NEWS

『94歳のゲイ』の長谷さんがパレードに参加しました

 映画『94歳のゲイ』の長谷忠(はせただし)さんが21日、TRPのパレードに参加しました。長谷さんは「Marriage For All Japan」フロートの最後尾で、車椅子に乗ってパレードしていました。


 
 1929年生まれの長谷忠さんは、誰かと出会うということもなく、恋愛もセックスもせず、誰にもゲイであることを言わずに生きていました。日本では1990年代まで同性愛が“異常性欲”などとして扱われ、治療が可能な精神疾患とされてきて、とてもじゃないけど言えないと感じていたのです。
 しかし、大阪の西成区に暮らし、ゲイのケアマネージャーの方と知り合ったのをきっかけに、安心して自分がそうだと言える場所を知り、91歳のときに初めて西成のカフェのイベントでドラァグし、その後、2022年にMBSで「93歳のゲイ~厳しい時代を生き抜いて~」というドキュメンタリーが製作され、大きな反響を呼び、このドキュメンタリーに追加素材も加えた再編集版として『94歳のゲイ』という映画が劇場公開されるに至り、長谷さんは20日の公開初日の舞台挨拶に登壇するため、生まれて初めて東京に来ることになりました。
 そして4月21日、95歳になった長谷さんはTRPのプライドパレードに参加し、「Marriage For All Japan」フロートの最後尾で車椅子に乗ってパレードしました。沿道で声援を送る人たちを見て「こんなに多くの人が理解してくれてるんやな」とつぶやきながら、笑顔でレインボーフラッグを振っていたそうです。「僕が大阪でデモをしたときは若い人ばっかりやった。でも今日は中高年のゲイが多いことにびっくりした。仲間がたくさんいることがわかった。初めてこんなにたくさんの人を見た」
 
 長谷さんはパレードの前日、映画を上映したポレポレ東中野で『94歳のゲイ』の初日舞台挨拶に登壇しました。長谷さん登壇の2回は完売となったそうで、満席の観客に向かって長谷さんは「本当にありがとうございました。ありがとう(の言葉)以上だね。よう集まってくれたな。後悔してへん? そうでなかったらいいけど……よくこれだけのお客さんが来おったな、どうしたらいいのかわからへんわ」と、笑顔で戸惑いと喜びをあらわにし、「みんなこれからも元気で、長生きするんやで」と語ったそうです。
 


 
参考記事:
「仲間はたくさんいる」人生初の東京でパレードに参加した高齢のゲイ 沿道を見てつぶやいたこと(TBS)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1130259

「94歳のゲイ」長谷忠さんが初めての東京で舞台挨拶「みんな長生きするんやで」 「薔薇族」伊藤文学編集長とも対面
https://eiga.com/news/20240420/12/

ジョブレインボー
レインボーグッズ