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【住民票続柄】東京都杉並区も前向きに検討
長崎県大村市が全国で初めて男性カップルに続柄欄に「夫(未届)」と記載した住民票を交付したことを受け、東京都杉並区の岸本聡子区長が7日、区議会で「さまざまな影響が考えられるが、これらを乗り越えて希望する当事者に寄り添っていきたい」と同様の記載の導入について前向きに検討する考えを明らかにしました。鳥取県倉吉市、栃木県鹿沼市、京都府与謝野町、福岡県古賀市に続くものです。
杉並区は昨年4月、同性パートナーシップ証明制度を含む「性の多様性尊重条例」を施行し、当事者の声や先行自治体の取組みをふまえ、同性パートナーの続柄を希望する制度利用者に「縁故者」と記載できるようにしました。
岸本区長は、大村市の取組みを「国による同性カップルの婚姻制度の整備が整っていない中で、当事者の心情に厚く寄り添ったもの」と評価しました。一方、自治体で記載が異なることで混乱が生じる可能性など、さまざまな影響が考えられることへの配慮も指摘、そのうえで「新しい状況に多くの自治体が広域的に一歩を踏み出す必要がある。パートナーシップ制度がある13区と意見交換をし、制度との整合性を図りながら検討していく」と述べました。
ちなみにハフポストが東京23区について調べたところによると、同性カップルの住民票の続柄で「同居人」ではなく「縁故者」※との表記を認めているのは4区しかないそうで、杉並区はその中の一つです。
※総務省によると、「縁故者」は親族で、世帯主との続柄を具体的に記載することが困難な者(事実上の養子、外国籍で同性婚しているカップルなど)を表すときに使われていました。一方、「同居人」は明確に定義しておらず、父や母、妻や夫、兄弟や子供などに該当しないケースで、友人などが当てはまるそうです。2020年12月に明石市が全国で初めてファミリーシップ制度の導入を発表しましたが、その際、続柄「縁故者」の表記も初めて認めました。
人口56万人の杉並区で認められたら(同居していてパートナーシップ証明を受けている同性カップルも多いと思われますので)、とても大きいですよね。区長さん、素晴らしいです。
そういう自治体が増えてくれたらうれしいですが、ただ待っているよりは、ダメ元で相談してみたら、進展があるかもしれないと思い、お住まいの役所で住民票の続柄について相談した方もいらっしゃるそうです(とりとるさんという方がチャレンジし、受理はされなかったもののの、区の職員の方は、そういう方が来られることを想定した対応だったそうです)。そうして全国でたくさんの当事者の方たちが役所に出向き、相談していくことで、なかには認めてくれる自治体も出てくるかもしれません。
参考記事:
住民票の「夫(未届)」記載、岸本聡子杉並区長が検討を表明 「当事者に寄り添いたい」(東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/332133
東京23区で、同性カップルの事実婚表記を認めている自治体は?4区が記載する「縁故者」とは何か(ハフポスト)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_6662b42be4b0f9f6da80b12d