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東京特別区職員の同性パートナーを配偶者と同等とみなす通知が発出され、うち20区が秋までに条例を改正して待遇の平等化を実現するそうです
東京23区の給与制度などを調整する「特別区人事・厚生事務組合」が、職員の扶養手当などについて同性パートナーも配偶者と同等とみなして支給するよう、各区に通知したことが明らかになりました。東京都の職員の待遇の平等化が進んだことから、23区でも同様の動きとなったようです。
事務組合によると、扶養手当や住居手当、在職死亡時の退職手当などの支給は従来、法律婚や事実婚を対象にしてきましたが、これに「パートナーシップ関係の相手方」を加えるよう通知しました。対象者の確認方法や改正時期は各区に委ねました。自治体の同性パートナーシップ証明制度の利用者が想定され、他の方法で関係が確認できた人も対象にする区もあるそうです。
通知の背景には、都が昨年11月の「パートナーシップ宣誓制度」導入に合わせ、職員手当や介護休暇などの対象を同性パートナーにも広げたことがあります。事務組合の担当者は「都の動きや各区からの要望をふまえ、検討した」と話しています。
東京新聞の調査によると、通知を受けて、中央区、港区、新宿区、台東区、品川区、世田谷区、渋谷区、中野区、杉並区、豊島区、北区、板橋区、練馬区、足立区、葛飾区、江戸川区の計16区が5月以降7月までに区議会定例会に関連の条例改正案を提出予定で(渋谷区議会では6月20日に関連の条例改正案が可決され、新宿区と杉並区でも条例改正済みです)、文京区など4区は9月頃に区議会提出予定、千代田区など3区は「検討中」だそうです。
14日に開会した区議会で条例改正を目指す世田谷区は、LGBTQへの差別を禁止する条例があり、区独自に休暇制度で同性パートナーの介護や出産時の休暇を認めています。区職員厚生課の担当者は、パートナーシップ関係が「事実上の婚姻関係に準ずるとする社会通念が形成されている」とし、事務組合の通知を「こうした社会通念が広がり、理解が深まっているのでは」と見ています。
世田谷区議会で問題提起してきた上川あや区議は「職員の処遇を平等に扱うのであれば、区民に対しても平等を保障するのは当然で、各区で行政サービスの再点検が求められる。国も変化を迫られるだろう」と述べました。
参考記事:
扶養手当、同性パートナーにも=都内自治体で条例改正の動き(時事通信)
https://medical.jiji.com/news/57077
職員の同性パートナーを「配偶者」扱いに、東京で16の区が条例改正へ 法制化見通せない中で不利益解消目指す(東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/257861