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5月17日は「多様な性にYESの日」、内外で様々なアクションがありました

 5月17日は国際反ホモフォビア・トランスフォビア・バイフォビアの日(International Day Against Homophobia, Transphobia and Biphobia=IDAHOBIT)ということで、世界各地で多様な性にYES!と呼びかける催しが行なわれました。

 海外からのニュースとしては、フランスのサッカー「リーグアン」で選手たちがLGBTQを支援するユニフォームを着てプレーしたということがありました(スゴいですね)。また、バイデン米大統領がLGBTQコミュニティに向けて「全ての人間は誰を愛していようと、どのように(性を)自認していようと、尊厳と平等をもって扱われる権利がある」とのメッセージを声明で発しました。
 
 同性婚や同性パートナー法を認めているような海外の国々では、IDAHOBITがプライド月間と並ぶLGBTQの重要なモーメントとして認知されており、多くの在外公館がIDAHOBITに関するメッセージを投稿したり、大使館にレインボーフラッグを掲げたりしています。



 国内では、17日当日に限らずですが、和歌山や神戸、名古屋、横須賀で街頭アクションが行なわれたほか、盛岡でパネル展やレインボーライトアップが、江戸川区でもレインボーライトアップが実施されました。
 
 和歌山市では14日、「わかやま愛ダホ!2023」が開催されました。JR和歌山駅西口地下わかちか広場で当事者がスピーチを行なったり、道行く人にチラシを配ったりするアクションを通じて、多様な性を認め合うことの必要性を訴えました。県内でLGBTQ支援に取り組むNPO法人「チーム紀伊水道」が主催し、参加者は「だれをすきになってもOK!」「本当の気持ちを伝えられる社会に」などと書かれたボードを掲げ、約1時間半、全国の当事者から寄せられたメッセージを読み上げたり、チラシを配ったりしました。ゲイであることを公表している津村雅稔副理事長は「他人の目が怖いという当事者は多い。もっと社会の理解が深まり、誰もが生きやすい世の中になってもらいたい」と語っていました。

 神戸市では5月4日に神戸IDAHO2023が開催されました。神戸IDAHOのスタッフや、れいんぼー神戸のスタッフなどが参加し、交代でメッセージを読み上げたり、チラシを配ったりしました。レインボーフラッグにメッセージを書いてもらう試みも行なわれました。ドイツから日本を旅行中の方がレインボーフラッグを見つけて立ち寄ってくださったり、マイクパフォーマンス中にレインボーのリストバンドを掲げてくださった方もいたそうです(詳細は公式サイトをご覧ください)

 名古屋市ではレインボーなごやが5月13日(土)に「IDAHOアクション名古屋」を開催しました。17時〜18時頃に栄の三越ライオン前で街頭アクションが行なわれ、18時には三越ライオン前からミニパレードも行なわれました。19時からは交流会が行なわれたそうです。

 神奈川県横須賀市でも、多様な性にYESの日横須賀実行委員会(アイダホ横須賀)が主催し、横須賀中央駅東口改札Yデッキ周辺で多様な性にYESの日の街頭アクションが開催され、メッセージの読み上げとリーフレット配布が行なわれました(その模様のツイキャスも配信されています)。今年も上地市長からメッセージをいただけたそうです。また、市内の名所であるヴェルニー公園内「よこすか近代遺産ミュージアムティボディエ邸」がレインボーカラーにライトアップされました。よこすか近代遺産ミュージアムティボディエ邸では19日(金)まで啓発パネルの展示も行なわれています。
 
 盛岡市では、岩手県男女共同参画センターが主催し、アイーナ(いわて県民情報交流センター)がレインボーカラーにライトアップされたほか、6Fラウンジでいわてレインボーマーチとのコラボによる企画展示が行なわれました。ライトアップは5月24日(水)まで毎日、18:00-21:30に行なわれます。


 東京都江戸川区では、タワーホール船堀がレインボーカラーにライトアップされました。200名以上がタワーを見守り、点灯した際は大きな拍手に包まれたそうです(Twitter投稿より)

 それから、2007年より全国各地でのIDAHOのアクションを呼びかけ、情報を発信してきた「やっぱ愛ダホ!idaho-net.」が、地方でのアクションを活性化する役割を果たせたとして今年5月に活動をクローズしました。これまでの長きにわたる活動に敬意を表します。ありがとうございました。

 
 なお、NHK放送文化研究所(文研)は「中高生もYES! 5月17日は何の日?~第6回「中学生・高校生の生活と意識調査」から~」と題した記事で、昨夏、文研が全国の中高生を対象に実施した世論調査の結果から、LGBTQに関するデータをレポートしていました。
 仲のよい友だちから「『からだの性』と『こころの性』が一致しない」と打ち明けられたとしたら『理解できる(とても+まあ)』と答えた方が中学生で69%、高校生で80%にも上ったほか、保護者に「学校の授業でLGBTQについて教えることに賛成か」と尋ねる質問で、「賛成(どちらかといえばを含む)」が父親で83%、母親で92%と圧倒的多数を占めていることがわかりました。渦中のLGBT理解増進法与党修正案では、「学校でLGBT教育するのか」という保守派の声を受けて学校が性の多様性に関する教育環境の整備や相談機会の確保などに努めるよう求める規定が削除されてしまいましたが、世の親御さんたちの多くはむしろ学校で教えてほしいと思っているということをぜひ知っていただきたいですね。
 
 2006年に尾辻かな子氏、TOKYO Pride (東京プライドパレードの運営団体)、第10回レインボーマーチ札幌実行委員会、ゲイジャパンニュースが共同で立ち上げ、翌年から「やっぱ愛ダホ!idaho-net.」に引き継がれて当事者運動として地道に行なわれてきたIDAHOBITですが、今や、自治体がコミュニティと連携してイベントやレインボーライトアップを行なったり、NHKなどもフィーチャーしたりという、世間的な広がりを見せるようになりました。たいへん感慨深いです。 



参考記事:
LGBT支援ユニを拒否したサッカー選手に制裁を加えろ!仏スポーツ大臣の発言に選手組合は反発(Qoly)
https://qoly.jp/2023/05/16/nqxxhtxj-iks-1
多様な性にYESを! 当事者ら、街頭で理解求め活動 わかやま愛ダホ!2023(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20230517/ddl/k30/040/206000c
中高生もYES! 5月17日は何の日?~第6回「中学生・高校生の生活と意識調査」から~(NHK)
https://www.nhk.or.jp/bunken-blog/500/483111.html

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