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【同性パートナーシップ証明制度】盛岡市の第1号は加藤市議、長野県が8月1日から、近江八幡市が7月1日から導入

 岩手県盛岡市で1日から「パートナーシップ宣誓制度」がスタートしました。戸籍上同性のカップルだけでなく、事実婚の異性カップルも対象で、「ファミリーシップ制度」も導入します。窓口となる市役所の男女共同参画推進室には初日からカップルが訪れ、手続きを行ないました。そのほか、問い合わせも4件あったそうです。
 盛岡市男女共同参画推進室の三浦志麻室長は「朝から問合せがあり、制度が待たれていたと実感しました。この制度をきっかけに、いろいろな生き方や家族のあり方、それぞれ大事な人がいることが当たり前に感じられるようになってほしいです」と話しました。

 初日に窓口を訪れ、手続きを行なったのは、盛岡市の加藤麻衣市議でした。加藤さんは「いわてレインボーマーチ」を創設したのち、市議会議員に立候補して見事に当選、制度の導入を市に強く働きかけてきました。加藤さんはパートナーの方と一緒に暮らしていますが、法律上の婚姻関係ではないため、これまでさまざまな障害を感じたり、トラブルを避けて言い出すのをあきらめたりする経験をしてきたそうです。「病気になったとき、付き添いをパートナーにお願いしたかったのですが、トラブルになるといやなので、母と私で病状を聞くということがありました。もし母がいない場合やパートナーにどうしても付き添ってもらいたい場合にはどうしたらいいか不安でした」とのことです。
 制度ができたことについて加藤さんは「これから生まれる子どもを含め、地方でも性的マイノリティが暮らしやすくなるきっかけになってほしい。同性愛者の私は20歳の時、幸せに暮らせるイメージを描けませんでした」「盛岡にも性的マイノリティの人がたくさん暮らしていることが明らかになって、周囲の人たちも自然な配慮をしていけるようになったらいいと思います」「紙切れ一枚と言われるかもしれませんが、重い一枚。制度はできて終わりではありません。社会がどう変わっていくかを引き続き注視していきたいです」と語りました。

 制度の利用を検討している20代の女性カップルのことも記事になっていました。川崎結愛さんと佐藤桜花さんはもともと地元の同級生で、就職を機に盛岡市で一緒に暮らし始めたそうです。高校生の時、同級生に「つきあってるらしいよ」と他校の生徒にまで言いふらされるアウティングを受けたといいます。心ない言葉をかけられたこともあるそうです。二人で部屋を借りようとした際、同性同士には貸せないという物件もあったそうです。川崎さんには持病があり、「私に何かあった時、彼女が医師からの説明を一緒に聞いてくれたら」と希望しています。盛岡市でも制度がつくられると知った時は、うれしかったそうです。宣誓は、お二人がつきあいはじめた記念日に行なうそうです。

 岩手県では一関市が昨年12月末に制度を導入し、市内在住の同性カップル1組が今年1月に宣誓したそうです。盛岡市は県内2例目となります。このほか、宮古市や紫波町、矢巾町などで今年度中の導入をめざして検討を進めているそうです。
 また、岩手県は4月1日、「岩手県におけるパートナーシップ制度の導入に関する指針」を施行し、県内の自治体での導入を後押しすることにしました。指針では「双方がともに成年に達していること」など制度対象者の要件の基準を示し、基準に拘束性はないものの、県内の自治体で要件を同じくすることで、転居した場合などに自治体間での相互利用を円滑にしたいという狙いがあるそうです。県としての制度導入ではなく、指針策定という形をとったことに県の担当者は「住民に身近な市町村で、性的マイノリティの理解促進を含めて制度の導入を議論していただくことが大事だと考えた」と話しています。

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 埼玉県は昨年、「性の多様性を尊重した社会づくり条例」を制定しましたが、これに基づき、さまざまな制度や手続きのうち婚姻関係にない事実婚のカップルが利用できるものについては同性カップルも使えるよう、全庁的に見直しを進めています。
 事実婚カップルを対象にした県の制度や手続きは計402件あります。ほとんどが県職員などが対象で、一般の県民にかかわるものは43件。そのうち、県立病院の治療に家族として同意できる権利や県営住宅の入居者資格など33件について同性カップルにも適用したことが明らかになりました。さらに軽費老人ホームの利用料の夫婦減額制度など2件を見直す方向で検討中だそうです。災害弔慰金の支給などは、国の方針が絡んでいるため「県独自では見直せない」とのことです。
 大野元裕知事は18日、記者会見で「差別や偏見を受けることなく、安心できる環境づくりを進めるために具体的措置を講じることが不可欠」と述べました。

