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【同性パートナーシップ証明制度】岩手県久慈市、陸前高田市、宮城県栗原市も導入へ、神戸市は12/25から
ドラマ「あまちゃん」のロケ地として知られる岩手県久慈市が「パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度」を来年4月から導入します。
同性カップルなど婚姻が認められていないカップルを婚姻相当であると公的に認めるだけでなく、カップルと同居する子どもとの親・子の関係性も証明し、家族に相当すると認めます。
市は来月、公式サイトなどで市民から意見を募集したうえで、来年4月1日から制度を開始する方針です。
久慈市地域づくり振興課は「性的マイノリティのカップルに生きづらさを感じずに生活してほしいと制度の導入を決めた。導入後も寄せられる要望に応えながら、制度をよりよいものにしたい」としています。
それから、同じ岩手県の陸前高田市も「市パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度(仮称)」を来年4月に導入する方針を固めました。
岩手県内では、盛岡市、一関市、宮古市、矢巾町ですでに「パートナーシップ宣誓制度」が導入されています。来年4月には久慈市と陸前高田市がこれに加わり、6市町となる見込みです(東北六県の中で最多です)
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宮城県栗原市が来年度中に「パートナーシップ制度」の導入を目指す方針を決めました。佐藤智市長が開会中の市議会12月定例会の一般質問で答えたものです。
宮城県内で導入の方針を示したのは、仙台市に続いて2例目です。宮城県は47都道府県で唯一、制度導入自治体のない空白県でしたが、今年9月に仙台市が導入の方針を明らかにし、現在準備を進めています。仙台市に続いて栗原市も導入を決めたことで、今後、これに続こうとする市町村も現れるのではないかと期待されます。
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神奈川県で、同性パートナーシップ証明制度が今年7月までに全33市町村で導入されたことを受け、タウンニュース社が市町村アンケートを実施し、制度を利用したカップルの総数が返還者を含め747組(9月30日時点)に上ったこと、半数近くの自治体が他市町村との制度の相互連携に課題があるとの認識を示していることなどがわかりました。
県内では2019年4月の小田原市、横須賀市を皮切りに、少しずつ制度の導入が進み、2023年7月までに全市町村で導入が達成されました。県は「別の形で支援、検討している」として導入していません。
市町村別の制度利用数のうち、最多は横浜市の372組で、次いで川崎市104組、藤沢市48組、横須賀市44組となっています。
「制度の適用範囲」(複数回答)については「公営住宅への入居」が33自治体、「要介護認定について家族による代理手続きと同様に申請を認める」が19自治体となっている一方、公営病院で家族と同等に「手術の同意」を認めているのは市立病院のある10自治体のうち6自治体でした。自治体によって対応にばらつきがあり、川崎市は「パートナーがキーパーソンだと認められれば対応する場合がある」と、厚木市は「状況に応じて対応」としています。小田原市は「制度利用の有無は問わない」(証明書がなくても家族と認める)としています。
「ファミリーシップ制度」については、横須賀市が24年1月1日から導入予定で、藤沢市が「検討」と回答したほかは「現状予定していない」との回答でした。
「制度の相互利用」は23の自治体で実施されています。例えば相模原市は横浜市、川崎市と連携しています。
「制度の課題」について、約半数の自治体が「制度の適用範囲の異なる市町村との連携」を挙げました。「宣誓により受けられるサービスの充実」「法整備やオンラインでの宣誓受付の導入」を課題とする声もありました。
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新潟市は2020年に「パートナーシップ宣誓制度」を導入していますが、来月から「ファミリーシップ制度」に拡充することになりました。中原市長が21日、発表しました。
新潟市ではこれまでに23組のカップルが宣誓を行なっています。市はさらに、パートナーシップ関係にある人の子や親といった親族を家族に相当する関係と認め、家族の名前が記載された宣誓受領証を交付する「ファミリーシップ制度」を導入することを決めました。「パートナーシップ宣誓」を行なったカップルと生計を同一にし、社会的に結びつきがある三親等以内の親族が対象で、別居していても認められます。
市は来年1月4日から受付を開始します。
中原市長は「性的少数者の方の生きづらさ軽減や性の多様性について、市民の理解が広がることを期待している」「ファミリーシップによって受けられる行政サービスの拡充を検討していきたい」と話しています。
新潟県内での「ファミリーシップ制度」の導入は三条市と長岡市に続いて3例目です。
