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三原市長、LGBT批判投稿の市議に対し「説明責任を果たすべき」
広島県三原市が「性の多様性と子育て」という演題の講演会を10月26日、公式フェイスブックの公式アカウントで告知した際、徳重政時市議(71)が「着々とLGBT?に向かっているかも。油断なりません」とのコメントを投稿していたことがわかり、問題視されていた件について11月6日、三原市の岡田市長は市議が自らが説明責任を果たすべきだとの考えを示しました。
広島県三原市は今月12日、「みんなの男女共同参画講演会」の企画として、産科医の河野美代子氏を呼んで「性の多様性と子育て」と題した講演会を催します。チラシでは「性的マイノリティの人への差別や偏見、学校や職場等で嫌がらせやいじめを受け、苦しんでいる人がいます。こうした偏見や差別をなくすためには、子どもから大人まで、みんなが多様な性のあり方について理解することが大切です。今年度は性に関する知識や子どもたちへの接し方について学ぶ講演会を開催します」と説明されています。
この講演会のお知らせを市が10月26日、公式FBにアップしたところ、徳重政時市議(無所属。所属会派は新風会)が岸田首相や岡田市長を揶揄しながら「着々とLGBT?に向かっているかも。油断なりません」とのコメントを投稿しました。徳重市議は外部の指摘で11月1日に投稿を削除しましたが、取材に対し、「(投稿は)自分の考えだ」と話しました。「(FBのメッセージアプリでほかの人と)個人的なやり取りをしているつもりが、操作を誤って投稿した。公開するつもりは全くなく、講演会を批判しているのではない」と釈明しながら、一方で、LGBT理解増進法の制定について「心が女性だという男性が女子トイレに入ることを心配する女性もいるだろう。様々な問題が広がることを懸念する」と話しています。
市人権推進課の担当者は「様々な意見があるので真意はわかりかねるが、公職にある人が誰もが見られる形で発信しており、『なぜ』という思いは強い」と話しました。市で対応を協議していると報じられました。
11月6日、三原市の岡田市長は記者会見で、「発言の趣旨につきましては、政治家である議員が市民の皆さんに誤解を与えることがないように説明責任を果たしていただくべきかなと考えております」「全ての市民の人権が尊重されて安心して暮らせる街づくりを進めるために今後も理解促進や啓発活動を積み上げていきたい」と述べました。
三原市は2022年1月から「パートナーシップ宣誓制度」を導入し、同年12月には、制度の周知や多様性の啓発のために市役所庁舎をレインボーカラーにライトアップしています。
参考記事:
「着々とLGBT? 油断ならぬ」市議が投稿、その後に削除(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASRC25VD0RC2PITB00W.html
三原市議が市のSNS投稿に批判的コメント、性的少数者に関する内容 市は対応協議(中国新聞)
https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/380027
三原市議「着々とLGBT、油断ならない」投稿問題 三原市・岡田市長「説明責任果たすべき」(テレビ新広島)
https://www.fnn.jp/articles/-/611486