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P&Gジャパンとウエルシア、ドラッグストアでのLGBTQインクルーシブな接客についての冊子を発表
P&Gジャパンとウエルシアホールディングスが15日、LGBTQインクルーシブな接客の注意点をまとめたハンドブックを発表し、一般向けにも無償公開しました。ドラッグストア業界でこうしたハンドブックを作るのは初めてだそうです。
P&Gは、グローバルでは多様なマイノリティをフィーチャーしたインクルーシブなCM「Thank You, Mom」を展開したり、コロナ禍の2020年にオンラインのプライドイベントを主催したりしてきましたし、日本ではパンテーンの「この髪が私です。#PrideHair」の新聞全面広告が大きな話題を呼びました。
P&Gジャパンはウエルシアに声をかけて昨年夏からこのハンドブックの製作について検討を進めてきました。
当事者や有識者らの意見をもとに、買い物の際の困りごとをあぶり出したところ、当事者からは「見た目が男性で、生理用品を買いに行くのが憂鬱」「化粧品売場が女性用と男性用に区切られていて居心地が悪い」などの声が寄せられました。
ハンドブックでは、外見で相手のジェンダーを判断しない、来店客のジェンダー・セクシュアリティについて「他のスタッフに共有しない」(プライバシーを保護する)と伝える、デリケートな質問をする際は「全てのお客様におうかがいしている」と一言添えることなどを提案しています。
ハンドブックの内容を受け、東京・新宿の「ウエルシアO-GURAD新宿店」ではレイアウトを変更して男性用と女性用のスキンケア用品を同じ棚に並べたほか、調剤窓口に個別の相談ブースを設けたそうです。同社は来年2月までに全店舗への社内教育を進める予定です。
P&Gジャパン営業統括部の力武雅和さんは、「すべてのお客様が買いやすい売り場環境づくりが一番重要だと思っていますので、知るきっかけになっていただければ」と話しています。
ハンドブックはこちらのページからダウンロードしてご覧いただけます。
なお、宿泊施設等(ホテルのフロントやショップ、レストラン等)におけるLGBTQインクルーシブな接客については、弊社が2016年に発行した「LGBTツーリズムハンドブック」にまとめてあります。
上記のハンドブックと同様、恋人へのプレゼントを探していると思われるお客様に「彼氏/彼女」という言葉ではなく「パートナー」としたり「どのようなものがお好みですか?」などとお聞きするよう、アドバイスしています。
多様な業種、業界でこのようなハンドブックが製作されていくといいですね。
参考記事:
LGBTQ+の人たちも買い物しやすく…ドラッグストア接客で“性別限定”せず(日テレ)
https://news.ntv.co.jp/category/economy/f5a570481fc0447195d46d23b8d956dc
LGBTQ+フレンドリーな買い物ハンドブック完成(テレ朝)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000299371.html
性的少数者、買い物しやすく P&Gとウエルシア、ハンドブック作成(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/DA3S15636765.html
LGBTQ+に配慮を 接客ハンドブック完成(ABEMA TIMES)
https://times.abema.tv/articles/-/10079728