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山梨県甲州市は2021年12月に「パートナーシップ宣誓制度」を導入していましたが、このたび第1号となるカップルに宣誓受領証(パートナーシップ証明書)が手渡されました。
11月30日、甲州市に住む戸籍上女性どうしのカップルが鈴木市長から受領証を受け取りました。お二人は夫婦と同じように市営住宅への入居などが可能になります。
受領証を受け取ったお二人は、「本当はパートナーシップ宣誓したいと思っている方もいるかもしれないけれど、もしかしたらできていないという方もいるかもしれないので勇気を与えられたと思います」「とてもうれしく感じたけれど、特別なことじゃなくなるといいなと思いました」と語りました。
甲州市は市の受領証で県の公的サービスも受けられるよう、県と連携協定を結ぶことを検討しています。
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静岡県は22日、県庁で男女共同参画推進本部の本部員会を開き、3月に導入した「パートナーシップ宣誓制度」について、11月末時点で56組が宣誓したことを報告しました。
同制度は、法律上婚姻できない県民の悩みや生きづらさを解消するための環境づくりを目的に導入され、性別、性的指向、性自認を問わず、事実婚の異性カップルも利用できます。宣誓者は、公営住宅への入居申込みや公立病院での家族同様の取扱いが認められます。静岡県は民間事業者などに対しても、宣誓者に対して家族同様の対応をするよう働きかけています。
静岡県男女共同参画課の担当者は「制度はあくまでも当事者の選択肢の一つだが、宣誓した人がよかったと思えるよう引き続き理解促進を図りたい」と話しました。
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12月下旬にも「パートナーシップ宣誓制度」を導入すると発表していた神戸市ですが(詳細はこちら)、今月25日から導入することが明らかになりました。
市によると、性的マイノリティのカップルのほか、事実婚のカップルも対象で、宣誓書を提出すると二人の関係を証明するカードが発行され、家族として市営住宅に入居したり、市立病院を受診した際に診断内容の説明を一緒に受けることなどが認められます。市は制度を始めるにあたって市立病院などに説明を行なっていて、準備が整ったところからホームページで公表するそうです。
市人権推進課は「制度の利用を通じて、生活の上での困りごとが少しでも解消されてほしい」としています。
2017年6月1日に「パートナーシップ宣誓制度」を導入した札幌市を皮切りに、全国に20近くある政令指定都市でも少しずつ制度の導入が進んできましたが、神戸市と仙台市ではなかなか導入されず…ようやく制度導入が実現しました(仙台市は来年度の導入に向けて準備中です)
今年は都道府県でも導入が進み、すでに19都府県が導入済みです。
10月1日時点で人口カバー率は75.9%に達していましたが、神戸市でも導入され、来年は仙台市や松山市、山形県などでも導入予定ですから、8割を超えてくるのではないでしょうか。
社会はこれだけ変わっています。同性婚の法制化も早く実現してほしいですね。
参考記事:
久慈市 「パートナーシップ宣誓制度」を来年4月導入へ(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20231219/6040020175.html
【パートナーシップ制度】宮城・栗原市「来年度中の導入」めざす 宮城県内で導入方針を示したのは仙台市に続く2例目(ミヤギテレビ)
https://news.ntv.co.jp/category/society/mm1acb6e5ccff4407b81b31ccbc774afa4
宮城・栗原市がパートナーシップ制度導入へ 2024年度から(河北新報)
https://kahoku.news/articles/20231215khn000082.html
パートナーシップ制度 県内で747組が利用(タウンニュース)
https://www.townnews.co.jp/0303/2023/12/21/711686.html
新潟市 家族に相当と認める制度「ファミリーシップ」導入へ(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20231221/1030027457.html
新潟市、ファミリーシップ導入へ 性的少数者カップルと親子など(新潟日報)
https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/331339
パートナーシップ宣誓制度 性的少数者のカップルに受領証 甲州市が初めて交付(テレビ山梨)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/uty/867090
導入9カ月で56組 静岡県のパートナーシップ宣誓(静岡新聞)
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1381124.html
神戸市 「パートナーシップ制度」を12月25日から導入(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20231220/2020024083.html