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エストニアが婚姻平等を承認、旧ソ連圏で初

 エストニア国会で20日、同性婚を法制化する家族法修正案が採択され、エストニアはバルト三国で初、旧ソ連圏でも初の同性婚承認国となりました。法律は2024年1月に施行され、エストニアは世界で35ヵ国目の同性婚承認国となる見込みです。
 
 修正家族法では、二人の成人は「ジェンダーにかかわらず」結婚できるようになります。また、同性カップルが養子をとることも認められます。エストニアでは、シングルのLGBTQも養子縁組を申請できるにも関わらず、同性カップルには養子縁組が認められていませんでした。なお、同性婚法施行後もシビルユニオンは維持され、結婚を望まないカップルが利用できるようにするそうです。
 
 KWPによると、バルト三国を含む旧ソ連構成国におけるLGBTQ+の権利拡充は西欧に比べると遅れています。
 それでも、エストニアは2016年には登録パートナーシップ法(シビルユニオン)を施行し、同性カップルの権利保障を実現していました。ただし、結婚は異性間者だけに限られていました。
 中道右派のカヤ・カッラス首相は、2023年に総選挙で勝利した後、リベラル政党と社会民主党と連立を組み、保守的な野党(、市民団体、ローマカトリック教会などから”伝統的な家族の価値観”を守るよう圧力を受けながらも婚姻平等(同性婚)を推進、20日の投票で賛成55-反対34で可決されました。地元メディアはこの法案をカラス政権の信任投票と呼んでいたそうです。ロシア系住民の支持者が多い中道党、民族主義右派の政党は法案に反対あるいは棄権しました。
 カッラス首相は「すべての人が愛し、生涯を共にしたい人と結婚する権利を持つべきなのです」と語りました。「この決断によって、私たちはついに、他の北欧の国々や、他の婚姻平等を承認しているすべての民主主義国と同様に歩みを進めることになりました」「同性婚は、誰からも何も奪わないばかりか、多くの人々に重要な何かを与えます。私たちの社会が、互いを尊重しあい、支えあう社会であるということを示すものです。エストニアを誇りに思います」


 地方自治体によると、エストニアのゲイはカミングアウトが難しく、その半数は今でも暴行や虐待の被害に遭っているそうです。、エストニアのゲイはカミングアウトが難しく、その半数は今でも暴行や虐待の被害に遭っているそうです。
 一方、エストニア人権センターの2023年の調査では、同性婚への賛成は53%に上りました。これは2012年に調査が始まって以来の高い数字です(2012年当時は60%が同性婚に反対していました)。ただし、全人口の約4分の1にあたるロシア系など非エストニア系住民の間では、同性婚賛成は40%と、低いままだそうです。
「私は、LGBTQコミュニティへの理解が辛抱強く進んできたことを純粋にうれしく思います」と、Signe Riisalo社会保護相は語りました。「婚姻平等に反対する人たちも、同性婚が認められたからといって何も失うものがなく、むしろみんなが得るものがあると、いつか気づいてくれることを望みます。みんなが労わりあうエストニアの未来へと歩みを進める採択がなされたことをうれしく思います」

 「同性婚に関する世論が肯定的になり、今年の総選挙で政府が保守層からの反対に対処するのに十分な数の票を持ったことから、同性婚実現の良い機会になりました」と、国際防衛安全保障センターの研究責任者トーマス・ジャーマラビシウスは述べました。
 
 
 なお、バルト三国の残りのラトビアとリトアニアは、同性婚法の草案を国会で保留にしているそうです。
 ラトビア国会は先月、オープンリー・ゲイのエドガルス・リンケービッチ外相を次期大統領に選出しました。来月就任予定です。

 
参考記事:
Estonia becomes first ex-Soviet state to legalize same-sex marriage(CNN)
https://edition.cnn.com/2023/06/20/europe/estonia-same-sex-marriage-legal-intl/index.html
エストニア 同性婚法制化(しんぶん赤旗)
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik23/2023-06-22/2023062207_01_0.html
エストニアで同性婚認める法案成立、バルト三国初(KWP)
https://kagonma-info.com/c0019/estonia_same_sex_marriage_starting_20230621/
エストニアが中央ヨーロッパで初めて結婚を認めた国(VOI)
https://voi.id/ja/news/288565

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