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バイデン大統領が同性愛で有罪とされた退役軍人への恩赦を発表

 バイデン米大統領は26日、かつて軍法のソドミー規定で有罪とされた退役軍人約2000人への恩赦の手続きを開始すると発表しました。バイデン氏は声明で「わが国の軍人は自由の最前線に立ち、命をかけて国を守っている」「何千人ものLGBTQ+の軍人が、勇気と偉大な犠牲にもかかわらず、性的指向や性自認を理由に軍を追われた」「歴史の誤りを正す。任務に集中するため、米軍では全ての兵士が安全と敬意を保証される」と述べました。


 米国の軍人に適用される司法制度Uniform Code of Military Justice(統一軍法典)には1951年5月31日〜2013年12月26日の期間、同性間の性行為を禁じるソドミー規定が設けられており、この間に有罪とされ、不名誉除隊処分を受けた方たちが対象となります。未遂罪で有罪を言い渡された例にも適用されます(強姦など、同意のない行為で有罪となった者は恩赦の対象から除外されます)
 恩赦によって不名誉除隊の記録が自動的に書き換えられるわけではありませんが、恩赦証明書を取得することで軍人恩給などの留保されていた給付金が受け取れるようになるということです(不名誉除になると退役軍人として受けられる利益が剥奪され、給付金が受けられなくなります)
 
 これとは別に、1993年以降、兵士が同性愛者であることをカムアウトすることを禁じていたいわゆる「Don't Ask, Don't Tell(訊かざる、言わざる)」規定で除隊処分となった方たちについても、国防総省が昨年9月以降、改めて記録の見直しを進めています。
 カミングアウトすれば除隊処分になる「Don't Ask, Don't Tell(訊かざる、言わざる)」政策は、オバマ大統領(当時)の尽力によって2011年9月20日に撤廃されるまで、長きにわたって米軍の同性愛者を苦しめました。この間に約1万4000人が除隊処分を受けたとされています。
 
 今週末の6月30日にはニューヨークやサンフランシスコでプライドパレードが行なわれます。プライドウィークを目前に控えた日のこの発表は、バイデン大統領からのLGBTQコミュニティへのメッセージとも受け取られます。



 
参考記事:
A Proclamation on Granting Pardon for Certain Violations of Article 125 Under the Uniform Code of Military Justice(THE WHITE HOUSE)
https://www.whitehouse.gov/briefing-room/presidential-actions/2024/06/26/a-proclamation-on-granting-pardon-for-certain-violations-of-article-125-under-the-uniform-code-of-military-justice/

同性愛で有罪の軍人恩赦 大統領「歴史の誤り正す」―米(時事通信)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024062600994

バイデン大統領、同性愛を理由に有罪となった退役軍人に恩赦…「歴史的な過ちを正す」(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240627-OYT1T50064/

バイデン氏、同性愛行為で有罪の元兵士らを恩赦へ(CNN)
https://www.cnn.co.jp/usa/35220685.html

同性愛で有罪の軍人恩赦へ、バイデン米大統領が発表(ロイター)
https://jp.reuters.com/world/us/TRH477VJKBPUZKGUUIP46Z5DKU-2024-06-26/

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