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【同性パートナーシップ証明制度】北海道北広島市、埼玉県川口市、新潟県新発田市、奈良県桜井市、岡山県津山市も制度導入へ

 今月も全国各地で、「パートナーシップ宣誓制度」や「ファミリーシップ制度」などに関する動きがありました。北から順にご紹介します。


 北海道北広島市は10月に「パートナーシップ宣誓制度」を導入します。市は同性カップルを婚姻相当の関係と部分的に認めるほか、多様な性のあり方について市民の理解を浸透させたい考えだそうです。

 お隣の札幌市は10日、「パートナーシップ宣誓制度」について、新たに上川管内上川町と連携協定を結んだと発表しました。連携先は21市町となりました。

 そして今月30日、小樽市内で第5回小樽プライドが開催されます。小樽市は1月から「パートナーシップ宣誓制度」を導入しており、小樽プライド委員会は「制度の施行を祝いたい」として参加を呼びかけています。

第5回小樽プライド2024
日時:6月30日(日)受付開始11時、パレード出発12時
集合場所:サンモール一番街

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 群馬県では、2023年度に「ぐんまパートナーシップ宣誓制度」を利用して宣誓を行なったカップルが過去最多の19組に上ったことがわかりました。2020年12月の制度導入から23年度末までに計56組が宣誓したそうです。
 県生活こども課によると、2020年度は5組、2021、2022年度は各16組が宣誓、パートナーの解消は4組ありました。同制度はカップルが宣誓書を県に提出すると宣誓書受領カード(パートナーシップ証明カード)が交付されるもので、公営住宅の入居や医療機関での面会などの際に家族として扱われるようになります。
 また、群馬県は全国に先駆けて、新婚夫婦や結婚予定者に発行している「ぐんま結婚応援パスポート」を宣誓した同性カップルにも配布するという取組みを行なっています。
 
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 埼玉県では今年4月、長瀞町で制度が導入されたことにより、県内全63市町村のうち62の市町村が制度導入済となりました。自治体間で連携も進むなか、唯一導入していないのが川口市です。そんな川口市で暮らす当事者の声を共同通信が報じています。
 川口に住むレズビアンのカップルは「周りと違うのは、好きな人がただ同性ということだけ。関係を認める制度がほしい」と語っています。うみさんとそらさん(ともに仮名)は5年前からおつきあいしていて、つきあって半年ほどで同居を始めています。互いに結婚したいと思い、指輪も購入したそうです。しかし、法的に結婚が認められていないため、うみさんのお母様は「何かあった時にあの子を支えてくれる人はいない―」と心配しているそうです。うみさんは「せめて自治体のパートナーシップ制度があれば親を安心させられる」と思い、しかし、思い出の多い川口から出ていくことはしたくない、と悩んでいます。川口市協働推進課は「具体的な導入めどは立っていない」としているそうです。うみさんは「制度がない自治体にも当事者はいる。身近な存在だと感じて」「マイノリティにも手を差し伸べる広い心を持ってほしい。制度は私たちの希望になる」と訴えています。

【追記】2024.6.14
 川口市の奥ノ木信夫市長が13日、制度導入の意向を示しました。同日行われた川口市議会の一般質問で、市側は「制度の実施について前向きに検討したい」などと説明し、答弁後の記者団の取材に対し、市長が「川口市も取り入れる」と語ったものです。市は証明書発行の手続きと、他の自治体との連携について年度内に制度化する方針だそうです。
 県内63市町村のうち、唯一制度を導入していなかった川口市が導入を決めたことで、埼玉県内全自治体での導入が達成されることになります。うみさんとそらさん(をはじめとする川口市で制度を希望していたカップルのみなさん)、おめでとうございます。

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 新潟県新発田市の二階堂馨市長は、6月3日の市議会6月定例会初日の本会議で「パートナーシップ・ファミリーシップ制度」を7月1日から導入することを明らかにしました。二階堂市長は「互いを認め合う多様性社会の構築を進めていきたい」と語りました。
 市人権啓発課によると、同制度の導入は県内市町村で6例目で、制度の導入により、住民票に「縁故者」として表記できるようになるほか(そこは「夫・妻(未届)」ではないようです)、公営住宅への入居申込みも可能になります。

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 福井県鯖江市は(昨年、初のプライドパレードも開催しましたが)昨年4月から、LGBTQ・性的マイノリティーのカップルを公的に認める「パートナーシップ宣誓制度」を導入していましたが、今年度中に「ファミリーシップ制度」へと拡充する方針です。福井県では「ファミリーシップ制度」を導入した自治体はこれまでなかったそうです。
 鯖江市は10日の市議会で、パートナーシップ宣誓した二人に加え、それぞれの近親者についても家族関係を公的に認める「ファミリーシップ制度」を今年度中に制度化する方針だと説明しました。具体的にどの行政サービスを対象にするかは今後協議するとしています。
 
