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【同性パートナーシップ証明制度】福島県南相馬市、新潟県村上市、兵庫県洲本市、南あわじ市が導入へ

 こちらのニュースでお伝えしたように、「パートナーシップ宣誓制度」など、戸籍上同性のカップル(や事実婚)のカップルも婚姻相当であると自治体が承認し、証明書を発行する制度を導入した自治体の数が390を超え、日本の総人口に対する導入自治体の人口の割合も8割に達しました。
 その後も、全国から制度導入に関するニュースが届いています。今回は南からお伝えします。


 今月から「県パートナーシップ宣誓制度」を導入した和歌山県で、1組目の申請者となるカップルに14日、宣誓受領証(パートナーシップ証明書)が交付されました。(おめでとうございます!)
 この日、県庁を訪れ、岸本周平知事から受領証を手渡されたのはトランス男性で「LGBTQと愉快な仲間たち」の代表をつとめレインボーフェスタ和歌山も主催している安西美樹さんと、そのパートナーの高瀬和代さんです。お二人はつきあって17年のカップルです。
 安西さんは2020年、子宮筋腫で子宮の摘出手術をすることになった際、髙瀨さんが同意書の身元保証人となり、手術の説明などに同席してもらうことを望んだにもかかわらず認められなかったという経験があるそうです。制度開始初日の1日に髙瀨さんと共に申請し、この日、受領証を受け取りました。安西さんは「和歌山県もとうとうやってくれるようになって、当事者も生きやすくなる。普通の夫婦ができることに近い形で生活が送れるようになると思う」と語り、髙瀨さんも制度の開始を喜びつつ、「私たちがパートナーであり、こういう制度があるということの理解がどこまで広がるかが本当にこれからの課題だと思う」と語りました。お二人はパートナーシップ証明が病院での手続きをはじめ、災害で被災した場合などに役立つのではないかとして「利用したいと思う人は問い合わせだけでもして、未来が開けたらいいなと思う」と語りました。
 岸本知事は受領証を手渡したあと、「いろんな価値観をみんなで共有して、一人ひとりの方が憲法13条の幸福追求の権利に基づいて、幸せを求められる県にしたいので、その代表選手として幸せになってほしい」と祝福の言葉を贈りました。(こちらの記事でもお伝えしたように、岸本知事は「全ての個人に幸福追求の権利がある以上、同性婚も認められるべきだ」との考えを表明しています)
 なお14日現在、別の3組のカップルが県への宣誓を申請しているということです。

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 奈良県生駒市で1月28日、当事者が悩みや情報を共有する交流会が開かれ、同性パートナーシップ証明制度についても意見が交わされ、導入の広がりを求める声が上がりました。
 市が主催し、昨年初めて奈良でプライドパレードを開催したトランスジェンダーの定政輝(さだまさ・ひかる)さんが進行役を務めました。
 この日の交流会では、ゲームをしながら参加者が自己紹介し、困っていることなどを打ち明けました。同性パートナーと暮らす30代の男性は「近所の人にはカミングアウトしておらず、どう思われているか不安」と語り、20代の女性は「自分はカミングアウトしたくないのに『もしかして』と探られ、言わざるをえない空気になることがある」と語りました。同性パートナーシップ証明制度については、定政さん自身、制度を利用するようになったきっかけとして「パートナーが病気になった時、赤の他人として扱われることがショックだった」と語りました。
 生駒市では2021年度に「パートナーシップ宣誓制度」を導入し、これまでに4組が利用しているそうです。関西では大阪府、和歌山県で制度が導入され、兵庫県も導入予定ですが、奈良県では6市町での導入にとどまり、県としては予定がないことに触れて、定政さんは「引っ越しなどで制度を利用できなくなることもある。県での導入や市町村が連携していくことが必要」と訴えました。
 会場からは同性婚の実現を求める声も上がり、大阪市から来たレズビアンの30代女性は「同性婚が法律で認められれば、当事者の後ろ盾となり心強い」と語りました。

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 兵庫県洲本市、南あわじ市は、「パートナーシップ宣誓制度」を2024年度に導入する方針を決めました。両市ともパブリックコメント(意見公募)を実施して市民の意見を募りました。淡路島内では淡路市が1月に制度を開始していますので、2市の導入により島全域で制度が実現し、市営住宅への入居などの行政サービスを受けられるようになります。
 南あわじ市は2024年度中の導入に向け、内容を詰めるなど準備を進めています。
 洲本市は、昨年3月に策定した市の総合計画で、男女共同参画社会の形成に向け、多様な性の価値観の尊重などを明記し、LGBT理解増進法が成立したことや、制度の浸透の流れが加速している状況を受けて導入を決めました。早ければ4月導入を目指します。洲本市で「パートナーシップ宣誓」をしたカップルは、市営住宅への申込みだけでなく、住宅の取得費や引っ越し費用、車の購入費などを補助する「新生活スタートアップ支援事業」への申請なども可能になる予定です。同市市民課は「今回の意見公募で出た案を基に検討する。完成後も運用しながら改良していく。当事者に意見を寄せてほしい」と呼びかけています。

