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川越市の最明寺で初の仏前式LGBTQウエディングが開催

 4月6日、川越市の最明寺で埼玉県初となるLGBTQカップルの仏前結婚式が行なわれます。
 2020年、川越市で「パートナーシップ宣誓制度」が導入されたことを受けて、最明寺が仏前式の同性結婚式を始めました。今回がその最初のカップルとなります。
 

 現在の日本の結婚式には教会式・人前式・神前式などがありますが、寺院で行なう結婚式は仏前結婚式と呼ばれ、寺院で当人どうしが好伴侶であることを誓う儀式であるとともに、出会えた「縁」を仏様に対して感謝する場となります(仏前式による同性結婚式は、京都の春光院が2014年頃に始めたのが最初だったとみられます)
 本来の日本仏教の教えでは「寺院は生涯を通じて関わっていける場所」として活用することが求められている一方、仏教はその教義に「性別に捉われない」という多様性の尊重があり、同性愛に対しても比較的寛容であるため、最明寺は「性に関係なく心のあり方次第で誰しもが幸せになれることを説くのが仏教の教え」だとして、同性結婚式を挙げることにしたそうです。
 最明寺副住職の千田明寛さんは「社会全体でLGBTQへの理解が進むなか、日本の伝統寺院としても性的マイノリティの人々とともに新しい寺づくりを進めている。仏前結婚式では指輪の代わりに念珠を用いて儀式を進める。LGBTウエディングでは『レインボー数珠』を用い、着用する袈裟も虹色の輪袈裟を用意する」「多様性を受け入れる仏教国の日本だからこそ、当寺は、誰もがいつでも帰って来られる思い出の場所になるようなLGBTQフレンドリーな寺院を目指している」と語っています。
 最明寺は同年10月に「SAITAMA RAINBOW フェスティバル」を開催、本堂がレインボーカラーにライトアップされたり、レインボーカラーの食材を使った精進料理など寺院ならではの趣向を凝らした啓発イベントとなりました。
 
 
 「仏教は同性愛に対しても比較的寛容である」という実例として、同性カップルのための新しいお墓を考案しただけでなく、僧侶や職員を集めてLGBT研修を実施したり、当事者を招いて意見を聞く座談会なども開催してきた江戸川区の證大寺、トランスジェンダーの尼僧・柴谷宗叔さんが性的マイノリティのために建立した大阪府の性善寺、レインボーフラッグを境内に掲げ、LGBTQを救済する愛知県の大法寺、レインボーフラッグを掲げ、仏前結婚式も検討している沖縄の普天満山神宮寺といったお寺のことを紹介したり、全日本仏教会がLGBTQシンポジウムを開催し、初めて公に支援を表明といったニュースをお伝えしてきました。
 つい先日も全日本仏教会と全国日蓮宗青年会が差別や偏見という心の問題を僧侶として学びつつ、仏教の視点からLGBTQへの理解促進を目指そうとする活動に取り組んでいる、2021年にはレインボーステッカーを作製した、という報道がありました。
 


参考記事:
4/6 埼玉県で初となる仏教寺院でのLGBTQ WEDDINGが開催(大宮経済新聞)
https://omiya.keizai.biz/release/179598/

LGBTQ理解促進を ステッカー活用で 全日仏・全日青(中外日報)
https://www.chugainippoh.co.jp/article/news/20230303-005.html

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