NEWS

日テレの『世界を変えた20人のアーティスト』に美輪様が生出演し、LGBTQへの理解がなかった時代の闘いを語りました

 こちらのニュースでお伝えした日テレのキャンペーン『Colorful Weekend(カラフルウィークエンド)』の特番として24日土曜の夜、『世界を変えた20人のアーティスト ~曲に秘められたメッセージ~』が放送され、美輪明宏さんが生出演し、世間で同性愛が全く認められていなかった時代にゲイの友人が何人も自殺し、カムアウトして闘う決意をしたというエピソードを語りました。


 後藤真希さんがKANさんの「愛は勝つ」を歌うオープニングパフォーマンスに続き、番組はまず、MISIAさんをフィーチャー。クラブシーンで知り合ったDJやダンサーやドラァグクイーンをPVやツアーに起用した、R&Bの卓越したシンガーで、日本語のHOUSEリミックスも当時としては本当に新鮮で、といった話を、DJ EMMAさん、ドラァグクイーンのHOSSYさん、レイチェルさんが二丁目のクラブ「AiSOTOPE LOUNGE」で語り合うシーンに続いて、2019年に東京国際フォーラムで開催された「LIVE PRIDE 〜愛をつなぎ、社会を変える。〜」でMISIAさんがドラァグクイーンのみなさんと一緒に歌うシーンが放送されました。また、同じ「LIVE PRIDE」のステージでユーミンが、星屑スキャット、八方不美人、中村中さん、清貴さんらと一緒に1997年のゲイ応援ソング「告白」(日テレのドラマの主題歌でした)を歌うシーンも放送されました。お茶の間のみなさんに、MISIAさんやユーミンが90年代からゲイを応援してきたことや、このようなLGBTQ支援のライブイベントがあったということが広く伝わることとなりました。
 
 こちらこちらの記事でも取り上げられたように、最も注目を集め、今回の番組の白眉ともなったのは美輪明宏さんの生出演だったと言えます。相変わらずの神々しいお姿で登場した美輪さんは、世間で同性愛への理解が全くなかった時代に、初めて雑誌上でカムアウトしました(編集者は同性愛の公表に難色を示したそうで、記事は「相手は女性のときもあり、男性のときもあります」という表現に変えられたそうです)。その背景には、ゲイの友人が何人も自殺したということがありました。「私は人を殺したわけではない。物を盗んだわけではない。人間が人間を愛して、どこが悪いんだと。男が男を愛し、女が女を愛し、男が女を愛し、女が男を愛し…人間どうしが愛し合うことのどこが違うんだと。これは闘わないといけないと思ったんです」。時には街中で石を投げつけられることもあったそうですが、「三島(由紀夫)さんとか、川端(康成)さんとか、江戸川乱歩さんとか、天才たちが全部、私を後押ししてくれた」そうです。
 そんな美輪さんは、世間の風当たりにも負けず、歌い続け、1965年に労働者への讃歌「ヨイトマケの唄」を発表。歌詞に差別表現があるなどとしてテレビではほとんど放送されませんでしたが、今回、日テレに残されている「ヨイトマケの唄」を歌う唯一の映像がフルバージョンで放送されました。
 
 ほかにも、米国の白人と黒人の分離政策に反対して誰もが参加できるライブを行なったビートルズのことや、BTSが国連でスピーチして「ジェンダー・アイデンティティ」の多様性にも触れたこと、レディー・ガガの「Born This Way」を含むメドレー、チャップリンの『独裁者』の名演説シーンに合わせてダンスパフォーマンスを披露したs**t kingzなども素晴らしかったです。最後に、岡本知高さんと、障がいを持つ演奏家の方たち、多様な方たちのコーラスによって多様性の讃歌でありLGBTQのアンセムともなっている「This Is Me」が披露され、フィナーレとなりました。


ジョブレインボー
レインボーグッズ