 兵庫県三木市は「市パートナーシップ制度」を4月から導入します。カップルの子どもや親との関係も「パートナーシップ届出受理証明書」に記入でき、証明書があれば市営住宅への入居申込みや、市立病院でのパートナーらの病状説明を聞いたり手術に同意したりなどのほか、公立保育園や認定こども園でパートナーの子どもの送迎もできるようになります。
 市は制度導入に向け、住民に理解を深めてもらおうと、昨年の『広報みき』12月号で制度や多様な性に関する特集記事を掲載し、市内の自治会単位で開く本年度学習会のテーマにも「多様な性」を推奨してきたそうです。
 制度導入後は公的サービスを民間にも拡大することが課題と考えており、市の担当者は「サービスの充実に向け、市医師会や近隣市の病院をはじめとする民間の事業者らにも協力を呼びかけていく」としています。

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 新潟県村上市が「パートナーシップ・ファミリーシップ制度」を3月1日から導入します。市営住宅への入居申込みや保育園の入園申込みを家族としてできるようになります。住民票には「縁故者」と表記することもできるようになります。
 高橋邦芳市長は2月14日の記者会見で「全ての皆さんがこの地域で自信を持って生きられるようにしたい」と語りました。
 新潟県での制度導入は5例目となります。 

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 神奈川県の大和、海老名、座間、綾瀬の4市長が14日、「パートナーシップ宣誓制度」の共同運用に向けた協定を大和市役所で締結しました。宣誓を行なったカップルが4市間で引っ越した場合、宣誓受領証(パートナーシップ証明書)を返却して再度手続きをする必要がなくなります。市民らの転居が本格化する前の3月1日にスタートします。神奈川県での共同運用(連携協定)は10例目になります。

 神奈川県では、県内33市町村のすべてで制度が導入されていますが、県としては制度がないため、市外に転居した際の手続きのやり直しが生じます。これまで多くの市町村が近隣の市町村と連携協定を結び、宣誓を行なった方たちが手続きのやり直しをしなくて済むよう便宜を図ってきましたが、たとえば横浜市から大和市に転居するような場合は、自治体間の連携協定がないため、横浜市で宣誓受領証を返却し、再度大和市で戸籍抄本を取り寄せたりして宣誓の手続きをすることが必要になります。今後、県としての制度導入と、既存の市町村での証明書が県内全域で有効になるような取組みが求められることになりそうです。
(全国一律で「パートナーシップ宣誓制度」を施行すればよいではないかと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、自治体がそれぞれにどのような制度が当事者の市民に対してよりよい制度なのかと一生懸命考えて設計したものをないがしろにすることになります。そもそも婚姻が認められていないことが問題で、男女と同等に婚姻できるようになれば、このような引っ越しにまつわる問題も生じません)
 
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 福島市では、市の審議会が「パートナーシップ・ファミリーシップ制度」を早期に導入すべきだと木幡浩市長に答申しました。
 これまで検討を重ねてきた市の審議会は、「多様な暮らしや在り方を尊重するため、早期に導入すべき」だとして、市男女共同参画推進条例の改正で「性の多様性の尊重」などの理念を定め、要綱によって弾力的に運用することが望ましいとする意見を取りまとめました。市は6月議会までに条例改正と要綱策定を目指すほか、この制度で受けられるようになる具体的な行政サービスを検討します。
 横田智史会長は「制度導入は多様性の理解推進、差別や偏見の解消などに大きな意義がある」「性的少数者に対する配慮の啓発や制度の運用が今後の課題になる」と語りました。木幡市長は「多様性を認め、誰もが安心して暮らせる社会にしたい」と述べました。

 同じ福島県の南相馬市では、5月13日からの導入をめざし、今月20日までパブリックコメントを実施中です。担当者は「人権の観点から宣誓できる環境を整えておく必要がある」と話しています。
 また、富岡町は、町民へのアンケートを実施し、将来的な導入に向けて検討しているそうです。

