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アンドラ公国の首相がゲイであることをカミングアウト
フランスとスペインに挟まれた人口79000人の小国・アンドラ公国のシャヴィエル・エスポット・ザモラ首相がゲイであることをカムアウトしました。
アンドラの公共放送「ラジオ・テレビジョン・アンドラ」のインタビューで、シャヴィエル・エスポット首相はこう語りました。
「私はそれを隠したことはありません。尋ねられない限り、言う必要がありませんでしたし、それは私という人間の全てを定義するものでもなく、私の政治的信条よりも小さなことでしかないという意味でも」
「しかし、同時に、これを表明することが問題にされるべきではないとも考えています」
「そして、もし、あなたの状況や性的指向にかかわらず、この国ですくすくと育ち、政治の長の位置にすら辿り着けるということを示すことが、子どもたちや難しい時期を乗り越えようとしている10代の若者たちの助けになるのであれば」
以前は裁判官だったシャヴィエル・エスポットは2019年、首相の座に着きました。
彼の首相の任期中にアンドラは同性婚を法制化し、性自認や性表現による差別を禁止する法も制定し、トランスジェンダーの法的性別変更も可能にしました。
最新のILGAヨーロッパのレインボーマップで、アンドラは欧州49ヵ国中24位にランクされています。
しかし、コンバージョンセラピーはまだ禁止されていませんし、ノンバイナリーのアイデンティティは法的に認められていません。そういう意味では、まだ課題が残っています。
シャヴィエル・エスポット首相は、欧州で最初のLGBTQのリーダー(政府首脳)というわけではありません。
世界初の同性愛者の政府首脳は2009年〜2013年にアイスランド首相を務めたヨハンナ・シグルザルドッティル氏で、EUで初の同性愛者の政府首脳は2011年〜2914年にベルギー首相を務めたエリオ・ディルポ氏です。
欧州では現在も、アイルランドのレオ・バラッカー首相、ルクセンブルクのグザヴィエ・ベッテル首相、セルビアのアナ・ブルナビッチ首相がオープンリー・ゲイまたはレズビアンの政府首脳となっています。シャヴィエル・エスポット首相は現役の4人目の同性愛者の首相ということになります。
また、国家元首としてはサンマリノのパオロ・ロンデリ氏がいましたし、今年7月にはラトビアのエドガルス・リンケービッチ大統領がゲイの国家元首となりました。
欧州で、これだけたくさんのLGBTQのリーダーが誕生してきたということは、いかにカムアウトしても問題にならないかということ、いかにゲイやレズビアンであるということが政治家のキャリアにとってマイナスにならないかということを物語っています(社会にホモフォビアがない…というわけではないでしょうが、少なくともLGBTQの政治家を不当に貶めたり排除したりせず、公正に扱うというルールが徹底されているということは言えるでしょう)。素晴らしいですね。
参考記事:
Andorra’s prime minister, Xavier Espot Zamora, comes out as gay: ‘I never hid it’(Pink News)
https://www.thepinknews.com/2023/09/12/andorras-prime-minister-gay-xavier-espot-zamora/