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世田谷区が、災害発生時の水防活動や応急措置で亡くなった方の遺族への死亡補償一時金支給する制度を同性パートナーにも拡大

 「結婚の自由をすべての人に」訴訟名古屋地裁判決の喜びに続き、東京都世田谷区が素晴らしい施策を実現してくれました。
 5月31日、災害発生時などに水防活動や応急措置にあたり死亡した住民の遺族に支給される「死亡補償一時金」を遺族の同性パートナーも対象にする新制度を7月から開始することを発表、7月1日から施行されます。現行制度では同性カップルは支給の対象外で、差別解消を図るのが狙いです。
 会見で保坂展人区長は「当事者は多くはないかもしれないが、(同性パートナーが一時金を受け取る)制度が無いのはおかしい。今後も(同性カップルについて)対応を図られていない制度があれば順次対応していきたい」と語りました。
 
 
 区危機管理部によると、制度の対象となるのは、いずれも区の要請を受け、洪水などの水害が発生した際に、河川の増水対策で土のうを積むなどの水防活動に従事した住民、災害発生時に現場の応急措置にあたった住民です。活動中に災害に巻き込まれて死亡した場合、一時金として、収入に応じて遺族の同性パートナーに890万~1420万円の一時金を支給するものです。
 水防法や災害対策基本法を根拠にした現行制度は、事実婚を含めた配偶者、子などに対象が限られ、同性パートナーは対象外とされています。区議会では以前から、上川あや区議が「同性パートナーの除外は不合理で差別的」と声を上げており、同性カップルも男女の夫婦と同等に支給の対象にすることにしました。 
 世田谷区はこれまでに、日本初の要綱によるパートナーシップ宣誓制度を創設し、区職員の互助会が同性婚カップルに祝い金を支給同性カップルが区営住宅に入居できるよう条例改正LGBTと外国人への差別を禁じる条例の制定パートナーが同性である職員に適用する休暇制度を完全に異性婚と平等に同性カップルも事実上の婚姻関係に相当するとの社会通念が形成されていると表明地域防災計画や避難所運営マニュアルなどに性的少数者への配慮の必要性を明記区報にパートナーシップ宣誓5周年の記事を掲載同性パートナーにも異性婚と同額のコロナ傷病手当金を独自支給学校医や水防従事者などの同性パートナーに遺族補償、そして同性パートナーにも災害弔慰金を支給、といった施策を実現してきました。 

 数々の施策の実現に貢献してきた上川あや区議は、「同性婚が認められない現状では、独自制度で実質的平等が担保されるよう働きかけていきたい」と語っています。
 

 

参考記事:
災害時「遺族補償」 同性カップルも支給へ 世田谷区(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20230601/ddl/k13/010/015000c
同性カップルの権利保障へ 世田谷区長「さらに足元の点検進める」(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASR506J6FR50OXIE01N.html
同性パートナーにも「遺族補償」 東京都世田谷区が新たな独自制度(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASR5003WYR5ZOXIE038.html
同性パートナーに世田谷区が独自の遺族補償  災害現場で協力中の事故想定 「制度ないのはおかしい」と保坂区長(東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/253636

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