 一方、県は、「住民に身近な行政サービスを提供する市町村の意向を丁寧に聞く」として慎重な立場を崩していません。
 学識経験者や各種団体、県町村会の代表者ら20人から成る県男女共同参画審議会は8日、制度導入を求める意見を取りまとめ、県に申し入れました。会合では「全国で制度の導入が進む中、県の姿勢は正しいのか」「県が率先して制度を作り、市町村に働きかけてほしい」などの声が多く上がったといいます。県が8日の会合で示した直近の意識調査の結果では「性的少数者にとって生活しづらい社会だと思うか」との質問に対し「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた県民の割合は73%に上ったそうです。
 会長の藤野美都子福島医大特任教授は、取材に対し、「制度の導入に消極的な県の姿勢に絶望し、転出を決めた若者が実際にいる。県が希望を持てるメッセージを発しなければ、人口流出に拍車がかかってしまう」と懸念を示し「市町村の動きを待つのではなく、県自ら導入すべきだ」と強調しました。
 答申を受けた県男女共生課は「審議会の意見として受け止める。県は引き続き、理解促進を着実に進めることが重要と考える」とし、賛否を明言しませんでした。

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 北海道室蘭市は、4月1日から始める「パートナーシップ宣誓制度」について、室蘭市が発行するパートナーシップ証明書を転出先でも使えるよう、札幌市、苫小牧市、帯広市と協定を結ぶ考えを示しました。札幌市は14日現在、帯広や苫小牧、北見など10市7町と連携を結んでいるそうです。
 市は制度の手引書などを13日の検討委員会で示し、了承されました。一方、市が昨年2月に実施した市民向けアンケートでは、回答者417人の中でLGBTQなどについて「よく知らない」「全く知らない」という人が44%に上ったといい、市は今後、市の広報誌でLGBTQについての特集記事を掲載するなどして理解促進や制度の周知に力を入れるそうです。

 同じ北海道の釧路市では、釧路市男女平等参画審議会(加賀谷淑子会長)が15日に開かれ、4月からの導入を検討している「パートナーシップ宣誓制度」の要綱案を承認しました。

 
  

参考記事:
和歌山県「パートナーシップ制度」申請したカップルに受領証(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/wakayama/20240214/2040016785.html
パートナーシップ宣誓制度 第1号カップルに受領証 性的少数者のカップルが法的効力はないものの婚姻関係にある夫婦と同等の行政サービスを受けられる 和歌山県(テレビ和歌山)
https://www.tv-wakayama.co.jp/news/detail.php?id=78072
女性同士のカップル「パートナシップ宣誓」第1号 和歌山(産経新聞)
https://www.sankei.com/article/20240219-KYQCNHEHDFOJBNR4BLYC2WHFAA/
県パートナーシップ制度 第1号申請受領(わかやま新報)
https://www.wakayamashimpo.co.jp/2024/02/20240216_122617.html

パートナーシップ制度、導入広げて 性的少数者が悩み・情報共有(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20240208/k00/00m/040/226000c

性的少数者らのカップル公認「パートナーシップ宣誓」 洲本、南あわじ市も導入 24年度方針 市営住宅入居など可能に(神戸新聞)
https://www.kobe-np.co.jp/news/awaji/202402/0017315274.shtml

三木市のパートナーシップ制度、4月開始 県内18市町目 事実婚を選ぶ異性カップルも対象に(神戸新聞)
https://www.kobe-np.co.jp/news/miki/202402/0017337576.shtml

新潟村上市が「パートナーシップ制度」を3月1日から導入、新潟県内市町村で5例目 ファミリーシップ制度も実施(新潟日報)
https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/359851

パートナーシップ宣誓制度で連携 神奈川4市、転出入手続き簡素化(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20240215/k00/00m/040/295000c
大和、海老名、座間、綾瀬の4市でパートナーシップ制度 3月から共同運用協定(神奈川新聞)
https://www.kanaloco.jp/news/government/article-1056788.html

パートナーシップ制度「早期に導入すべき」 福島市の審議会が答申 同性の事実婚も対象に(福島テレビ)
https://www.fukushima-tv.co.jp/localnews/2024/02/2024020800000011.html
パートナーシップとファミリーシップの導入を答申 福島市の審議会(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASS287485S28UGTB00D.html
県にパートナーシップ制度導入求める 審議会「市町村の先導を」(福島民友新聞)
https://www.minyu-net.com/news/news/FM20240209-837138.php

室蘭市のパートナー制、他市と連携 札幌などと協定へ 広報誌で周知に力(北海道新聞)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/975352/

パートナーシップ制度 来月中旬予約開始【釧路市】(釧路新聞)
https://kushironews.jp/2024/02/16/488738/

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