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千葉県が多様性尊重条例の骨子案を公表、パブリックコメント実施中

 千葉県は9月1日、性別や障がいの有無、国籍、性的指向、性自認などの多様性が尊重され、誰もが活躍できる社会を目指し、県の責務や県民の役割を明らかにしつつ、県民の理解を深める措置を講じることを謳った新たな条例の「骨子案」を公表しました。10月2日までパブリックコメント(意見公募)が行なわれます。
 

 こちらのニュースでもお伝えしていたように、全国47都道府県および20の政令市の中で、男女共同参画に関する条例がないのは千葉県のみで、今年2月、熊谷知事は「多様性が尊重され、誰もが活躍できる社会の実現を図るため、すべての県民が理念を共有できる、千葉県らしい新たな条例の制定を検討したい」と述べていました。
 9月1日に公表された骨子案は「趣旨」や「基本理念」、「県の責務」など、7項目で構成されていて、基本理念には「人々が違いを尊重し、互いに関わり合い、影響を及ぼし合うことが、社会の活力や創造性の向上に効果を発揮する」との認識を掲げています。また、この理念に則り、県の責務として「県行政のあらゆる分野における施策を総合的に策定し実施する」こととしていて、県民に対しては、立場や特性に応じて多様性が尊重される社会の形成に寄与するよう努めることを求めています。
 
 一方で、今回の骨子案には、差別を禁止する条項は盛り込まれませんでした。
 県の担当者は、これまでに議会から「県民の行動を制限することは、社会の分断を招きかねない」という意見があったこと等を理由に挙げています。(こちらの記事によると、2月に知事が条例制定を表明した際、県議会で「国民の間で意見や価値観が十分にまとまっていない事柄には慎重な対応を」「禁止行為などを規定し、県民の行動に一律に制限を課すことは、かえって社会の分断を招きかねない」という意見が上がっていました)

 熊谷知事は、県議会の代表質問で多様性を尊重する意義について問われ、「年齢や性別、国籍、障害の有無、性的指向、性自認など、多様性を尊重することの重要性を人々が理解し互いに認め合い、連携、協力していくことは、相互作用や相乗効果を生み出し、社会経済の活力や創造性を高めていく」「多様性が尊重され、誰もが活躍できる社会の実現を図るため、すべての県民が理念を共有できる、千葉県らしい新たな条例の制定を検討したい」と述べました。
(なお、熊谷知事は就任時に「県政ビジョン」として11の項目を掲げており、その一つが「誰もがその人らしく生きる、分かりあえる共生社会を」という項目で、今回の多様性尊重条例の実現や、男女共同参画センター内にダイバーシティ・センターを併設してLGBTQなどの社会的マイノリティの支援を行なうことなどを謳っています)
 
 県はこの条例のパブリックコメントを9月1日から10月2日まで実施し、広く県民の方からの意見を受け付けています。

 
 

参考記事:
千葉県 “多様性尊重される社会実現へ” 新たな条例の制定検討(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230214/k10013980231000.html
多様性尊重条例  千葉県が骨子案を公表 パブリックコメント募集(チバテレ)
https://www.chiba-tv.com/plus/detail/20230984238
誰もが活躍できる社会へ意見募集 千葉県、多様性尊重推進に関する条例の骨子案公表(千葉日報)
https://www.chibanippo.co.jp/news/politics/1101401

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