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台湾総統選で蔡英文氏の後継者である頼清徳氏が勝利、台湾初のLGBTQ国会議員も誕生

 台湾で13日、蔡英文総統の後継を決める総統選挙の投開票が行なわれ、与党・民主進歩党(民進党)の副総統・頼清徳氏が勝利しました。
 また、今回は立法委員選挙も同時に行なわれており、7名の性的マイノリティの候補が立っていましたが、現職の高雄市議でオープンリー・レズビアンの黄捷さんの当確となり、台湾初のカムアウトした性的マイノリティの国会議員が誕生しました。


 頼清徳氏は1998年に立法委員(国会議員)に初当選し、2008年まで務めていました。2010年には台南市長になり、2016年、同性パートナーシップ証明制度を導入した際、市長として「すでに世界の40以上の国や地域で同性婚が認められ、法的な保障を受けることも可能だ。台湾の同性婚に関する法整備は遅れている」と述べ、台湾でも同性婚が認められるよう国にも法的整備を求めていく意向を示していました。
 2017年には行政院長(首相)に就任し、2020年、蔡英文総統が再選されると、副総統に就任しました。そして退任する蔡英文総統に代わって今回の総統選の民進党候補となり、見事に40%の支持を得て総統に選ばれました。蔡英文氏は「台湾は民主主義を維持するのだという揺るぎない決意を世界に示す選挙結果だ」と歓迎しました。アジア初の同性婚の実現に貢献した蔡英文総統の後継者として、民主主義を重んじる民進党の代表として、LGBTQ支援のスタンスは揺るがず踏襲していくものと思われます。
 
 
 それから、今回の立法委員選挙では(カムアウトした)LGBTQの候補者が7名ほど出馬しており、台湾初のLGBTQ国会議員の誕生が期待されていました。
 社会民主党に所属する台北市議の苗博雅さんはレズビアンで、台湾で初めて性的マイノリティであることをカムアウトして当選した政治家として知られています。今回、民進党の支援を受けて立法委員選挙に挑戦しました。苗氏は選挙戦で子連れの同性カップルから激励を受けるたび、自身の取組みが社会に役立っていることを感じ、「誰もが公平な条件のもとで自分の幸せを追求できる社会を作りたい」と語っていました。昨年台湾人男性と婚姻届を出した高浜市議の柴口征寛さんは苗さんが多くの若者から激励されている姿を目にしたそうです。
 同様に高雄市議で民進党の公認を受けて出馬した黄捷さんもレズビアンの方です。2019年、地元メディアに報道されたのがきっかけでカムアウトしましたが、当初はSNSに届く差別的な投稿に傷つき、落ち込んだそうですが、次第に自らの経験を語ることで同じ境遇の人々を励ましたいと考えるようになったといいます。昨年4月には東京で日本のLGBT自治体議員連盟のメンバーたちと社会が多様性を包摂していく方法を話し合ったそうです。
 日本語記事ではこれくらいしか情報を見つけられなかったのですが(他の5名の当事者候補についてはよくわからず…)、『台湾同性婚法の誕生: アジアLGBTQ+燈台への歴程』の著者である鈴木賢明治大教授のX投稿によると、黃捷さんがめでたく当選し、台湾初の同性愛者であることをカムアウトした(LGBTQとして初の)国会議員が誕生しました。
 
 
参考記事:
台湾初? LGBTQを公言する立法委員が誕生か 与党の支援受け13日に選挙(テレ朝)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000332332.html
傷ついても、社会を前に進めたい 台湾選挙、性的少数者の候補者たち(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASS1B7QC4RDTUHBI01Y.html
「正しい候補選んだ」 頼氏支持者、喜び爆発(共同通信)
https://www.47news.jp/10387496.html
台湾総統選、与党・民進党が勝利 中国は「主流民意を代表できない」と反発(BBC)
https://www.bbc.com/japanese/67967010

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