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 奈良県平群町は「町民一人一人が価値観や個性の違いを多様性として認め合い、互いに人権を尊重し合える社会の実現」を目指し、今年度から「パートナーシップ宣誓制度」をスタートさせました。町政策推進課は「当事者の安心感や性の多様性への社会的な理解が広がることにつながれば」としています。
 
 同じ奈良県の桜井市は6日、7月から「パートナーシップ宣誓制度」をスタートすると発表しました。

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 NHK岡山は、岡山県内の制度導入状況について詳しく報じました。
 昨年5月末時点で岡山市や倉敷市など11の市町で制度が導入されていましたが、今年6月3日にNHKが改めて県内の全27市町村に取材したところ、この1年に赤磐市と早島町で導入され、導入自治体が13となったことがわかりました。また、宣誓して証明を受けたカップルは昨年5月末時点で47組でしたが、今年6月3日時点で63組に上り、16組増えたそうです。
 一方、制度のない14自治体のうち、津山市は今年10月の開始に向け準備を始めていて、玉野市は来年度の導入を目指し協議を本格的に進めるということです。また、ほかにも5つの市と町が「導入を検討している」と答えているそうです。
 この記事では、笠岡市で宣誓を行なった山室さん&近藤さんカップルのことが紹介されていましたが、なんと、結婚式のように自宅に友人を招いた「宣誓式」を計画していると市の担当者に伝えたところ、証明書の交付をみんなの前で行ない、お披露目してはどうかと言ってくれて、今年の5月に友人9人が集まって「宣誓式」のパーティを開催したんだそうです(素敵!)。参加した友人は「いろいろな思いをしながら生きてきた様子を見ていたので、スピーチを聞いて涙が出ました。この場で祝福できたことが何よりうれしいです」と語り、立ち会った笠岡市人権推進課の笠原麻希係長は「法律では結婚できないので、なかなか結婚式をしたりというのが難しいと思うのですが、我々もできる限り祝福したいという気持ちで来ました。二人の一生の思い出に残るいい日にしたいと思います」と語ったそうです(泣きそう…)。宣誓式を開いた山室さんは「私と同じ悩みを抱えている人もいると思いますが、必ず認めてくれる人は周りにいるので、勇気を出して前を向いて生きていってほしいです。私も頑張ります」と語りました。とても温かい気持ちになれる、いいニュースでした。

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 福岡県は12日、県の「パートナーシップ宣誓制度」を利用して行政サービスを提供する自治体が今年3月1日時点で全60市町村に達したことを明らかにしました。県議会の代表質問で岩元一儀議員(民主県政)の質問に答えたものです。
 県によると、県の「パートナーシップ宣誓制度」は2022年4月に始まりましたが、県が交付する宣誓書受領証カードを提示することで各市町村が行なう行政サービス(のうち、これまで結婚した夫婦にのみ認められていた公営住宅への入居申請、公立病院でのパートナーへの病状説明など)が受けられるようになるという取組みは、昨年3月末時点で35市町村でしか実現していませんでしたが、今年3月には全60市町村で実現したそうです。服部知事は「実施市町村で円滑に運用できていることなどを説明し、(各市町村に)サービス提供への理解を求めていく」と答弁しました。

 



参考記事:
北広島市、パートナー制度10月導入 市営住宅入居可能に(北海道新聞)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1018176/

パートナー制度、札幌市と上川町連携(北海道新聞)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1023013/

小樽市のパートナー制祝おう 性の多様性実現へ30日パレード(北海道新聞)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1023879/

群馬県の「ぐんまパートナーシップ宣誓制度」 過去最多の19組が宣誓 2023年度(上毛新聞)
https://www.jomo-news.co.jp/articles/-/473076

「パートナー制度導入を」(共同通信)
https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/420605

新潟新発田市が「パートナーシップ制度」7月1日から導入、県内市町村で6例目 「ファミリーシップ制度」も実施(新潟日報)
https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/416969

「ファミリーシップ制度」導入へ LGBTQカップルの親や子も“家族”に 鯖江市、今年度中に制度化(福井放送)
https://news.ntv.co.jp/category/society/fbc1376c955bcf4e45a2fa40bac0c46ab0

奈良県平群町が「パートナーシップ宣誓制度」スタート(奈良新聞)
https://www.nara-np.co.jp/news/20240602212621.html

奈良県桜井市、7月からパートナーシップ制度開始 市会に関連議案提出へ(奈良新聞)
https://www.nara-np.co.jp/news/20240608211528.html

「パートナーシップ宣誓制度」県内は13の市と町に(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/20240605/4020020484.html

LGBTQのカップルら公認「パートナーシップ宣誓制度」福岡県の全60市町で行政サービス提供(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20240613-OYTNT50091/

川口市がパートナー制度を導入意向…年度内施行へ(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/local/saitama/news/20240613-OYTNT50295/
パートナーシップ制度を川口市も導入へ 埼玉県内自治体足並みそろう(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASS6F4FM3S6FUTNB00LM.html


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