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ソウルのパレードが今年も受難…広場や施設の利用が相次いで不許可に
毎日新聞によると、昨年に続き、韓国・ソウルで6月1日に開催されるソウルクィアパレードをめぐって「ソウル広場」など公共施設の使用を不許可とする決定が相次いでいます。保守系キリスト教団体のいやがらせに行政が乗ってしまっているようです。
ソウルクィアパレードは2000年に始まり、2015年以降は市中心部・ソウル市庁前の「ソウル広場」をメイン会場にしてきました。2019年には第20回を記念し、初めてピンクドットも開催され、パレードには7万人が参加し、盛り上がりを見せました(レポートはこちら)。しかし、昨年、初めてソウル広場の使用が不許可となりました(詳細はこちら)。保守系キリスト教団体のいやがらせにも負けず、主催団体SQCF(ソウル・クィア・カルチャー・フェスティバル)は会場を乙支路(ウルチロ)の繁華街に変更してパレードを開催し、約3万5000人が参加しました(詳細はこちら)
SQCFは今年3月、6月1日のパレード開催のためにソウル広場の使用を申請しました。しかし、民間人と市議、公務員らでつくる「開かれた広場運営市民委員会」は、同日に市のイベントが広場で実施予定だとして、またしても不許可にしました。さらにSQCFは関連行事のために市の複数の施設についても使用を申請しましたが、いずれも不許可になりました。「社会的対立が憂慮される」などの理由を説明されたそうです。
梁瑄友(ヤン・ソンウ)組織委員長は5月20日、ソウル外信記者クラブでの記者会見で「ソウル市はヘイト行動をする勢力を防ぐべきであり、役割を果たさないなら市もヘイト勢力と同じ」「社会的対立などを理由にしているが、これは弱者に対する一方的な暴力だ」と強く批判、一連の対応は「差別だ」と訴え、国家人権委員会に陳情中だと語りました。今年のパレードのスローガンは「YES、クィア!」です。梁さんは「不許可にしても私たちの存在が消えるわけではない。このスローガンがここまで切実性を持つとは予想していなかった」と語りました。
6月1日のソウルクィアパレードは、会場を明洞(ミョンドン)近くに変更して開催される予定だそうです。
もし東京レインボープライドがアンチ勢力のいやがらせによって代々木公園の使用が不許可にされたら…と想像すると、本当に残念で、悲しい気持ちになります。ソウルのコミュニティのみなさんの心中をお察しするとともに、あきらめず、めげずにパレードを開催し続けてきたことに敬意を表します。日本から連帯を表明し、パレードが少しでも盛大に開催され、成功することを願うものです。
参考記事:
ソウルでLGBTQイベントの施設利用、不許可相次ぐ 保守派反発か(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20240521/k00/00m/030/044000c