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　IGLTA世界総会2024が大阪で開催されることが決定しました。アジア初の快挙です。
　3月7日（日本時間）、世界有数の旅行博である「ITBベルリン」で発表されました。

　公益財団法人大阪観光局は以下のようなプレスリリースを発表しました。

　この度、公益財団法人大阪観光局が、2025年大阪・関西万博を翌年に控える2024秋の開催に向けて招致活動を行なってきました「IGLTA世界総会2024」が決定しましたのでお知らせします。
　本大会は、IGLTA※1が毎年、世界各地で開催するLGBTQ旅行業団体の世界総会であり、アジアでの開催は初めてとなります。
　大阪観光局では2018年からLGBTQフレンドリー受け入れ環境都市を目指し、活動して参りましたが、この度、その取組みが評価され、アジア初のIGLTA総会の開催にこぎ着けることができました。
　IGLTA総会誘致と翌年の大阪・関西万博を機に、大阪がLGBTQフレンドリー都市として世界に向けて発信するとともに、大阪をハブにして全国のLGBTQ受け入れ環境都市とも連携し、オールジャパンでのLGBTQツーリズムの普及に努めて参ります。
　今後のスケジュール等、詳細につきましては後日、記者会見を予定しており、会見当日にはIGLTA役員も同席される予定です。日程、詳細が確定しましたら改めてご連絡させていただきます。

■大阪観光局理事長 溝畑 宏コメント
　今回、アジア初となる「IGLTA世界総会2024」大阪開催の決定をいただき、大変名誉に思っております。
　大阪は、誰もが安心して楽むことができる「持続可能な観光都市」を目指しており、多様性を重視した取組みの一つとして「LGBTQツーリズム」についてもいち早く展開してきたところです。今回の決定は、こうしたこれまでの取組みが実を結んだものと思っています。  
大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会デザイン」は、まさにIGLTAの理念とも共通するものと思っております。二つのビッグイベントを通じて、北は北海道から南は沖縄まで、日本の魅力をLGBTQの皆様にしっかりと発信し、多くの皆様をお迎えしていきたいと思います。
 
※1 IGLTA（国際LGBTQ+旅行協会）は、LGBTQツーリズム普及のため、1983年に米国で創設された旅行業団体です。世界80ヵ国にわたって2000を超える旅行会社やホテル、航空会社などが加盟しています。


　大阪観光局は2018年から、OUT JAPANの協力のもと、海外のLGBTQに向けた特設サイトを設けたり、2021年2月には日本初のLGBTQツーリズムをテーマとしたカンファレンス「LGBTQ Tourism Conference in Osaka」を開催し、6月には日本の観光局・DMOとして初めてプライド月間を祝うキャンペーンを展開、7月には新プロジェクト「OPEN ARMS PROJECT」を展開、昨年6月にもドラァグクイーンを起用したプライド月間のキャンペーンを実施するなど、IGLTA総会誘致を意識した多彩な取組みを行なってきました。今回、5年間にわたる努力が実を結び、見事にアジア初のIGLTA総会誘致が決定したこと、本当に素晴らしいです。

　弊社の会長で、大阪観光局へのコンサルティングに携わってきた小泉伸太郎は、「2011年からIGLTA会員になり、IGLTA総会を日本で開催できる日を夢見てきました。今回、大阪開催が決まったことでLGBTQツーリズムの歴史が変わりました。今後はAll JapanとしてLGBTQのお客様を迎える体制を整えていくよう、邁進していきたいと思います」とコメントしています。

　IGLTA世界総会は年に一度、加盟企業や団体が集まり、コンベンションや旅行博、IGLTA関連の表彰式（弊社の小泉も2016年、アンバサダー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、表彰されています）、ネットワーキングイベント、パーティなどが催される一大イベントで、米国内の都市と世界のどこかの都市の持ち回りで開催されています。コロナ禍で中止や延期などが生じたりしたものの、今年10月には40周年を記念する総会がプエルトリコで開催されます。そして来年秋には大阪での開催が決定、ということになります。アジア初の快挙です。

　
　大阪でのIGLTA総会開催決定のニュースは、アジアで初めてIGLTA総会が開催ということだけでなく、国際的なLGBTQイベントが日本で初めて開催されるという意義もあります。
　世界のどこかの都市で持ち回りで開催される国際的なLGBTQイベントとしては、ゲイゲームズ、ワールドプライド、ILGA（国際LGBTI協会）の年次総会、Mr.Gayコンテストなどが知られていますが※2、日本はいずれのイベントも開催されたことがなく※3、アジアでは香港や台湾に先を越されてきました。
　今回、ようやく日本で国際的なLGBTQイベントが開催されることになりました。そういう意味でも歴史的であり、快挙達成と言えるのです。
　

※2 ほかにもThe Archives, Libraries, Museums and Special Collections Conference、International Conference on Bisexuality、Lavender Languages and Linguistics Conferenceなどが国際会議を開催しています。（トランスジェンダーの祭典「ミス・インターナショナル・クイーン」も有名ですが、毎年パタヤの「Tiffany's Show Pattaya」で開催されるものですので、ここでは挙げませんでした。シカゴで開催されるIneternational Mr. Leatherも同様です）

※3 
　1986年の国際レズビアン情報サービス（ILIS）のジュネーブでの国際会議でアジアのレズビアンの方たちが「Asian Lesbian Network」を組織化し、アジアで4回、国際会議を開催しました。そのうち2回目が東京で、1992年に開催されていました。LGBTQの国際会議が日本で開かれたケースとしてはこちらが最初です。が、ワールドワイドな全世界規模のLGBTQのイベントや国際会議となると、上記に挙げたようなイベントになるかと思います（ILGAの会議もアジア地域で開催されていたり、欧州ではEURO PRIDEやEURO GAMESなどのイベントが盛んに開催されていたり、地域ごとのイベントはいろいろあります）
　1994年に横浜で開催された国際エイズ会議では、ゲイコミュニティのメンバーも多数関わり、活躍を見せましたが、LGBTQの尊厳や権利の回復を主眼としたイベントとは趣旨が異なるかと思い、ここでは含めませんでした（なお、国際エイズ会議としては2003年、神戸でもアジア太平洋地域エイズ国際会議が開催されています）