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GID学会が改名へ、国際的に「性同一性障害」が使われなくなったため
性同一性障害(Gender Identity Disorder)を診断する専門の医療関係者を中心とした「GID学会」が、名称を「日本GI(性別不合)学会」に変更することが明らかになりました。沖縄県で開かれる学会総会で17日、正式に発表されます。すでにWHOなどの国際的な診断基準では「性同一性障害」という言葉が廃止されており、代わりに「性別違和」や「性別不合」という病気や障害を意味しない言葉が採用されるようになったことを受けたものです。
1980年代、トランスジェンダーがホルモン治療や性別適合手術を受ける(性別移行を行なう)際の診断名として「性同一性障害」という言葉(概念)が国際的な医療の診断基準に採用されましたが、トランスジェンダーが“精神障害”であるかのように見なされ、スティグマや差別、当事者の生きづらさにつながっていると問題視されるようになりました。
2013年にアメリカ精神医学会が発行した「精神障害の診断および統計マニュアル」第5版(DSM‐5)では、精神疾患としての「性同一性障害」が削除され、代わりに「Gender Dysphoria(性別違和)」と記載されるようになりました。2021年発効の世界保健機関(WHO)の「国際疾病分類」11版(ICD-11)でも「性同一性障害」が削除され、代わりに「Gender Incongruence(性別不合)」が性の健康に関する分野に加えられました(詳細はこちら)
GID学会の理事長を務めている岡山大大学院の中塚幹也教授は、自身も当事者にたくさん接し、寄り添ってきた方であり、トランスジェンダーの困り事や生きづらさの解消のために発言を続けてきたり(たとえばこちら)、トランスジェンダー国会(院内集会)にも登壇したり、岡山レインボーフェスタにも来てくださったり、LGBTQコミュニティに貢献してくださっている方です。
中塚教授は今回の名称変更について、「世界と同じように性別不合も理解が広まってほしい」と語っています。
参考記事:
性同一性障害学会、改名へ 国際的な診断名の変更受け(共同通信)
https://nordot.app/1140896922984301066?c=302675738515047521