 一方、大野知事は、県としての同性パートナーシップ証明制度の導入は「法的効果がない」「法律や憲法に課題があるため、自治体にとっての免罪符にしかならない」として、改めて否定しました。
 埼玉県では「レインボーさいたまの会」などの要望を受けて制度が広がっており、県の85.7%にあたる36市18町で制度導入が実現、全国最多となっています。
 同会の鈴木翔子共同代表は「制度に法的効力がないことは嫌というほど知っている」「もしもの時に関係性を証明する手段として、県の制度導入を期待しているのに」と憤っています。
 まだ制度がない自治体にお住まいで、1月に県へ制度の導入を求める約6400筆の署名を提出した竹乃娘(たけのこ)さんは、「(制度や手続きの見直しは)知事なりの方法なのだと思うが、条例が施行されたことすら知らない県民が多い。他県と足並みをそろえた制度があることで、より多くの人に当事者の存在を知らせることができる」と制度の意義を強調します。パートナーのトランス男性、汐恩(しおん)さんは、「(制度を)設けない方が正しい」「県として何の権限もない」という知事の言葉にショックを受け、具合を悪くしたそうです。「制度が利用できて心が楽になったと話す友人の存在を否定されたようだ」
 さいたま市の50代の女性カップルは、「私たちは『婚姻の権利を全ての人に』が最終目標なので、制度を同性婚を認めないことの免罪符にしてはいけないという意味では知事の考えは理解できる」としながらも、婚姻が認められないことで、パートナーとの法的権利が何も保障されないため、10万円近くかけて公正証書を作成したそうです。「こうしたやり方は我々だけで終わりにしたい。次の世代のためにも同性カップルが認められる制度は必要だ」
 
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 長野県は4月20日、「県パートナーシップ届出制度」の実施要項を制定しました。届出は7月10日から受け付け、8月1日から届出受領証などの交付を始めます。届出受領証(パートナーシップ証明書)があれば、県営住宅に入居の申込みができるほか、県立の医療機関でのパートナーの面会と緊急治療への同意、県税の納税証明書の代理申請、犯罪被害者らへ給付される遺族見舞金の申請などが認められます。パートナーの子どもの名前も記載できます。また、先行する松本、駒ケ根、長野市が交付した受領証でも、県の行政サービスが受けられます。
 長野県の阿部守一知事は、「日本の人口の約9%が性的マイノリティに該当するともいわれている。生きづらさを解決していくことが極めて重要」「多くの方に寄り添い、共感できる県にしていきたい」「長野県は小さな市町村が多く、各市町村には制度を作っても利用者がいるかわからないという悩みがある。県が制度をつくることで市町村の取組みを補完することも重要だ」と述べました。

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 滋賀県近江八幡市は、7月1日から「パートナーシップ宣誓制度」を始めます。宣誓受領証(パートナーシップ)があれば、市営住宅への入居の申込みや、市立総合医療センターへの入院時の書類の届出が代理申請、罹災証明の代理交付申請などの行政サービスが利用できるようになる予定です。今後、民間事業者にも協力を呼びかける予定です。
 小西理市長は4月27日の定例記者会見で「市民の多様性を大切にして、それぞれがありのままに生き、暮らせる社会の実現に貢献できれば」と述べました。
 滋賀県では彦根、米原に続いて3例目です。

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 兵庫県丹波篠山市では5月2日、「パートナーシップ宣誓制度」の1組目となる市内在住の40代と50代の男性のカップルに宣誓書受領証(パートナーシップ証明書)を渡しました。約20年生活を共にしてきたお二人は「導入が待ち遠しかった。認めてもらえてうれしく、誇りに思う」と喜びを語りました。
 


参考記事:
盛岡市のパートナーシップ制度開始 初日からカップルが手続き(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20230501/6040017544.html
盛岡市でパートナーシップ制度導入【岩手】(岩手朝日テレビ)
https://www.iat.co.jp/news-iat/news-1038437/
「2人が付き合い始めた記念日に」 同性カップルが決意した「宣誓」(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASR4W5DWVR4PULUC00B.html
盛岡市、パートナーシップ制度導入 当事者が暮らしやすい街に 旗振り役の市議 加藤麻衣さん(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20230502/ddl/k03/010/037000c
岩手・盛岡市がパートナーシップ制度 市議の加藤さん第1号「少数者が生きやすい世の中に」(河北新報)
https://kahoku.news/articles/20230501khn000028.html

同性カップルの権利擁護へ 治療同意など33件を埼玉県が適用 知事、パートナーシップ制度導入は否定(東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/246539

長野県知事「生きづらさ解決」 性的マイノリティーのカップル対象「パートナーシップ宣誓制度」8月施行(長野放送)
https://www.fnn.jp/articles/-/517864
長野県、パートナー制度8月開始 治療同意など可能に(日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC2193I0R20C23A4000000/
パートナーシップ届出制度 県が8月1日開始 婚姻相当の関係認める(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20230422/ddl/k20/040/123000c
性的少数者の生きづらさ解消へ 長野県がパートナーシップ制度の実施要項制定(中日新聞)
https://www.chunichi.co.jp/article/677530
「パートナーシップ届出制度」を8月1日から運用、長野県(信毎新聞)
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2023042101014

近江八幡市がパートナーシップ宣誓制度(びわこ放送)
https://news.yahoo.co.jp/articles/2ecdd49c73a8af750c4954dac52312599e290b15
滋賀・近江八幡市がパートナーシップ宣誓制度を導入へ 7月から(京都新聞)
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1015910
パートナーシップ宣誓制度を7月施行 近江八幡市(中日新聞)
https://www.chunichi.co.jp/article/680772

性的少数者カップル公認制度で初、2男性に受領証 丹波篠山市(神戸新聞)
https://www.kobe-np.co.jp/news/tanba/202305/0016308937.shtml

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