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トランスジェンダーのIVANさんが、子どもが性的マイノリティかもしれないとの母親からの相談に素敵回答
IVANさんが『STORY』誌読者のリアルなお悩みに答えるコーナー「悩みに愛のBANG!」で、子どもが性的マイノリティかもしれないという相談が寄せられましたが、当事者であるIVANさんがそれに対して答えた内容が素敵でしたので、ご紹介します。
お悩みは、小学2年生の子どものお母さんからでした。
「息子が女の子っぽいなと感じることは今までもあったのですが、最近好きな相手が同性なのかも?と思い始めました。もしかしたらセクシャルマイノリティかもしれません。頭では受け入れているものの、何か注意したほうがいいこととかありますか?」
これに対してIVANさんは、「「かもしれない」とのことですが、その違和感は間違っていないと思う。私の場合は、保育園のプールで「海パンじゃなくて、キティちゃんの水着がいい!」と言ったとき、初めてママは(ん?)と思ったそう」と語りはじめ、お母さんが“男の子はこうしなきゃいけない”みたいな固定概念を取り払うためのメンタルクリニックを探して通ったこと、「最近子どもに対して“男なんだから!”と言いそうになる」と先生に相談したところ、先生が「社会的に男と女は分かれていることは教えてあげて。今後制服を着るときに性差は突き付けられるし、社会的常識を理解していると本人が楽になる。ただ本人の個性や好きなものは自由にしてあげて、尊重すること」とアドバイスをしたことを紹介。「だから私自身、社会への反発なく、中学の制服もすんなり受け入れられたの。ママが丁寧にトゲなく育ててくれたおかげだと思ってる」
さらに、「あれ?うちの子ゲイかな?と思っても、「好きな人いるの?」とか、直接的な言葉は私なら使ってほしくないな。あと、小さいとき同性が好きだったとしても、変わることもあるから、親が先回りする必要も必ずしもないと思うの。余計なお世話はせず、放っておくのがいい。私は、男の子としての生き方も自然なルールと思っていたけれど、メンズモデルになって男らしさを全面に出さなきゃならない環境に精神的に参ってしまって…」とも。
その後、「女の子になるために体を変えようと思う!」とお母さんに話したところ、「なんだー! 決めるの遅かったねー。娘ができるの楽しみにしてるよ」と言ってもらえて、大号泣したそうです。お母さんはいつカミングアウトされてもいいように、その言葉をずっと準備していたんだそう(涙)。「ポジティブな方向に考えられるようにするには、それが自然だと思うメンタルを作るしかないのよね。育てるって、その子と向き合うことなんだと思うんだけれど、その前にまず自分と向き合わないと。言うこともブレちゃうかもしれないもの」
IVANさんがTVに出はじめた頃は(2007年?)、まだゲイやトランスジェンダーが“イロモノ”として扱われていたといい、でも、「私の女の子としての生き方を支持してくれる子たちに、いいロールモデルとしてありたいと思ってからは、仕事は選ぶようになった」そうです。
「この何年かで日本のセクシャルマイノリティへの偏見はだいぶマシになってきたかもしれないけれど、でもまだ、“流行り感”は拭えないと思う。特別ではなくもっと普通になればいいよね。きれいなトランスジェンダーとして、私はいろんなことを開拓していければいいなと思うの…。もしあなたのお子さんがその道に進む可能性があるのなら、1人の女性として輝ける場所をその子たちのために作っていきたいな」というコメントで結ばれていました。
IVANさんは2014年の「LGBT成人式」にトークショーゲストで出演したり、2016年に三重県で講演を行なったり、「OUT IN JAPAN」にも出演するなどしてLGBTQコミュニティに貢献しています。
参考記事:
「息子が同性愛者かも。心がけるべきことは?」トランスジェンダーのIVANが語る親のあるべき姿(STORY)
https://storyweb.jp/lifestyle/364272/