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【同性パートナーシップ証明制度】災害時の安否確認や、犯罪被害者見舞金の支給を保障する動き

 今月1日から全国40以上の自治体で同性パートナーシップ証明制度やファミリーシップ制度が導入されましたが、4月3日以降も各地の動きが報じられています。災害時に同性カップルも安否確認できるようにする、犯罪被害者の遺族に支給する市独自の見舞金の対象を同性カップルにも拡充するという取組みに先日の最高裁判決の影響を見ることができ、今後全国の自治体に同様の取組みが広がっていくことを予感させます。
 南から順にお伝えします。

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 長崎国際テレビは、「パートナーシップ宣誓制度」を導入している大村市に移住して宣誓を行なったカップルのことを報じていました。
 宣誓を行なったのは、もともと兵庫県尼崎市でパートナーシップ宣誓し、フレンドリーな神社で結婚式も挙げた諫早市出身の藤山裕太郎さんと、パートナーの松浦慶太さん。お二人は、藤山さんのふるさとである諫早市にUターンする予定でした。お二人は昨年、諫早市議会に制度導入を求める請願を行ない、請願は本会議で採択されたものの、その後、導入に向けた具体的な動きがなく…藤山さんは「請願したが、(その後)動いてないように見えてしまって、そういうのを目の当たりにすると悲しい」と感じたそうです。そこで、すでに制度を導入していた大村市に相談し、仕事の紹介などもしてもらえたことから、移住を決めたそうです。
 そして5日、お二人は宣誓書受領証(パートナーシップ証明書)が手渡されました。大村市でのパートナーシップ宣誓は3組目だそうです。藤山さんは「これで大村市の皆さんに受け入れてもらえたという実感がわいた」と、松浦さんは「皆さんに受け入れてもらっている、応援してもらっていると思うと、新生活が楽しみ」と語りました。松浦さんは今後、大村市の地域おこし協力隊員として、観光のPRなどを行ない、同時に性的マイノリティへの理解を深める活動もしていくそうです。「今までLGBTQって遠い存在、テレビの中の存在みたいに思っていたのが、身近な存在と感じてくれるだけで一気に理解が進むのではないか」
 
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 徳島県は4月1日から「パートナーシップ宣誓制度」を導入しましたが、併せて、性的マイノリティのカップルを災害時に「同居の親族」として扱い、パートナーの詳細な安否情報を提供することとしました。
 災害対策基本法の規則では、同居の親族(事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)/同居以外の親族から職場などの関係者/知人という区分を設け、それぞれで自治体が提示できる情報を定めています。同居の親族であれば、その居場所や負傷・病気の情報、連絡先などを教えてもらえますが、それ以外の区分ですと、提供される情報が限られます。
 パートナーシップ証明があるカップルを同居の親族として扱う運用は、すでに徳島市や鳴門市など6市3町(昨年12月時点)で始まっていましたが、県も今回、制度導入に合わせて運用を始めました。これを受けて、小松島市や阿波市など新たに県内11市町村も同様の扱いを始めました。すでに運用を行なっている9市町と合わせ、県内自治体の8割に広がりました。
 制度を導入していない海陽町は「県のパートナーシップ証明があれば認める」と、同様に上勝町は「別世帯の場合、県の証明が必要」としているそうです。
 レインボーとくしまの会の長坂航さんは「県がリーダーシップをとって、県内全域で同性カップルもパートナーの安日情報を得られるよう、制度を整備したり、職員研修などを進めてしてほしい」と話しています。

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 広島県安芸高田市は2021年から「パートナーシップ宣誓制度」を導入していますが、これを拡充し、今月から「ファミリーシップ制度」も導入しました。市のニュースリリースによると、「性的マイノリティの方々をはじめ、事情により婚姻制度や養子縁組を利用することができない方々の生きづらさの解消を図る」「多様な家族関係の在り方の認証制度を市が制定することで、多様な価値観を尊重し、育む環境を醸成する」ことを目的としています。県内の市町で「ファミリーシップ制度」を導入するのは安芸高田市が初めてです。

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 和歌山県串本町が1日から「町パートナーシップ・ファミリーシップ制度」を導入しました。同様の制度は近隣の那智勝浦町と新宮市でも設けられています。
 町住民課によると、制度は住民一人一人が互いに人格や多様性を理解し、誰もが心豊かに暮らせる社会の実現が目的です。町は制度を通じて民間の企業や団体などから協力してもらい、町民が暮らしやすい町を目指していくとのことです。

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 岩手県北上市も新年度から「パートナーシップ宣誓制度」を導入しました。
 宣誓を行ない、パートナーシップ証明を受けたカップルは、市営住宅に入居できるほか、パートナーの代理で罹災証明書を申請できたり、住民票でパートナーの続柄を「縁故者」に変更することができるようになります。
 それぞれの親や子を加えて宣誓することもできるそうで、事実上ファミリーシップ制度と言えます。
 岩手県内では北上市を含めて10の市町に制度が広がり、花巻市も今年しの秋に条例としての導入を計画しているそうです。
 北上市は、制度を導入した他の自治体と連携し、引っ越す場合の手続きの簡素化を図ることにしています。
 八重樫浩文市長は「さまざまな価値観を持ち、生きづらさを抱えている方々のために、他の自治体とも連携して対応していきたい」と話しています。

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 北海道北斗市は4日、先月の犯罪被害者給付金同性パートナー支給訴訟最高裁判決を受けて、犯罪被害者の遺族に支給する市独自の見舞金の対象者をパートナーシップ宣誓したカップルにも拡充しました。
 北斗市では2010年から、犯罪で亡くなった人の遺族には上限30万円、1ヵ月以上のけがをした人には上限10万円を支給する制度を実施していました。「パートナーシップ宣誓制度」は昨年4月に開始していました。

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 先日のニュースでもお伝えしたように、大分県も、県の宣誓書受領証があれば(制度を導入していない市町にお住まいの方でも)犯罪被害者見舞金制度で家族として扱われるようにするとしています。今後、同様の取組みが全国に広がっていくことでしょう。最高裁判決、本当に意義深いですね。
 新聞の社説などでも指摘されているように、「事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」という文言は、犯罪被害者給付金制度だけでなく、遺族年金、労災の遺族補償年金など200以上もあります。世田谷区などはすでに災害弔慰金災害義援金など様々な制度で可能な限り同性カップルも異性婚と同等に扱うような改正を進めてきましたが、これから全国の自治体で続々とこのような取組みが進むことと思われます。
 同性パートナーシップ証明制度はすでに8割の自治体に浸透しましたが、給付金における取扱いの平等化という次の波がまた始まるのではないでしょうか。
 

   
参考記事:
事実婚同様の行政サービス「パートナーシップ宣誓制度」でカップル大村市に移住《長崎》
https://news.ntv.co.jp/n/nib/category/society/ni3f0b2d4734d745dc9522da049caf1860

性的少数者の災害時安否情報の提供 県と11市町村が運用開始(徳島新聞)
https://www.topics.or.jp/articles/-/1056545

安芸高田市がファミリーシップ制度導入 LGBTQや事実婚の家族関係を公的に証明(中国新聞)
https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/448809

串本でパートナーシップ導入(紀伊民報)
https://www.agara.co.jp/article/362009

北上市がパートナーシップ宣誓制度を導入(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20240404/6040021225.html

犯罪見舞金、性的少数者も 最高裁受け北海道北斗市(共同通信)
https://nordot.app/1148927336201191844?c=768367547562557440

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