては、1971年から1973年にかけて活躍したマイク・ボイトラー(彼は1988年にエイズで亡くなっています)、1975年に女性ドライバーとして初めてポイントを獲得したレラ・ロンバルディ、1959年〜1964年に計5戦を戦い、75歳となった2009年にバイセクシュアルであることをカムアウトしたマリオ・デ・アラウージョ・カブラルがいます。

 

参考記事:
元F1ドライバーのラルフ・シューマッハ ゲイであることをカミングアウト(F1-Gate)
https://f1-gate.com/ralf/f1_82100.html
元F1のラルフ・シューマッハ、同性愛関係にあることを告白…息子ダビドも祝福(FORMULA1-DATA)
https://formula1-data.com/article/ralf-schumacher-publicly-comes-out-as-gay
F1王者ルイス・ハミルトン ラルフ・シューマッハのゲイ告白に支持の声(F1-Gate)
https://f1-gate.com/hamilton/f1_82145.html
ハミルトン、ラルフ・シューマッハーの同性交際カミングアウトに「ポジティブだけど、まだ長い道のりがある」(motorsport.com 日本版)
https://jp.motorsport.com/f1/news/hamilton-says-ralf-schumachers-coming-out-sends-positive-message/10635958/
同性愛告白のシューマッハを「全面的に支持」するアロンソやハミルトンらF1ドライバー(FORMULA1-DATA)
https://formula1-data.com/article/alonso-and-f1-drivers-fully-support-schumacher-after-he-comes-out


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