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トランス男性の細川藤貴さんが「ミスターオブザイヤー」でグランプリに輝きました
11月初め、内面が日本一かっこいい男性を決め大会「ミスターオブザイヤー」が都内で開催され、北信越代表としてトランス男性の細川藤貴さんが出演しました。
「ミスターオブザイヤー」は、30歳以上の男性を対象に、エスコートやスピーチなどの内容で、見た目だけではなく内面が日本一かっこいい男性を決めるコンテストです。この大会に北信越代表として出場したのが、石川県金沢市の細川藤貴さん(50)です。「自分自身を自分で証明できないくらい辛いことはなかったので」名前も髪型なども変えましたが、過去には親戚から「なぜそんなに髪を短くするのか」と言われ、お母さんに「なんで親が付けた名前を変えるんだ。親不孝者」と言われ、申し訳なく思いながらも、高齢で独り身の母に心配をかけたくないと思い、直接カミングアウトしないことを選んだといいます。
細川さんは金沢プライドパレードにも参加し、県知事とのタウンミーティングでも「石川県の企業や地域の方を巻き込んで、我々当事者が安心して暮らせる人生を送れたらいいなと。だから(県のLGBTQ+に関する)条例を、知事にぜひ頑張って成立させていただきたい」と訴えるなどしたそうです。
そんな細川さんの新たな挑戦が「ミスターオブザイヤー」への出場でした。タキシードをかっこよく着るために週1回のジム通いを1年続け、北信越大会では他の追随を許さず見事グランプリを獲得し、全国大会への出場を決めました。「この大会でトランスジェンダーが出場するのは初めて。周りの男性の方はわからないですけど、男性として出場できるだけでも嬉しい」
元々このジムの会員だった細川さんは、2022年にグランプリを獲得したジムのオーナー、浅尾仁さんから誘われて出場を決意したんだそう。「自分の知り合いを日本大会に行かせたいと思って、一番初めに出てきたのが細川藤貴ですね。これは完全に出さなきゃと思って。彼の覚悟は世の中がもっと知るべきだと」
トレーニングだけでなく、エスコートやウォーキングの特訓にも励みました。
そして11月4日、全国大会が幕を開け、細川さんは45歳以上60歳未満の部門に出場しました。最後の審査のスピーチで「私は元々、女性でした。ありのままに生きる。性別適合手術を受け、多くの人の支えで、この舞台に立っています。性別で悩む人に勇気と希望と愛を与える男に、僕はなります。やっとここまで来ました。ありがとうございました」と語り、ファイナリスト18人の中から見事、グランプリに選ばれたそうです。「これまでの生き方が間違ってなかったと。本当に自分は一体何なのか、自分にとって男って何なのか、自分にとってダンディって何なのか、考えた大会でした」と細川さんは喜びを噛みしめました。
世の中でトランスジェンダーへのヘイトが吹き荒れ、これまで真っ当だったと思われたメディアでさえ(KADOKAWAが米国のトランスヘイト本の翻訳出版をすることで非難を浴びています)差別に加担するところが現れるという暗澹たる状況のなか、このような晴れやかなニュースが届いたのは本当に喜ばしいですね。細川さん、おめでとうございます。
出典:
「やっとここまで来た」トランスジェンダー男性が“日本一かっこいい男”決めるミスターオブザイヤーでグランプリ獲得(石川テレビ)
https://www.fnn.jp/articles/-/621300